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オズと召喚士  作者: 森ハム
第1章 〜 異世界召喚編 〜
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獅子将軍

 ある所に一人の少年が居ました。

 少年にはとても仲の良い男の子とその妹が居ました。

 その男の子は活発でとても強く勇敢で妹思いの優しい子でした。

 男の子の妹は病気で体が弱くあまり外へ出る事はできませんでした。

 少年も男の子達も親も居なく貧しかった。それでも三人は仲良く楽しく過ごしました。

 少年と男の子は友達であり良きライバルでもありました。

 何をするにもいつも一緒で時に笑い、時に泣き、時にケンカをし、時に競い合いとても幸せでした。

 やがて少年達は大きくなり国の兵隊に成りました。

 二人は戦果を上げ、若くして将軍となったのでした。

 少年は【獅子将軍】、男の子は【龍将軍】の異名で知れ渡りました。

 この国は強者が国を継ぐ習わしで二人は候補に挙げられました。

 二人は互いに全力で闘う事を約束したのでした。

 しかし、国王を決める試合前日に男の子の妹の病状が悪化したのでした。

 病気を治す為には莫大な資金が必要でした。

 それでも全力で闘ってくれと少年に言いました。

 だけど翌日少年は試合を放棄し旅に出ました。

 男の子は王と成り、莫大な資金を手に入れました。

 これで妹を治せると思った矢先、妹は息を引き取ったのでした。

『金さえ有ればもっと早く病気を治し妹を救えた。所詮、世の中金なんだ!』

 男の子は人が変わり果て、税金を上げ国民から徴収したのでした。

 国民は税金により貧しく成り、生きていく事も難しくなってしまったのでした。

 そして少年はというと、食料を集めては国中の街や村へ配って歩く毎日を過ごしているのでした。



『とまぁ、こんな感じだ。』

 赤髪の男は自分の生い立ちを話してくれた。

『闘ってアンタが王になってりゃ良かったのに』

 政宗が赤髪の男にそう言うと首を横に振った。

『アイツの妹の命が掛かっているのに闘うなんて勇気は無かった……。俺は臆病者だったのさ』

 赤髪の男はため息混じりで遠くの空を見つめていた。

『アンタが王になって金を出す事が出来たんじゃないのか?』

『あの頃のアイツはきっと受け取らなかったさ。一人の為に金を使うくらいなら国の為に使えってな。ま、結局は助からなかったんだけどよ』

『そっか……』

 みんなそれぞれに思うところは有ったのだろうが言葉が見つからず何も言えなかった。

 沈黙が続いたので赤髪の男は立ち上がり

『しみったれた話をしてすまなかったな。さ、魔女の所へ案内するぜ』

『あのっ! ちょっと聞いても良いですか?』

 トトはいきなり話し掛けた。

『さっき獅子将軍と言いましたよね。……貴男の名は?』

『俺か? 俺の名は【牙王(ガオ)】だ!』

 牙王は爽やかに白い歯を見せニッコリと笑った。

 それを聞いたトトは目をパチクリさせていた。

『やっぱりだ。姿が僕の知ってる牙王さんとちょっと違っているのでまさかと思いましたが……』

『てゆー事は……』

みんなが牙王の方をゆっくりと向いた。

『彼こそガーディアンの一人、ライオンの牙王です』

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