恋人たちの空港での別れはかくあるべき
「毎日電話してもいい?」
と私が言うと、春都君は涙ぐみました。・・・なんで!?
「つかささんが自分からそんなこと言ってくれるなんて思っても見なかったから」
と言われて過去の自分を振り返り、春都君に申し訳なくなった。あのときは「面倒な未成年だな」と思っていたから仕方ないんだ。・・・と本人には言えない。
現在成田空港。
上平つかさは、あと1時間ほどで機上の人となります。
行く先はニューヨーク。滞在は三週間です。
「お土産なにがいい?」
「つかささんが早く帰ってきてくれれば、それが一番です」
「・・・滞在期間は縮められないなぁ~」
なんつーの?
春都君がオトメンな発言をするので、どうしても私の思考が成金親父化するんじゃないかと、この頃思います。
私、かつてこんな可愛いことを言ったことがあっただろうか、いや無い。
「よぉ、上平」
今回も一緒に同行するのは沖原だ。
前回のアジア外遊時に、電話先でモメたので、誤解が無いうちに紹介しておこうかと思っていたので、今回は丁度いい機会だった。
「お、見送りの子か?高校生?」
「そう。私の恋人の野々宮春都君」
「はじめまして」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
沖原が首をかしげたままで固まった。
アラフォーのおっさんがやっても可愛くないぞ。春都君なら可愛いが(恋人の欲目じゃなくてマジで可愛いんだよ)。
「ストーカーの子か!?」
ちょ、声大きい!
「うん。ほだされて付き合い始めて三ヶ月かな?」
「はい。ラブラブですv」
春都君がそう思っているならラブラブでもいいけど、そこまでラブラブじゃないと思う。
「お前・・・犯罪だろう」
「沖原さん、以前19歳の女子大生と付き合ったことあったよね」
「子供過ぎてすぐ別れたぞ」
「俺達の仲は良好ですw」
ギュギューと春都君が引っ付いてくる。
人前でベタベタするのは好きじゃないのでやめてほしいが、おそらく春都君なりの沖原への牽制なんだろうとガマンする。
ぶっちゃけ無意味な行動だけど。
が、あまりにもベタベタしてくるので、ちょっとウンザリしてきた私は「トイレ」と言って二人をその場に残した。
よって、どういう会話が交わされたかは不明なのだけど・・・。
飛行機でいつも饒舌な沖原が静かなことに気付いた。
「顔青くない? 腹下しているとか言わないよね?」
「お前・・・・・・よくあんなのと・・・・・・・いや、いい」
どうやら春都君が何かやらかしたようだ。
森川君が「ちょい黒」とか言ってたもんね。一体何を沖原にしたんだろう?




