一緒にいきましょう
タイトルの「いく」はあえてひらがなにしましたが、カタカナ変換はお控えください。R指定っぽくなるから(笑
「春都君、留学とか考えてる?」
「はい」
悶々と考えるのに飽きて、思い切って聞いてみたら、あっさりと二文字で返事が来ました。
「やっぱりアメリカ?」
「はい。話をもらっているのはカリフォルニアの学校です」
あっちから話が来ているとは・・・留学話は本格的なわけか。
なら、彼女の私になんの話もないとはどういうことだ?
「カリフォルニアのどこ?」
「カリフォルニアって大きいんですか?」
「州なんだから大きいに決まっているでしょ。カリフォルニア州ロサンゼルスとか聞いたことない?」
「あ、そこです」
「・・・学校調べたりとかしていないの? 自分の将来のことでしょ?」
「先生や顧問やバスケ記者の人が調べてくれて『そこなら問題ない』と言ってたんで・・・」
私が留学するときは、全部自分でこなしたぞ?
なにその上げ膳据え膳!
「ここまで聞いていてなんだけど、私に何か言うべきことはないのかな?」
「好きです。愛してます」
そういうことじゃねぇ!
その単語はありがたいことに何度も聞いている。留学関係の話だよ、聞きたいのは!
「沖原というおっさんに聞いたのですが」
トゲがあるね。
「つかささんのお仕事は、特に場所を選ばないと聞きました」
「・・・まあね」
今は色々文明の利器が発達しているからね。
「あのシゲモンからも聞いたんですが」
1人しか居ないが、どのシゲモンだ。
「アメリカにもオタク心をくすぐられるものは沢山あるとか」
「あるね」
メイドインジャパンが一番心惹かれるけどね。
「行くときは一緒です」
今『逝くときは一緒です』と脳内変換しちゃいそうになったぞ。
断言しましたね、春都君。
あれか? 許可も必要ないほどの決定事項なわけ?
「3年の夏に留学しようかと思っていますんで、宜しくお願いします」
「よろしくって・・・」
夏。
確かにアメリカの学校は9月が進級の時期だから丁度いいんだろうけども。
「それまでに引越しの準備をしてろってことなの?」
私の意志は無視かい。
反抗期なんかとっくに過ぎたが、反抗したくなったぞ、おい。
「いえ。そのときには俺も18歳になっているんで」
「じゅうはち・・・」
まさか。
「東京から直接カリフォルニアに行くんじゃなくて、ハワイに立ち寄って挙式しましょうねv」
まじか!
最初の告白時から春都は結婚を前提に考えていましたので、お付き合いを始めたとなれば、その考えは現実として始動していたのでした。
ちなみに、つかささんのカリフォルニア行きは決定ならば、ハワイで挙式も決定事項。春都にとってみれば、本人に確認するほどのことでもないらしい。
・・・いちお、18歳の誕生日にプロポーズする予定。台詞は現在進行形で改良中。
春都君はアメリカという国は知っていますが、カリフォルニアの中にロサンゼルスがあることも知りません。
高校生ってこんなもんじゃない?と思って書いた。「そのくらい知っている!」という学生さんは、賢いってことで、ヨロシク。
でも、ニューヨークじゃなくてワシントンDCが首都ってことは知っている。そこまでオバカじゃない。




