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「バトロワ」無視してサバイバルライフ ~デスゲームに巻き込まれた俺は「攻略」しなかったら最強になってた件  作者: 藤明
4章 テストプレイヤーと分岐点

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第93話  鬼姫 vs ラストサバイバー

 飛竜の解体作業を始めると、しばらくしてウィンディードさんが空を翔けるように飛んで着地する。『風操作』も極めるとここまでできるんだよな。フウタさんの方をちらりと見るが、何やらヒントを得たような顔になってるな。


『ウィンディ!! 良かった来てくれて。うまく伝わっているか不安なの』

『姫様! お待たせてしてすみません! 緊急事態なのになんでわざわざこんな場所まで!? あ、飛竜借りたんですか? そんなにひっ迫してるのですか?」

『ええ、遠距離攻撃のすべが足りないの。話に合った城を壊せるくらいの兵器を借りに来たの。遠くから船を壊せないかって!』

『姫様……そのために来たんですか……兵器は借りれると……フクロウ便を送ったのは朝だっけ……通訳と言ってもまだ片言ですよ! バカっぽいらしいです! 私!』

『あなたでバカだったら……鬼人族みんなバカ以下よ! やっぱりツウジを連れてくればよかったか……』

『それなら大丈夫です。テストプレイヤーは『通訳』のスキルを持っているみたいで、言葉が分かるんです!』

『それはいいわね! え? テストプレイヤー?』

『ええ、仲間になってくれた人がいるのです。例の見た事も無い綺麗な服と鎧の黒髪の人間です。』

『……ウィンディ、キレイな装備の人間は敵……そう伝えたわよね?』

『敵の中にもわかり合える人はいるのです。昨日も私を標的とした「ミッション」とやらから逃げるように匿ってもらいましたし』

『……そうなの……助けてくれる綺麗な装いをした……「テストプレイヤー」もいたのね』

『はい。姫様の言う様に、鬼人族を目の敵にして根絶やしにしようなんて思う人ではなかったですよ』

『……大分違うのね……今回……』


 うん。全く会話が分からないな。

 鬼人族語を話すウィンディードさんは、ほんと大人びて見えるのはわかるんだけどねぇ。

 あれ? 一緒に行動をしていたナオエさん達はどうしたんだろ? 


 それからしばらく片言の鬼人族語でのコミュニケーションが始まる。

 どうやら、妖魔の砦を落とした時の、丸太サイズの槍のバリスタや投石機などを借りたい……って言ってるけど、ジンパチさん達がもっといい兵器を作ってるから……って上手く伝わってないな。早くリョウコ来ないかなぁ……


「すごい!! かなりの大物ね! 拠点の皆がやったの?」

 気が付くとナオエさんが俺の横に降り立っていた。彼女の速度も本当に上がったよな。いつの間にかいる感じだし。気配感じないんだけどね……

「おかえり。えっと、空中で俺たちが襲われたのを俺が傷つけて……落ちたところを拠点の例の兵器でドッカンと」

「……なるほど? ……ほとんどカタシ君ね……傷跡を見る限り。あれ? 沢山ある細いのは?」

「散弾ってやつらしいよ。ほらショットガンとか、あんな感じで」

「……なるほど……今後は盾が必要になりそうね……」

「なんで?」

「プレイヤー、日本人だったら発想は同じでしょ?」

「……そうか。散弾的な攻撃手段……とってくるか」


 ナオエさんは頭が切れるんだよなぁ……確かにステータスがかなり上がって、常人とは思えない高速戦闘化が始まってるから、当たりやすい攻撃を置くような感じで散弾的な範囲攻撃になっていくんだろうな。『固定』盾をすぐ出せるように練習しとかないとなぁ



「リョウコちゃんに手軽に取り扱える盾が無いか聞いてみないとね」

「ありそうだなぁ……あれ? 一緒だったんじゃないの?」

「ホームにある武器でもっとリキさんにあったの見繕うって拠点に行ったわね、人が出払って誰もいないから……すぐ来るんじゃないかな?」


 そんな事を話ししていると、リョウコ達がゆっくりとこちらに歩いてくる。なんか楽しそうに喋ってるな。打ち解けてる感じでよかった。あちらの世界で見るリョウコになってる。

