不思議な女性
何気ない日常、
そんな毎日を過ごしてると、いろんなことを発見できる。
あの雲は、まるで…
あの岩は、まるで…
そんなふうに僕はいろんなものを例えることが得意になった。
特に人を何かに例えるのが得意だった。
でも、それはとても誉められたことではなかった。
そんな特技みたいなものが災いとなり、ほとんどの人に距離を置かれるようになった。もちろん、友達もぜんぜんできなかった。
そんな時、僕に声をかけてくれた人がいた。
「あなたが加藤まき君?」
そう、僕は加藤まきという高校生であった。
「そうです、あなたは…どちら様ですか?」
僕の記憶には全く存在しない女性であった。
この人は、高校生ではないよな?
まるで高校生に見えないその人は、僕に微笑みかけていった。
「私は、あなたの未来の妻なのです。」
「どういうことですか?」
この人が何をいっているのか全くわからない。そして、理解しようと思わなかった。人のことをよく何かに例えて、自己満足している僕に降り注いだ天罰かなにか…?
僕は生まれて何度も行ってきた現実逃避をそこでしようと思った。
「あなたはまるで天使のようだ」
僕は何をいっているのだろう?
なぜ彼女を天使なんて例えてしまったのだろう?
だが、何度考えても彼女のことは天使と例えてしまう。
「君はいつまでたってもかわらないんだね」
「まるで、僕のことをしっているようにおっしゃりますね」
「いったでしょ、私はあなたの未来の妻なのですから」
「まったく理解に苦しみます、失礼ですが病院にいかれたほうがいいのではないですか?」
「本当に失礼。私の気はたしかよ、でもこれ以上詳しいことは話せないわ」
この人は何をいっているんだ。
「とにかく、あなたはそのままでいいのよ。これから、どんなことが起ころうとも…」
そんなことをいって、彼女はどこかへいってしまった。
それが彼女とのファーストコンタクトだったことを、未来の僕は覚えていない。
僕が天使と例えた謎の女性と出会ってから一週間が過ぎようとしていた。
「今日は生憎の雨か…これじゃあ、外にもいけないから趣味も満喫できないな」
僕は家で、高校で課された課題に取り組むことにした。
それは、現代文の課題であった。
例題1 「まるで」という言葉を使い、ひとつの文を作りなさい。
とても簡単な問題だと思った。
例題などこんなものか…
そんなことを思い、例題に手をつけようとしたとき、
「じゃらじゃらじゃら」
そんな、まるで石が地面に当たるような音が外で響いていることに気づいた。
外を覗くと、
空から雨、もとい飴が降っていた。それもカラフルな色のものが無数に…




