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オズと召喚士  作者: 森ハム
第2章 〜 神様地上生活編 〜
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黒炎龍(サラマンダー)

 カワキラ山へと修行にやってきた政宗は、能力(ちから)を封じる腕輪を付けながら登山を始めた。

 カワキラ山は急斜面の岩肌で、山というより崖だった。登るには、ロッククライミングをしなくてはならない。命綱も無く、能力(ちから)も使えず、まさに命懸けだった。

『こんな所、本当に登れるのか?』

 心配になりながら山に手を掛けた。触ってみると岩が脆く、少し力を入れると崩れてしまった。

『ヤバイぞこの山!絶対死ぬぞコレ!!』

 政宗は中々登る心の準備が出来なかった。せめて、シールドさえ使えればこんな山はなんともないのに……。だが、使わないからこその修行なのだ。

 再び政宗は山に手を掛けた。やはり、脆い。なんとかして登れないものだろうか。

 つべこべ考えていも仕方がない。意を決して政宗は、登り始めた。

 一つ一つ、慎重に手探りでなるべく頑丈そうな所を選んでいった。

 少し登ると、地面まで滑り落ちてしまった。そんなに高い所まで行ってなかったから良かったものの、また降り出しに戻ってしまった。

(もう少し頑丈なら……)

 政宗は、ふと思い付いた。脆さを利用出来ないかと。

 そこで、岩壁に向かって拳を付き出してみると、腕が突き刺さったのだった。

(コレならイケるかもしれない!!)

 手と足を突き刺し、慎重に一歩ずつ登っていった。半分くらい登った頃だろうか、突如強風が政宗を襲った。

 風はゴーゴー音を立て政宗を岩壁から引きずり落としてしまった。

 運良く軽症で済み、再び山頂を目指した。

 今度は風に負けないようにさっきより深く突き刺した。

(この試練を乗り越え必ず雫を救ってみせる)

 自分にそう言い聞かせながら登っていった。再び強風が襲い掛かるがなんとか凌ぎきった。

 そして、ようやく山頂へと辿り着いたのだった。山頂には大きな穴が空いており、覗き込むと、穴の底には黒いマグマのみたいな物が見えた。落ちたらひとたまりもないであろう。

 覗いていると、マグマはブクブクと音を立て膨れ上がった。中から黒い炎の龍が飛び出してきたのだった。

 【サラマンダー】だ!!

 政宗が慌てて下山しようとした時の事、足を踏み外し穴の中へと落ちてしまった。

『冗談じゃねーぞ、こんな所で終われるかよ!!』

 必死に足掻こうとするが、能力(ちから)は使えない。万事休す!! そう思った時、サラマンダーは政宗に突っ込んできた。

 すると、サラマンダーは政宗の身体を通り抜け、何処かへと消え去ってしまった。

 この時、政宗に異常はなく、そのままマグマの中へと落ちてしまった。

 しかし、政宗はマグマに落ちても平気だった。

 政宗の身体は黒い炎に包まれ守られていたのだ。

 サラマンダーによる物だろうか……。理由は解らないが、助かった。

 でも、この穴から脱出しない限り本当に助かったとは言えない。しかし、かなり深く落ちたので、容易く登る事は出来なさそうだ。

『俺に翼が有ったなら、こんな所すぐに出れるのに……』

 その時、政宗の背中から黒い炎の翼が現れた。

 自分の意思にリンクして翼は自由に動かす事が出来た。翼を羽ばたかせると、政宗の身体は浮き上がり、見事生還を果たした。

 そのまま、魔王の元へと空を飛び帰っていったのだった。

 地上へ降り立つと、政宗の身体からは黒い炎は消え去り、腕に黒い龍の紋章のような物が刻まれていた。

 魔王はその紋章を見てこう言った。

『サラマンダーの試練を乗り越えた様ですね。貴方なら出来ると信じていました』

 どうやら、政宗に課せられたメニューは、その試練という物だったらしい。試練とは、己の肉体だけでカワキラ山を登りきり、サラマンダーに認められる様な強い意思を持つことだと、魔王は語った。

 そして、その試練を乗り越え、政宗は新たな力を手にしたのだった。

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