「先輩! なんで飛竜討伐してるんですか? 飛行中に襲われちゃいました?」

「正解。エサだと思われたみたいだな」

「このサイズって苦戦すると思うんですが……串刺しになってますね」

「ああ、例の遠距離兵器ってやつだな」

「拠点にあったアレですよね。ここまで届くんですね……400メートル以上はあるような……」

「色々スキルブースをかけてるらしいぞ? 100メートル以内だったら必ず当たる……って言ってたな」

「何ですかその必中スキルみたいのは? 私たちにはできない芸当ですね……」


 ウィンディードさんがリョウコの姿を確認するとすぐに声をかける。さっきから通訳がうまく行ってない感じだったからな。辞典とにらめっこしてる時間の方が長かったし。ずいぶんとほっとした表情だねぇ。


『リョウコ! コッチ来て。通訳お願いできる?』

「へ? はーい、そっち行きます!」


 辞書を覗き込んでい見ていたアスティナさんが声のする方向を見る。

 リョウコも顔を上げたアスティナさんに気が付く。そういえば初対面だったか?


 二人の間に何か、言いようのない、不思議な静寂が生まれる。


『……え?』

「……え?」


 ゴオォォォォオ!!!!


 突然、アスティナさんを中心に暴風が巻き起こる。それと共にすさまじいエーテルの放出を彼女から感じる。いつもの凛々しく美しい表情ではなく、その眼は怒りに染まり、まるで般若の様な形相になっていた。


『きっ、貴様ぁ!!!!!!!!!! 見つけたぁああああああああああ!』

「え、ええ? ちょっと、なんでこんなところに!?」

『姫! おやめを!!』


 ドンッ!! ガァアアアアン!!!


 アスティナさんの立ち位置がぶれたと思うと、凄まじい速度で俺の隣にたリョウコに向かって長剣が振るわれる。目では追えるが体が反応しないレベルの速度だ。俺の体感時間がゆっくりになっていく……リョウコは……剣で防いだか……良かった……って何が起きた???


 リョウコが木々にバウンドしながら彼方へと吹っ飛んでいく。まるでボールみたいだ、じゃない、ちょ、ちょっと?? 魔法の盾みたいのが出てるから大丈夫だとは思うけど……俺だったら死んでるぞ???


「待ってください!! 戦う意思はありません!!!」

『逃がさない……氷嵐領域』

「そんな!!!」


 アスティナさんからエーテルが発せられ、リョウコを中心としたエリアが一瞬白い霧が出来たと共に白い爆発が起きる。


 ドォオオンン!!!!


 氷の爆発?? 水蒸気爆発みたいだな。ってか、アスティナさん、殺す気満々じゃないか??


『逃げたか……そっちか?』


 さらに何かを撃とうと上げた腕にウィンディードさんが縋りつくように止めに入る。

『姫! やめてください!』

『離しなさい……命令よ!』

『話せばわかるんですから!!  ごふっ!!!!』」


 え? アスティナさんがウィンディードさんに腹パンを……え??

『あなたはそこで大人しくしてなさい……そうよ……貴方を……兄を……母を……仲間を……街の皆を……すべて奪ったアイツを!!!!』

『姫……アスティナ……落ち着いて……』


 ……やばいね。目がマジだ。アスティナさんが……どうやらリョウコ、テストプレイヤーに恨みがある感じか? やり直し前の記憶もってるのは……最後に生き残っていた生物……って感じなのかなやっぱ?

