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将来の夢

後朝きぬぎぬの会話。

R指定? そんなものは無い!


「つかささん、将来の夢ってありますか?」

「そいうのは、春都君に私が聞くべきじゃないの?」

「俺はプロのバスケットプレイヤーです」



やっぱりそうなんだね。



春都君は、高校一年生にしてめでたく・・・なんか高校生で数人しか選ばれない何かになったらしい。バスケは興味がないので、よく分からなかったのだが、目出度いことだということは分かる。

高校生で数人ってことは、それだけ春都君がすごいプレイヤーだってことで、日本にもプロバスケはあるので、よほどの不幸がないかぎり、春都君はプロになれると思う。




「あと、つかささんのお婿さんになることです」

「・・・・・へ、へぇ~」



なんだこれ、プロポーズ?

だが、春都君はまだ16歳。私がここでイエスなんて返事をしたら、ぶっちゃけ重くね? それに、彼の将来を縛ってしまう。

こういうのは、もう少し先の話にしましょうや・・・。



「・・・(ふう)。つかささんの夢は?」

「ん~。早期リタイヤ。優雅な預金生活、かな」



欧米じゃ、いかに早くリタイヤするかに情熱を傾ける人がいる。今の日本じゃいかに定年まで仕事にありつけるかっていう人が多いのにね。

私は、定年までキリキリ仕事をする気はない。人生多く見積もって90年として、遊んで暮らせる金が溜まったら、いつでもリタイヤする気満々だ。



「物価の安い国に家を建てて、そこでリタイヤ生活を送りたいなぁ」



オタク物資を集めるのには苦労するかもだけど、日本にはオタ友いるし、協力してもらえばいい。




「・・・・・・・俺はどうするんですか?」

「・・・・・・・・・・・どうするんだろうね?」




いや、本当に分からないし。

私がリタイヤする頃、私達はどうなっているんだろう?

まだ一緒? だとしたらどうするんだろう?



「そのとき考えればいいよ」

「俺は今考えたいです」

「・・・・・・・」



真横にある春都君の頭を撫でる。・・・・・うっ、髪サラサラだな! 肌もスベスベだし。わが身を省みてしまうよ。



私は将来を先延ばしにしてしまい、春都君は将来を今考えようとする。

男女の違い? それとも性格や年齢によるもの?


でもね、春都君。




わたしは、君との未来が見えない。


ちょい、シリアス?


社会人のつかささんには、学生の春都との将来は思い描けない模様。

春都は妄想バクハツだと思われる。

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