介護はまかせた
あと二話で完結。
「え?もう一回言ってくれる?」
「ハルト・ノノミヤ 新婚ホヤホヤですって自己紹介したいんですけど、「新婚ホヤホヤ」って英語で何て言うんですか?」
「・・・・・・・・・・」
昨今、日本のアイドルが海外でもブームになっている。
春都君の顔はそのテだ。アイドル顔だ。
きっと留学先の学校でもモテるだろうねーと言ったら『おれは人夫ですから!』と私に言った。
人夫はガテン系労働者のことであり、人妻の反意語ではありません。
「間口狭めるようなこと言わなくてもいいんじゃない?」
青春謳歌したら?ってつもりで言ったら「俺の青春はつかささんです!」と言われました。そんな輝かしいものじゃないですよ!
「それでですねつかささん! バイトでバスケの指導っていうのがあるんで、これをやりたいんです」
「練習に専念したほうがいいんじゃないの?」
「赤ちゃんのベッドは俺の稼いだ金で買いたいんです!」
そんなこと言われたら、反対できないじゃないか。
ところで、現在のお金関係のハナシだが、春都君の留学費用は全てご両親負担だ。
今すんでいる家は、賃貸。ここの支払いは私。ジェニーさんへ給料支払っているのも私。
このあたり春都君のご両親とモメたが、夫が一人前になるまで支えるのも妻の役目っしょ。と丁重にお断り申し上げた。
が、息子さんが旅立つまでの費用(学費)は、ご両親持ち。
出産費用は「私達にも花を持たせて!」とお母様に泣かれたので、あちら持ち。
ちなみに出産のことを話したら、姪のかなめから「乳母車は私達がプレゼントするから!」と言われました。私達って、森川君と2人ってことかな。
かなめの母、ようするに実姉には早めに話していたのですが「このショタが!」と言われたあと、「チャイルドシートと粉ミルクはこっちから送る」と祝福されました。
お腹はどんどん大きくなってくる。
「まさか春都君の子供を産むことになろうとは・・・」
「俺以外の誰の子供を産むって言うんです!? フレディですかっ」
産めるかぁ!
「なんつーか、独身でバリバリ働いて、高級老人ホームで余生を過ごすつもりだったからさぁ~」
「大丈夫です。高級老人ホームも顔負けの介護を俺がします!」
そりゃ春都君のほうがうんと若いけどさ。
ムカついたので、頭を叩いておきました。