【大丈夫なのですか? 止めなくて?】

 うーん。いけるかなぁ……アスティナさんが次に力を出した瞬間を狙うか……氷魔法を自分で食らったら……死ぬよな。たぶん……

【それは温度が急激に下がるのでしたら……当たり前では?】

 ゲームだと氷属性の敵に氷だと回復したり、無効化するけど……まぁ、現実ではそれは無いよな。

【なんですか? その不可思議な理論は??】

 だよねぇ……


「先輩!! 見ていないで止めてくださいよ!!!」


 リョウコがパニックになってる様に見えるな……どうしたもんかな……

 アスティナさんから、さらに強いエーテルを感じる。見た目も美しい女性ではなく、色々な骨格が丈夫になった様に見え、さながら日本昔話に出てきそうな「鬼」に見え始める。鬼人族って……見た目が変化するんだな……ってか……肌も青白くなってすごい強い感じに……氷の鬼人って感じだな。

 すごいエーテル量だ。溜まってくな……どんどんと……空気が震えてくな……


 ゴゴゴゴゴ……!!!


 ……あれ? 次の一撃って、あんな威力のものをリョウコが食らったら……リョウコ死なないか?

【……すぐに止めるのを推奨します。ナオエがいれば治療……サチの能力も必要ですね】

 ……え? 凍傷は直ぐに治らないのか??

【水で構成されたあなた達は、治療したそばから凍結するでしょうね】

 水で構成……って、まぁそうなんだけど……


「ああ、もう!!『万能なるエーテルよ、我が意志と契約に基づき我を守る盾となれ・神威武装!!』」


 リョウコがよくわからない呪文を唱えるとリョウコのまわりにもエーテルが収束し、彼女の身体の周りに光る鎧と盾が出現する。


「すげぇ!!」

「武装を魔法で!?」

「おい、大丈夫なのか??」

「凄い迫力だ!」

「なぁ、あれじゃリョウコさん死ぬんじゃないのか???」

「かっこいい!!」


 拠点の仲間が戦闘に見惚れていると、ジンパチさんが俺に走り寄ってくる。

「カタシさん、私にもわかりますが、これはこのあたり一帯が危険なのでは?!」


 ジンパチさんが珍しくオロオロとしている。

 拠点の仲間は大丈夫……だよな? 他人事みたいに観戦してるな……これ大丈夫か?


「確かにアレだけのエーテルだと……周囲一帯凍っちゃいそうですね……逃げた方が……」

「み、みなさん! 避難を!!」


 すさまじい勢いで拠点メンバーが飛竜の死骸の後ろに逃げ出す。ケイさんが『地形操作』で地面を掘ったりしてるな。木とかだったら吹っ飛びそうだもんな。

 うーん。どうしよう。アスティナさんが……なんか剣にエーテル貯めて……すごい一撃を放ちそうな感じだよな。想定以上のパワーを超えて……本当に大丈夫か?


 バリバリバリバリバリッ!!!!


 リョウコもエーテルをためて迎撃しようとしているのかな? なんか剣に雷みたいなのを纏い始めてるけど……どこの勇者なんだ?? ってか現実で雷って……あれも即死レベルじゃ??

【エーテルの守りである程度は防げますが、カタシの世界と扱いは変わりません】

 ……だとすると、当たったら死ぬな……


「カタシ君、今ならいけるわ! 止められる!」

「カタシさん。なぜ早く止めないの?」

「おい、あれ……死人でるんじゃ……」


 ナオエさん達も慌て始めてる。ってか……止めるのは俺なのかやっぱ? でも今止めると暴発しそうなんだよな。

「待って……タイミングを計ってる」

「そんな……」

「待てば被害が増えるぞ!」


 そうなんだけど……アレだけの威力を止めるとしたら。二人ともなるべく傷つかないようにするには、こうするしかないんだよね。やっぱり威力を違う方向に逃がさないと……


 拠点の仲間達は飛竜の陰に隠れ始めてるから大丈夫だろう……


 まぁ、すごい轟音してるから俺も逃げたいけど……近づかないとなぁ……

 氷と雷がぶつかったらどうなるんだろ?


 ってか地鳴りしてる感じもするし……

 行きたくないなぁ……でも俺が手を出さないと、二人とも死んじゃいそうな気もするし……


 俺はみんなが逃げる中、すさまじいエネルギーで衝突しようかとしている二人へと近づいていった。


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