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オズと召喚士  作者: 森ハム
第1章 〜 異世界召喚編 〜
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政宗死す!?

ソルはトトに憑依する事で、政宗がトトと戦う様に仕向けた。

だが、政宗はまだ戦う事を躊躇していた。


中身はソルだとしても身体はトトだ。仲間を傷付けたくはない政宗はひたすら守備に徹した。


ソルはフェンリル化に加え黒い翼を生やしていた。

トトの鋭い爪で政宗に斬り掛かった。

『コイツの身体に憑依した途端、このザマか!?さっきまでの威勢はどうした!?』

ソルの爪の激しいラッシュが政宗を襲う。

次第にシールドは破壊され政宗の胸を爪が掠めた。

かすり傷程度だが政宗の胸からは血が流れた。


政宗は後ろに跳びはね距離を取る。

だが、ソルのスピードの方が速いためすぐさま接近されてしまった。

ソルは政宗の腹を殴った。


『ぐはっ』


政宗は嘔吐した。


『これでもまだ戦わないつもりか?』

それでも政宗はまだ躊躇っていた。


ソルは腕を広げた。

『ほら、何もしないからこの左胸を貫きたまえ』


それでも政宗は何もしなかった。

深くため息を付くとソルは爪を立てた。

『君がやらないなら自分でやるよ…』

『やめろっ!!』

ソルはクスクスと笑ってみせた。


『やるわけ無いだろう。いや、出来ないのさ。自害しようとしてもトトが抵抗するんだ。でも不思議だねぇ。君を攻撃する事に関しては抵抗しないんだ。つまり、彼は君と戦う事を望んでいるのさ!!』


政宗はそれを聞いてようやく戦う気になった。

だが、トトを殺すつもりは無かった。


政宗はトトに殴りかかったが、ソルは蹴り飛ばした。

『俺は殺せと言ったんだ!何故本気でやらないっ!!』


『殺せるかよ…仲間を殺せるかよっ!!』

次の瞬間、ソルは政宗の左胸を貫いた。


『君にはガッカリだよ…』


『政宗くぅぅぅぅぅんっ!!』

ドロシーは叫びながら駆け寄るが政宗には聞こえていなかった。

そうして政宗はその場に倒れてしまった…。


ドロシーは政宗を抱きしめながら泣いた。

自分の不甲斐なさと巻き込んでしまった事を悔いていた。


『さて、どうしよっか?』

ソルはドロシーに問いかけたが、すぐに続けて言った。


『なーんか、もうどうでもよくなっちゃった』

ソルはどこか寂しげに空を見上げていた。


『ねぇ、やっぱりこの世界を壊そうと思うんだけど。どうかな?』

ドロシーも政宗を失いどうでも良くなってしまっていた。

そんな時、政宗の指がピクッと動いたと思ったらガバッと政宗は立ち上がったのだった。


『ウワーッあっぶねー!!マジ死ぬかと思ったー!!』


ドロシーは目を丸くして呆然としていた。


政宗はソルの元へスタスタと近寄るとゲンコツをした。

『いくら何でもやり過ぎだろ!マジヤバかったぞ今のはっ!!アホかっ!!何で神ってのはろくな奴がいないんだ!?だいたいなぁ、くどくどくどくど………』


ソルは驚いた。確かに政宗の胸を貫き、今も穴が空いている。

それなのに政宗は普通に動いているのだ。


『何故…生きている?』

ソルの問にアッサリ政宗は答えた。


『あぁ、心臓が停止する寸前にシールドで貫かれた部分を作ったんだよ。紙より柔らかく調整するの結構難しいんだよな〜。あと、身体もシールドで止血してるんだよ』


確かによく見ると微かに光の粒子が見えた。

だが、やはり直に中身が見えるのはグロテスクなので政宗はすぐにシールドを見える様にして中身を隠した。


『ハハハハハッやっぱり面白いね君。楽しいよ!こんなに楽しいのは初めてだ!!』


ソルはワクワクしていた。

ドロシーはまだ固まっていた。

政宗はあっけらかんとしていた。


『そういえば今のってトトの意志でも有るんだよな?』

『あぁ、その通りだ』


政宗はポリポリと頭を掻きながら言った。

『トトがそこまでするってんなら真面目にやらなきゃ逆に失礼だよな…』


政宗は覚悟を決めた。

『ソル、悪いがアンタに一つ頼みが有る』

『ほう?言ってみたまえ』


政宗はソルの本来の身体に指差した。

『俺はトトと戦う。だからアンタは元の身体に戻ってくれないか?』


政宗はソルではなくトト自身と戦いたかった。

だが、ソルは首を横に振った。

『悪いがそれは出来ない。一度入った身体には入れないんだ』


つまりソルの前の身体はただの抜け殻になってしまったのだ。


『そっか…』

政宗は俯いた。


『でも、俺がトトを殺したらソル、アンタも死ぬんじゃないのか?』

珍しく政宗は鋭かった。


『大丈夫さ。その時はトトから切り離され魂だけになるけど消えはしないから』

チートだ…神は死なないとでもいうのか?

なんてズルいヤツ!!


『僕は今は彼から離れられないけど彼の意志を表に出す事は出来る』

『本当か!?じゃあ頼むよ』

政宗は手を合わせてお願いした。


すると、フッとソルは笑った。

『わかったよ。さぁ、トト。存分に遊ぶと良い』


トトの身体からは禍々しい気が消えていた。


『オズ…いや、政宗。僕は君に殺されるなら本望です。でも、タダでは死にたくありません…。全力の君と戦いたいんだ』


『あぁ、死んでも恨むなよ?』

『感謝はしても恨む事はありません。だから…』


二人は互いに歩み寄る。


『今度は邪魔する者は居ない…』


『あの時つかなかった決着を…』


二人はガシッと握手をした。

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