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「バトロワ」無視してサバイバルライフ ~デスゲームに巻き込まれた俺は「攻略」しなかったら最強になってた件  作者: 藤明
4章 テストプレイヤーと分岐点

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第88話 ダンジョンを抜けた先は妖魔の帝国らしい?

 §  §  §  §


 俺たちの目の前にはかなり大量のダンジョン産のお宝、武器や鎧、アクセサリ、見た事も無いアイテムが並べられていた。


「リョウコ、どうなんだ?」

「ダンジョン何個分……って感じですね、すごいです。すごいですが……」

「何かあるのか?」

「この量ですと、上級薬品やエリクサーが数本、転移石が数個はないと……あとは強化石がまったくないのもおかしいですね」


「あんた何者だ?? ……まぁ一つは……確保させてくれ……って何で知ってんだ?」


 トオルさんがポーチから豪華そうな薬品が入った瓶を地面に置いていく。ついでに何やら石やら、豪華な装飾がついたエーテルの塊なども置いていく。

 ウィンディードさんが飛び上がるようにして驚く。

『か、神の秘薬!!』

「やっぱりありましたね……ほんとどうやって手に入れたんですか? ここまで?」

「そりゃ……見えないからな……鍵もとり放題、盗み放題、寝てるときに看守の鍵束を失敬……ってやったらここまでになったかな。四次元収納ポーチが無ければできない芸当だけどな」

「持ってき放題だし……音もしないから?」

「そうだな。両方だな」


 リョウコが本気で羨ましそうな表情をしていた。

「ほんと色々と新規プレイヤーはずるいですね……持ち帰るのも大変だし、取捨選択で迷う事もしなくて良さそうですもんね……」

「新規プレイヤー?」

「もしかして……あんた、違うルールでこの世界をプレイしているやつらの仲間……か?」

「あーそうですね、今はこの方たちと一緒に攻略を目指してますよ……強化石の量すごいですね」

「……それ、どうやって使うんだ? 「強化石・エーテルが結晶化した塊」って出るんだが……使い方がわからねぇんだよな」

「あ、せっかくですので……トオルさんのお気に入りの武器あります?」

「ん、ああ、この短刀……一番刺さりやすいんだ……」

「ちょっと貸してください。こうやって強化石を近づけるとUIが開きますので強化を選択します。するとこうやって強化される感じですね、+2になりましたね。運がいいですね」


「へ?」

「そんな簡単に……」


 トオルさんが持っていたもう一本の剣を取り出して、リョウコの真似をして色々とやっているが……俺も試しにリョウコからもらった槍に強化石をくっつけてみる。何も起きないな。

「ちょっと待ってくれ……何も起きないんだが……」

「そりゃ、トオルさんが今持っている武器がダンジョン産の武器だからですよ。強化石はテストプレイヤー用の武器専用ですよ。……先輩もだめってことは新規プレイヤーは使えないんですね……って事は私が全部貰っていい感じですかね?」

「……もっとあったんだが……拾っておけば良かったな」

「え? 勿体ないことしましたね……」

「取引用に持っておけばよかった……あ、その短刀、限界まで強化してくれよ。それが今の相棒だから」

「まぁ、交換費用と思えば安いですかね……このアクセも貰えたりするんですか?」

「……まぁ、いいぞ。俺の指はそこまで多くないしな。あとは効果が俺向きじゃない奴ばっかりだからな……」

「……筋力ボーナス、魔法の威力アップ……悪い効果のスキルをはじく……色々ありますけど……」


 サチさんがアイテムの鑑定に飽きてきたのか、持っていたアイテムを元の場所に戻し、トオルさんの方に向きなおす。

「それで、ダンジョンの先にはなにがあったのかしら? 鬼人族の言う様に、妖魔の帝国があるのかしら?」

「……何だ……知ってんのか? なんか荒涼とした違う生態系の島……空の色もなんか違っててさ……大陸かもしれないが、そこに繋がってたな。魔獣が多くてさ、視覚に頼らない奴らは苦手でな……」

