無意味な夢
遙か昔、この惑星が地球と呼ばれていた頃、空には太陽と月が有りました。
太陽は世界を強く照らし、月は優しく世界を包み込んでいました。
神と女神をそれらに例え、神を【ソル】。女神を【ルナ】と呼んでいました。
ルナには【ルナティックガーディアン】と呼ばれる五人の守護者が居ました。
天界と魔界の戦争が有りました。
戦争により天界と魔界の間に有るここ人間界は滅びの時を待つだけでした。
そんな中、戦争を終わらせるべく、ルナ率いるルナティックガーディアンは魔界へと趣き、魔界の王魔王と直接戦う事にしました。
そして、ルナティックガーディアンのリーダーが見事魔王を倒したのです。
『そして、そのリーダーこそが貴方! オズ様ですわ』
『ここって地球だったの!?』
政宗とドロシーは声を揃えて驚いた。
『え? そっちですか?』
トトは目を丸くして言った。
『それに太陽と月が無いみたいな事言ってなかったか?』
『えぇ、有りませんわよ?』
政宗の問いにグリンダはあっさりと答えた。確かに太陽も月もこの世界に来てから一度も見てはいなかった。
『それと、俺は魔王なんかと戦っていないし、なんのことやら……』
政宗は頭を抱え混乱してる様だが、ドロシーは真剣な顔で何か考えているようだった。
『もしかして、太陽は爆発して月は地球に落下した……とか?』
『その通りですわ。よくご存知ですわね』
『この前見た夢はそれだったのね』
ドロシーは夢の話をした。
『過去に本来見るはずの予知夢を未来で見た……と』
(意味ね~……) みんなそう思い絶句。
『と、とりあえず一度城へ戻りましょう』
トトはなんとかしてこの場の空気を変えようと必死な様子だった。
『それじゃあ私は先に帰ってますわ』
そしてグリンダは転移魔法で先に帰った。
『あ、一人だけ魔法で帰りやがったキタネー!』
取り残された三人はトボトボとゆっくり帰っていった。