セシリア、隣村に行く
「困ったわ・・・・・・。」
私は目の前にある光景に困っていた。
その光景というのは畑だ。
最初は私一人ぐらいが食べれるぐらいの農作物が採れれば良いな、と思っていた。
蓋を空けてみれば大豊作となっていた。
此処が特殊な土地という事を忘れていた。
お陰で一人では食べきれず余っていた。
余り物は漬物にしたり、と保存が効くように加工しているのだがやっぱり余る。
せっかく自分で作った野菜なので腐らせる事は出来ない。
「さて、どうしようかしら・・・・・・。」
「姉さん、市場で売ってみたらどうでしょうか?」
「市場? でも、彼処は資格が無いと出来ないでしょ?」
「王都の市場はそうですけど、実はこんなチラシを見つけたんです。」
クラリッサが見せてくれたのは『ラウス村』という所で行われている『自由市場』の出店募集と開催のお知らせ、だった。
「定期的に行われているそうで個人出店も可能だそうです。評判も良いみたいですから。」
ちょっと興味はあるわね。
とりあえず一回見てから出店するか考えてみる事にした。
ちょうど山から離れてないから。
しかもタイミングよく明日行われる様なので行ってみる事にしよう。