第45話:ギルドという場所
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今、あたしはギルドに来ています。
ここに来るまでにちょっとバタバタしてました。
何故ならあたしのサングラスが装備に全く似合わず、凶悪さが増した為だった。
そこで、雑貨屋さんに行ってゴーグルを買おうとしたら、
「昨日のお詫びと思ってどうぞ持って行って下さい」
なんて店主が言い始めたのよ。
だけど、そのゴーグルは金貨10枚の値段が付いているヤツだったの。
金貨10枚ですよ。日本円にして一千万円なんですよ?そんな高価な物をタダで貰うわけにはいかないでしょ?
それなのに店主は一歩も引かない。しかも、グリックさんまで受け取って当然だと言う。
「いくらなんでもこんな高価な物受け取れません!」
「こちらとしても受け取って頂かなければお詫びをする機会がなくなってしまいます」
「気にしていないのでそこまでして頂かなくて結構です」
そう言っているのに店主は引いてくれない。
困り果てていると、グリックさんが会話に参加してきた。
「グリック商会としてあってはならない事をしたこの男に賠償請求として金貨20枚を請求するつもりでした。ですが、幸いな事にサトー様のお役に立てるような商品があったわけですからそれで罰を免除してあげようという訳ですから安いモノですよ」
つまり店主のポケットマネーですよね?それ。
もしや、宿屋の方もなのか?
昨夜は何処の大貴族が泊るんだろうかと思われる程の部屋に案内され、食事も最高級と言われている(カッツェさん情報)食品をふんだんに使用した物が出て来た。
そう言えば、吊り上がったグリックさんの視線を受けて宿屋の主が半泣きになっていたっけ。
「そうですね。口止め料もそれに入っていると思って頂ければ宜しいかと。
大切な商談相手を監禁なんて醜聞が広まれば、グリック商会としては大変な痛手を被る事になりますからね。下手をすれば倒産に追い込まれる可能性もある。ですから、それでなかった事にして欲しいのです」
そんな事しなくても口外しないよ。
などと言っても受け入れては貰えない様子で、その後も暫く押し問答を続けていたけど、結局あたしが負けてゴーグルを貰う事になりました。
このゴーグル、不思議な色合いをしている。
なんと、光の当たり方で青、群青、菫など青系の様々な色に変わるのだ。
そのお陰であたしの眼力はあまり気にならなくなったようで、周囲の視線が痛くない。
まぁ、結果オーライ。
冒険初心者とはとても思えないすっごい装備だけど、目立ちまくりだけど、あたしはエラ耳を隠して人間の姿になったカッツェさんと共にギルドへと向かった。
そして、今に至るワケです。
大きな街のギルドだけあって凄い賑いだ。
依頼者だと思われる町人その一みたいな人達がいれば、いかにも冒険者ですといった人達もいる。
如何にもならず者といった雰囲気を発している人、吟遊詩人風の人、身軽そうな軽装備の人など実に様々な人達で溢れ返っている。
ギルド内最奥には役所のように受付カウンターがあり、用件ごとに窓口が違っている。
ギルドに入って正面が依頼受付、右端が依頼中ミッション進捗情報窓口、正面左側は依頼請け負い側、冒険者の専用窓口になっている。
その窓口は更にいくつか別れていて、正面左が依頼結果報告、その左が依頼請け負い窓口、一番左が冒険者登録になっている。
因みに、入口からは冒険者用窓口は見えない。
何故なら依頼ランク毎に分けられた掲示板が視界を遮っているからだ。
小さなギルドだと掲示板は一つしかないもしくは壁に適当に貼られているらしいのだけど、流石は大きなギルドだけあって掲示板の数は多い。
簡単な依頼はEランク、難しいくなればなるほどランクは上がっていき、最高はAランクになっているけど、非常にまれにSランクやSSランクなんてものがあるらしい。
あたしは物珍しいその室内の虜になっていたのだけど、そうしたらカッツェさんが呆れながら冒険者登録窓口へとあたしを引き摺って行った。