「それで視覚に頼る妖魔をターゲットにしてダンジョンを荒らしてきたのね」

「……まぁ、そうなるな。地上の敵は苦手だ。虫も多いし、一部の虫も視覚に頼らないから……苦手なんだよな……」


 なるほど……見えない……けど気配とか匂いは消せないから……って感じか。音波にも反応するって事は、光に対してだけ作用する……って感じのスキルか。それでも破格の能力な気がするなぁ……これで剣術とか盾術もってたら……一方的になぶられそうだ。


「妖魔の帝国……は見たの?」

「あっちの出口はこっちの妖魔の砦みたいに前線基地みたいになってたからなぁ……砦の物見台から遠目に街らしきものは見えたけどな。あっちはあっちで妖魔の生活を営んでる感じだったぞ。妖魔の女……メス? とか子供もいてさ。まぁ、怖くてすぐに戻ったけどな……」

「あちら側に、黒い結晶……と呼ばれる、巨大なエーテルがありそうなものなんか……そんな情報は無いかしら?」

「ああ、最初はそれがあると思って奥まで行ったんだけどな。違う世界っぽいところに出たから拍子抜けだったな……まぁ、俺が見た限りは……無かったな、二つしか奥まで行ってないし、広すぎて調査はしてない」

「魔人と呼ばれる……リョウコさん、どんな風体なの?」

「そうですね、えっと……ガーゴイル……ゲームやってれば……うーん。こてこての悪魔の見た目なんですよね……ザ、魔族って感じなんですが……」

「こてこての悪魔……」

「何だ? ピッコロ大魔王みたいなやつか?」

「それの……地味な色な感じですね。爬虫類よりっていうか……」

「それは見ていないな……たまにダンジョンに茶色の羽を持ったピッコロみたいのがいるが……少ないもんだぞ?」

「ダンジョンにいるのか……」

「ダンジョンの先にいる可能性はあるな」

「そう……ダンジョンを抜けた先まで探索をするとなると……」

「黒結晶はあちらの世界にあるとかか?」


 うーん。恐らく裏の世界に黒結晶があるとすると……管理者が面白がって「なんと! 君たちが大好きな裏世界もあるよ! そっちに黒結晶があるからそれを壊してね!」 とかやりそうなんだよなぁ……

【やりそうですね……】

 やっぱり?


「その可能性は低そうだけどな……管理者とやらが中央の山を指し示してたし……」


 リキさんも並べられたアイテムの鑑定をしながら話に入ってくる。

「なぁ、中央神殿とやらにあるんじゃないのか? リョウコも見てんだし」

「え? 私の言葉を信じてくれるんですか?」

「嘘つく必要……あるか?」


「……中央にあった……って言えば、一緒に来てくれる……とかですかね?」

「あ~なるほど……そういう考えがあったか。あんた頭いいな」

「え? でへへ……」

「……褒められ慣れてないのか?」

「そうですね……社会に出ると……叱責ばっかりですね……」

「しっせき……怒られる感じか……大変だな……」

「大変ですよー」


 なんかリキさんとリョウコが漫才を始めてるが……

 まぁ、中央神殿とやらの探索は必須。ダンジョンの抜けた先の探索は……これは後回しにした方が良さそうだな。あちらが大陸だとすると……おそらく2か月後とかに来る魔人大発生とやらに間に合わなくなるだろうし。どうしたもんだろ。


 リキさんがふと思い直したようにトオルさんに真面目に質問をする。

「なぁ、トオル、あんたは、この現実みたいなゲームを楽しんでいるタイプか?」

「……まぁ、ぶっちゃげそうだな」


「目的は賞金か?」

「まぁ、そうだけど……折角自由気ままに行動できるんだ……楽しまなきゃ……だろ? カミも言ってたしさ」


 トオルさんは束縛された人生を歩んでいる? ってそんな感じでもないか……


「透明になれたら色々と……悪さできると思うが……なんでしなかったんだ?」

「それは……女性の前で聞くか?」

「サチの安全を取りたいからな」

「なるほど……まぁ……あっちだと……娘が二人いるからな……どうもそういうのは……親御さんの気持ちとか思っちゃうと出来ないわな……」

「なるほど……」


 親になるとわかる……とかいうやつか……俺にはまだわからないんだよな……何か先生みたいな口調だし……ってか、先生なのかもな……中身jは結構年配なのかな?


