後でな
「おっす。体調はどうだ?」
長谷川の元に着いた太陽は心配するように訊いた。
「ああ、良くなったよ」
太陽に気付いた長谷川は笑みを浮かべて言った。
「それは良かった」
長谷川の様子を見たら、無理しているようには見えなかったので、太陽は安心した。
「あの後、テレパシーの方はどうなった?」
「ああ、立花さんに言われた通り慣れることが大事だと思ったからさ、意識してテレパシーと向き合うことにしたんだ」
「それで?」
長谷川の言葉にそう返したのは、いつの間にか太陽の横にいた、立花楓であった。
「うおっ!?立花!?びっくりした・・・急に現れるなよ」
立花の存在に気付かなかった太陽は素で驚いてしまった。
「田淵たちと話してたんじゃないのか?」
「チャイムなる前にトイレ行って来るって言って、行っちゃったのよ」
呆れるような表情で立花は言った。
「それより、どうだったの?長谷川君」
「ああ、昨日は突然頭の中に声が響いてくるようになって驚いたけど、意識して慣れようとすると、割と苦しいものではなかったよ」
「そうか」
「まぁ、まだ内容次第では、苦しかったりすんだけどね」
苦笑いを浮かべて長谷川は言った。
確かに人が頭の中で思っている、普通なら聞こえるはずのない悪口ほど汚くひどいものはないだろう。
「まぁ、それはしょうがないでしょうね」
立花も苦笑いを浮かべて言った。
「今はそれよりも・・・日向君の能力について聞きたいわ」
立花は突然、太陽の方に振り返って言った。
「なんだ?日向も能力者になったのか?」
興味津々という感じに身を乗り出して長谷川は言った。
「まあな」
「どういう能力なの?」
「ああ、それは・・・」
太陽が言いかけた途端・・・
キーンコーンカーンコーン・・・
チャイムが鳴った。朝のホームルーム開始である。
「あ~後で話すことにするわ・・・俺の能力は言うより見せる方が分かりやすいと思うしな」
「そうなの?ならしょうがないわね」
「そうだな。楽しみに待つことにしよう」
立花も長谷川も残念そうな表情を浮かべながらも納得してくれた。




