# 第二話 ## 「オーガを倒したのは俺じゃない」
# 第二話
## 「オーガを倒したのは俺じゃない」
「だから俺は弱いんだって!」
森の中を走りながら、レインは必死に訴えていた。
しかし先を走る赤髪の少女――リアは振り向きもしない。
「大丈夫です!」
「何が!?」
「なんとなくです!」
「一番信用できないやつ!」
レインは泣きそうだった。
なぜ自分がいるのか。
なぜ選ばれたのか。
まったく分からない。
だがリアは本気だった。
「絶対に助けられます!」
「だからその根拠を教えてくれ!」
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十分後。
問題の森の奥へ到着した。
そこには――
巨大なオーガ。
身長三メートル。
筋肉の塊。
巨大な棍棒を肩に担ぎながら唸っている。
「グオオオオオ!!」
地面が震えた。
レインの足も震えた。
「無理無理無理無理!」
帰ろう。
そう思った瞬間。
リアが剣を抜く。
キィン――。
美しい音が森に響いた。
「私が行きます」
「え?」
「レインさんは下がっていてください」
「最初からそうしてる!」
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リアは走った。
速い。
とにかく速い。
風のようだった。
オーガの棍棒が振り下ろされる。
ドゴォォン!!
大地が砕ける。
だが。
リアは避けていた。
そして。
一閃。
シュン。
オーガの腕が宙を舞う。
「え?」
レインは目を疑った。
強い。
想像以上だった。
「なんだあの子……」
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オーガが怒り狂う。
残った腕で殴りかかる。
しかし。
リアは止まらない。
二撃。
三撃。
四撃。
剣閃が嵐のように降り注ぐ。
そして――
最後の一撃。
ズバァァァァァン!!
巨体が崩れ落ちた。
勝負は終わった。
完全勝利だった。
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「やった!」
リアが笑う。
レインも安心した。
「助かった……」
これで帰れる。
そう思った。
その時だった。
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ピカァァァァァァ!!
空から光が降ってきた。
「え?」
「またですか?」
リアが慣れたように呟く。
「また?」
次の瞬間。
レインの頭上に巨大な文字が現れた。
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【オーガ討伐成功】
【最大功労者:レイン】
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「は?」
「おめでとうございます!」
「いや待て!」
「さすがです!」
「だから違う!」
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さらに。
ギルドから駆け付けた冒険者たちが騒ぎ始める。
「見たか!?」
「オーガを倒したぞ!」
「レインが!」
「英雄だ!」
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「違うぅぅぅぅぅ!!」
レインの叫びが森に響いた。
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リアは首を傾げる。
「でもレインさんのおかげですよ?」
「どこが!?」
「私、一人だったら怖かったですし」
「精神論で功績持っていくな!」
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しかし誰も聞いてくれない。
その日の夜。
ギルドでは大騒ぎになった。
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「英雄レイン!」
「乾杯!」
「オーガ殺し!」
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酒場はお祭り状態。
レインは机に突っ伏していた。
「人生終わった……」
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その時。
一人の少女が近づいてくる。
銀色の髪。
紫色の瞳。
魔法使いのローブ。
年齢はレインたちと同じくらい。
少女はレインを見るなり言った。
「あなた、本当に倒してないでしょ」
「え?」
「全部見てたから」
レインの目が輝いた。
「信じてくれるの!?」
「ええ」
「ありがとう!」
「でも」
少女は不敵に笑った。
「その意味不明な現象には興味があるわ」
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彼女の名前は――
フェル。
天才魔法使い。
後に世界最高の賢者と呼ばれる少女だった。
そして。
彼女の加入によって、
レインの"良いとこだけ持っていけスキル"はさらに大暴走を始める。
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## 次回
### 第三話
**「天才魔法使い、全部見抜く」**
フェル加入。
しかし彼女が倒した魔物まで、
なぜかレインの伝説になってしまい――。