「トオルさんはこれからどうするの?」

「それは……お仲間になるかとか、そういう話か?」

「……まあ、そんな感じだけど……」


「俺はソロでダンジョン探索とエーテル稼ぎをしたいかな……しばらく一人がいい」

「……そう」

「まぁ、あれだ、俺が使えなさそうなアイテムとかあったら融通するからさ。目指せ黒結晶の破壊、一千万円ゲット……だろ? あんたらならできそうだな」



「あ、これ渡しとくわ」


 トオルさんは小ぶりな石が入ったお守りの様なものを投げて渡してくる。一人一つずつって感じだな。

 リョウコが驚いて聞き返す。


「え、これって交信石じゃないですか?」

「そうそう、この世界にいる知的生物に思念を送れる……らしいぞ。使う相手が居なかったら余ってるからな」

「……思念を送れる……残り時間5分……って、使い捨てのスマホみたいね」

「これ、お互いに使わないと携帯みたいに話せないって事か?」

「そうなりますね。割とレアなので……普段使いはせずに作戦時のみ使うって感じですが……これって中盤以降の結構な難易度のダンジョンから出るはずなんですけど……」


「ああ、もう時間か……黒結晶の場所が分かったら連絡するわ。それじゃぁな。頑張って生き延びろよ」


 突然トオルさんの姿が消えた。スキルを使ったのか……


「「「!」」」

「……え? 何も感じないんだけど……消えた?」

「え? ナオエさんのソナーでもダメなの?」

「うん、完全に消えた……」

「……違うスキルも持ってたって感じか?」

「魔法のアイテムかもしれないね……」


 リョウコがしばらく考えた後ぼそっと呟く。

「おそらく逃走石ですね……こっそり使ってたんでしょう」

「逃走石?」

「使ってから10分経つとランダムに転移するんですよ。ダンジョン奥地で使うと地表に出られるんですよね」

「……なるほど、その石はここには」

「ないですね。転移石もないので、このアイテムはカモフラージュ、時間稼ぎだったんじゃないですかね? 廃棄処分的な感じかもしれませんね……」


「この、置いていった大量のアイテムは……もらっていいのかな?」

「……回収して……使わない者は拠点メンバーに……かな」

「高位のモノが一つも無いので……さすがにそれは出さなかったみたいですね」

「それでも今の俺らには高価すぎる気がするんだが……」

「……一つも持っていないものね、力が上がる指輪……なんて」


 色々と不思議な人だな……って、そりゃ敵対的かもしれない人間6人に囲まれれば……逃げるわな。肝が据わりすぎてて怖いくらいだったな。

「トオルさんがどこ行ったのかはわからないのか?」

「……ダンジョンの中には次のダンジョンのある場所のヒントが隠されてる場合が多いんですよね……」

「なるほど……次に向かったか……」


「生き延びてくれるといいですね」

「まぁ、次は交換用の何かを用意しておいた方が良さそうだな」

「アヤノさんにお願いすれば全部解決しない?」

「確かに」

「食がすべてを解決……って感じか」

「お腹空いてきたわね……」

「拠点に戻って美味しい料理……たべたいかな」

「とりあえず、探索終えたら戻ろうか」


 俺たちがその場を引き上げようとすると、ウィンディードさんが地面を見つめ思いつめている感じに見えた。

 そういえば彼女にとっては……リョウコの話だけは分かるわけだから……どういった情報の伝わり方をしたんだろ……

「先輩! ウィンディ! 行きましょう!」


 ウィンディードさんが俺の視線に気が付き優しく微笑んでくれる。恐竜スーツも相まってなんかすごく可愛らしい。

 あ……トオルさんからは鬼人族が一緒にいたようには……見えなかっただろうな。

 ちょっと後でリョウコを交えて話さないとな。鬼人族に変な情報が渡っても困るしなぁ……


 §  §  §  §


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