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第23話

本日2度目の投稿です!

ギリギリ24時に間に合いました汗

「雷光!!」


「雷撃!!」


 ボルガドフから距離を取りつつ、手数で攻める。絶大な威力を誇る雷魔法だが、ボルガドフに対してはまずまずのダメージしか与えられない。


「グガアアアアッ!!」


 遠隔攻撃を続ける俺に、ボルガドフはイライラしてきたようだ。大きく息を吸い込んだかと思うと、口から目映い光が漏れだしている。


ーーおいおい、まさか……。


 と思ったのも束の間。口から破壊光線を放った。凄まじい爆音が響き、鼓膜が破けそうになる。ギリギリで光線を避けると、直撃した地面が深く抉れてクレーターが出来ている。


ーー完全に人間を辞めているな。鬼人化後は喋れないようだし。


 純粋な戦闘力では敵わないので手数で攻めつつ、整理整頓スキルが提案してきた戦術で止めを刺すことにする。


「雷閃!!」


 鉤爪による攻撃を掻い潜り、雷魔法で出来た剣で切りつける。腕でガードされたが、雷閃が当たった部分の皮膚がひび割れた。先程からの連続攻撃により、少しずつダメージは蓄積されているようだ。


 遠距離は雷光、中距離は雷撃を放つ。近付かれたら雷閃で切りかかり、帯電させた短剣を投げ付ける。そして再び距離を取り、相手の攻撃を紙一重で避けながらダメージを与え続ける。このループを何度も繰り返した。


 痺れを切らしたボルガドフは再び大きく息を吸い込むような動作を見せる。このチャンスを待っていた。破壊光線を放つモーションは大きく、隙が大きい。


 ボルガドフの近くまで駆け寄り、大きく開けた口を目掛けて雷光を放とうとした、その時。


 ボルガドフはニヤっと口元を歪め、破壊光線のモーションをキャンセルした。素早い引っ掻き攻撃で俺の胴体を狙う。


 今から逃げても遅い。完全に射程範囲だ。しかも、ボルガドフの攻撃は一つ一つが一撃必殺の威力を誇る。


ーー終わった。


 と、ボルガドフは思っていることだろう。ここで、切り札を発動する。


 先ほどスタジアムの地面に刺した剣は予め帯電させておいた。電磁石の力を発動し、俺の身体をN極、剣はS極にする。


 電磁石の力で急激に剣の方へ引っぱられたことで、俺は緊急脱出に成功した。引っ掻き攻撃を空振りしたボルガドフには、今度こそ大きな隙が出来ている。


 俺は全ての魔力を使い、空中にある雷の魔粒子をかき集めた。そして、一気にボルガドフに放つイメージをする。


 ボルガドフには帯電させた短剣が無数に刺さっている。それぞれが強力な避雷針の役割を果たし、放たれた雷は狙いを外れることなく命中する。


「雷轟!!!!」


 空中から特大の雷が射出され、ボルガドフの身体を貫いた。シャンデルのアドバイスを受けて完成させた大技である。


 耳をつんざく雷鳴、目を眩ませる稲光。地面も大きく揺らいだ。雷轟が命中した後は大きなクレーターが出来ており、底にボルガドフが横たわっている。


 雷轟は全ての魔力を使い切って放つ魔法だ。これで起き上がって来られたら、もう打つ手は無い。


「僕の、敗けだ……」


 ボルガドフの囁くような声が聞こえた。いつの間にか人間の姿に戻っている。


「ああ、お前の敗けだ。本当の強さと弱さを履き違えたお前に勝ち目は無かった」


「……?」


 ボルガドフは理解に苦しむ表情をしている。


「本当の強さとは、自らの弱さに敗けない心だ。強くないとお前の友達になる資格が無いだと? ふざけるな! 心の弱さをスキルのせいにしやがって。そんな奴は、永遠にスキルを使いこなせない。スキルに使われて終わりだ」


 今だからこそ解る。スキルとの付き合い方が。スキルを使いこなすことが出来れば、レベルもどんどん上達していくはずだ。


 逆に、自分の不幸をスキルのせいにしているうちは運命が破滅的な方向へ向かっていくだろう。


「まだ、よく解らない。友達になって、教えてくれないか」


「え、嫌だ」


「友達になってあげなさいよ!」


 突然後ろに現れたリミュにどつかれた。


「これで、めでたしめでたしだねっ。流石はケイブくんっ!」


「私の分析通りだったな」


「お坊っちゃま、本当にお疲れ様でした♪ 久しぶりにキャロンスリスリを……」


 さっきまで真剣な戦いをしていたというのに緊張感のない連中である。ナホーティアの言葉だけは嬉しいが。


「ふふふっ、ケイブ君は良いなぁ。そんなに強い力を持ちながらも、孤独では無く、楽しい仲間に囲まれているんだね……」


 ボルガドフは呟いた後、気を失った。


 思えば、この時にもっとボルガドフを説得しておくべきだったかもしれない。後々俺は後悔するのだった。


 周りを見渡せば、審判も観客も誰も残っていない。スタジアムを壊しかねない戦いに怯え、皆逃げてしまったようだ。

 

「さあ、皆帰ると、する、か……」


 一件落着で帰ろうとしたのだが、雷轟で魔力を使い果たしてしまった俺も、気を失った。


「ケイブくんっ?!」


「お坊っちゃま!」


 意識が薄れると共に、皆の声が遠のいていく。


 そんな中、整理整頓スキルの声だけが、はっきりと聞こえてくるのだった。


『おめでとうございます。スキルレベルが上がりました……』

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