暗闇の魔女と追跡者
魔女達の力によりなんとかギリキンから離脱した政宗達。
しかし、辿り着いた先は西の魔女セオドラの住むウインキーの城の中だった。
『さぁ、取り敢えずセオドラに会いに行きますわよ』
そう言って、負傷したトト、ジャンヌ、牙王を横にしてカトレアに託した。
『セオドラって敵だろ?何で?』
政宗はグリンダに問う。
『私は一度たりとも敵と言った覚えは有りませんわよ?』
確かに敵と言ってはいなかった。むしろ、女子会を開く程の仲だった。
グリンダはコンコンとセオドラの部屋をノックした。
『入りますわよ』
『1分だけ待ってあげて』
部屋の中からエヴァノラの声がした。
そういえばエヴァノラは姉の所へ行くと言ったのだった。
ー1分後ー
『入って良いわ』
入室の許可が降りた。
中に入ると灯りは付いていなく、とても暗かった。
部屋の奥にスポットライトが当てられた。
そこにはセオドラらしき女性が立っていた。
『人の仔よ我が城へよくぞ参った。我こそは』
急に部屋の全ての灯りが付くと
『はいはい、そこまでにしてよお姉ちゃん』
『だ、駄目〜まだ台詞の途中だったのに〜』
何だこの茶番は…。
『紹介するわ。これが私のお姉ちゃんのセオドラよ』
エヴァノラが紹介してくれた。
『は、初めましてセオドラです。』
『どうも…』
政宗達は何が何やらといった感じだった。
『お姉ちゃんは暗い所だとキャラが変わるの。ま、変態ね』
姉を変態呼ばわりする妹。
『あ、あの、それでですね』
セオドラが話してる最中に政宗は灯りを消した。
『ククク、我が貴様らを呼んだのは』
今度はドロシーが灯りをつけた。
『と、突然お呼びしても、申し訳ありません』
『お姉ちゃんで遊ばないで!!』
エヴァノラに怒られ、正座をさせられる神様と英雄…。
『あ、あの、予言の書、ほ、本当にごめんなさい』
『お姉ちゃん、それじゃ話通じないから…。私から話すわ』
ため息混じりでエヴァノラが代弁しだした。
『お姉ちゃんの中に何者かが入り込んで予言の書をグリンダから奪い去ったの。で、あのジジイがそれを持ち去ったのよ』
『エヴァノラ?ご老人をジジイ呼ばわりはいけませんわよ?』
前にもこれで怒られたのを二人は思い出した。
『はいはい、マーリン(グリンダがうるさいから)が持ち去ったのよ』
『つまり、マーリンはセオドラに乗り移っていた誰かの部下だったって事か…』
『で、それって誰なの?』
ドロシーの問いに首を振るエヴァノラ。
『それはわからない。でも、間違い無く敵よ』
そりゃそうだ、味方の訳がない。
『何処の誰かわからないんじゃ、今はお手上げか…』
政宗達には今はどうする事も出来なかった。
コンコン
誰かが部屋をノックした。
『あ、あの、少し待ってく、ください』
部屋を暗くしようとするセオドラだったが
『それはもう良いっ!』
エヴァノラに阻止された。
扉を開けるとカトレアがそこに立っていた。
『…大変よ』
全然大変に見えないカトレア。
『…トトが城を飛び出したわ』
なんとトトが城から出ていってしまったらしい。
『何だって!?すぐに追わなきゃ!』
政宗達は部屋から出ようとした。
『…その必要は無いわ』
その必要は無いらしい。
『…連れ帰ったもの』
連れ帰ったらしい。
『先に言えよ!』
政宗は怒った。
『…嫌よ。面倒くさい』
本当に魔女にはガッカリさせられると思った。
カトレアはトトを部屋に呼びつけた。
『何故城を出ようとしたんだ?』
政宗の問いにトトは答えた。
『【ジーク】が居たんです』
『ジーク?』
『はい』
トトは語った。暴走していた時に少しだけ意識が有った事を。そして、あの機械がルナティックガーディアンの最後の一人 ブリキのジークだという事を。
『何故俺達の敵側に居るんだ?』
『きっとまだ出会ってない頃の彼が召喚されたんだと思います』
トトはとても悲しそうだった。
『所で怪我の具合は?』
トトは忘れていた様でハッとした。
『思い出したら、とても痛くなりました』
そう言ってトトは再び意識を失った。
ヤレヤレと政宗がトトを運ぼうとすると
ドガァーーーン
城を何者かが攻撃してきた。
外を見るとそこにはあの時の機械、ジークが追いかけてきていたのだった。
『目標を感知。直ちに撃破します』




