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アメノヒは薄い水色のワンピースの上に、真っ白なカーディガンを羽織っていた。十二単の姿ばかりを見ていたから、この格好はアメノヒの儚げな魅力がずっと押し出された気がする。
「アメノヒ! すっごく似合ってるよ! うん。さっきまでの格好も良かったけど、こっちもまた別の良さが!」
一も二もなく褒め称えた僕の言葉に、アメノヒは鮮やかに頬を染上げた。あらら、もう真っ赤になっちゃった。
「その……、恥ずかしいですよぉ……」
「でもさ、本当にびっくりしたよ! 似合うじゃん」
「……ありがとうございます……」
アメノヒはすぅぅ、と消えて行ってしまいそうなほど縮こまり、俯いてしまった。両手がもじもじとお腹の前で動き、ちらりと見えたうなじも顔と同じくらい赤かった。照れ屋だなあ。
「うーん、素材が良いのよね」
腕組みをした花園さんが、アメノヒの全身を舐める様に眺めてそう呟いた。アメノヒはどんどん俯いて行って、もうつま先を見ているくらいだろうか。
「姉妹ともに素材が凄く良いの。それぞれ対照的な魅力に溢れてるんだけど、二人ともレベルが凄く高いの。解る?」
「解りますとも」
花園さんが珍しく勢い込んで話すもんだから、僕も少し食い気味に応えてしまった。けど、この言葉に嘘は無い。毎日、二人を見るたんびに感じてることなのだ。
「なあ篠田」
「ああ……、神々しいな……」
あ、だめだこりゃ。可愛い女の子に目がない我が友は、半分放心状態だった。おーい、生きてるかー?
「」
「……」
「…………」
「……みなさん、急に黙ってしまわれて、どうしたんですか?」
みんな黙ってアメノヒを眺めていたいんだよ! 思わず総口に出しそうになったけど、これ以上アメノヒの顔が赤くなるのはさすがに心配だ。
じゃあ、これを買って帰るのかな、と思っていると、後ろから不敵な声が聴こえた。
「アメさ……、姉様! この服もお試しください!」
ホクトだった。いまミスって「アメ様」って呼ぼうとしてたな? 巧く切り抜けやがって。「姉様」も十分変だけどな。
「あら、あなたは何を持って来たの?」
「まあ、こんなもんだ」
花園さんの問いかけに、ホクトは買い物かごの中身を見せて応えた。
「ふうん、あんたもやるじゃない」
「まあな」
再び飛び散る火花。
「お二人とも……、仲良く……、仲良くお願いします……」
アメノヒの消え入りそうな声が、試着室に響いた。
ほんとに、二人とも仲良く、ね?




