断るわ
牙王に北の魔女の元へと案内された。北の魔女は幼き少女のカトレア。大勢の子供達と共に住んでいる様だ。
『マザー、牙王のオジサンがまた食べ物を持ってきてくれたんだよ』
子供達は嬉しそうにカトレアに言った。
『マザー!?』
政宗達は驚いた。何故こんな幼い少女がマザー? 実はおかん的な性格なのか?
『ちょっとアンタ達! 早く起きなさい』とか
『ゴロゴロしてないで少しは手伝ったらどうなんだい!?』とか『ほらハンカチ持った? ティッシュは? あ〜、まったく! だらしないね〜ネクタイ曲がってるよ』
そんな内容が頭をよぎる。
『……あら……お客さんね……いらっしゃい』
カトレアの表情はあまり変わらないが、口元が微妙に軽く上がってる気がした。
『カトレアはこの孤児達を引き取って暮らしているんだ』
『小さいのに頑張ってるのね、偉いね』
ドロシーがそう言ってカトレアの頭を撫でた。
カトレアは軽く溜息をついた。
『……人を見た目で判断するのは良くないわ。……私はこれでもこの男の何倍も年上よ』
そう言って牙王を指差した。
『因みに俺は18歳だ』
『えぇーーーーーっっ!!』
カトレアが高齢だという事より、牙王が10代だという事が何よりも驚きだった。
先の村でもこの家でも、子供達からオジサンと呼ばれていた事も有り、みんなが疑う事もなくオジサンだと思っていた。
『私はてっきり50代かと……』
『いやぁ実は俺も……』
コソコソとそんな事を話していた。しかし、全て丸聞こえだった……。
『ハッハッハッよく言われるよ』
牙王は特に気にしていない様だ。
(それにコイツも人の事言えないか)そう思いながらドロシーを政宗は横目で見た。
ドロシーは若く見えるが何万いや、何億と生きているのだ。さすが神様。
『……とりあえず中に入るといいわ』
カトレアに連れられ家の中へと入っていった。
家の中は子供が多いせいか、落書きや修繕した後などがちらほらと見受けられた。
『……こんな所まで私に何の用かしら?』
『グリンダの予言の書をセオドラから取り戻すのに力を貸してもらいたいんだ』
『………………断るわ』
無表情のまま沈黙が続いたと思ったら、軽く断られてしまった。
『エヴァノラの嘘つき……何がきっと協力してくれる。よ』
ドロシーはテーブルの上に顎を置いた。
『……エヴァノラの知り合いなの?』
『えぇ、そうよ?』
エヴァノラという言葉に反応した!? これはチャンスか?
『………………やっぱ断るわ』
やはり断られてしまった。
『神の頼みだというのに聞いてくれないのか?』
ジャンヌは立ち上がりカトレアにせがんだ。
『……神? ……それは少し興味有るわ』
喰い付いた!!カトレアと牙王に事の経緯を話した。
『……………………やっぱ断るわ』
またしても断られてしまった。
『……………………やっぱ構わないわ』
三度断られたが要約力を貸してくれる気に成ってくれた。
『……その代わり……牙王をこの国の王にしなさい』
カトレアは政宗達に難題を押し付けてきたのだった。




