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魔導帝国の英雄譚 〜そして少年は英雄になる〜  作者: 愚者
4章 若き魔道士の祭典編(上) ~始まりの祭典~
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112話 ハイド・アンド・ハント①


 ――「若き魔道士の祭典」三日目。


 快晴が続いていた一日目、二日目と違い、空は朝から分厚い灰色の雲で一面覆われ、回復の見込みは無い。そして、堪えきれなくなった天が大粒の涙を地上に降り落とすのも、時間の問題だった。

 

 とはいえ、天候による影響は「アルヴス=レギナ魔闘競技場」には関係無い。観客席は開閉式の巨大天蓋を備え、さらには外部からの異物を防ぐ遮断結界によって雨風が入り込んでくることは無い。


 平均気温を上回るこの夏の蒸し暑さだけは如何ともし難いが、そんな熱気をも吹き飛ばすかのように、会場のボルテージは今日も最高潮であった。


 一部の例外を除き、昨日までの一回戦で二位出場枠のチームは一位出場枠のチームに概ね蹴散らされた形になる。故に、ここからは一位出場枠チーム同士、つまり真の実力者達のぶつかり合いが多くなる。


 今年は例年と比べても選手達のレベルが相当に高い事も相まって、その注目度は非常に高いと言えた。


 観客達が期待に胸を膨らませる中、いよいよ始まった二回戦第一試合。対戦カードは、チーム「奇なりし絆縁ストレンジ・フェイター対、帝国軍士官候補生チーム。


 競技名は――「ハイド・アンド・ハント」。


「——うおっ、話には聞いていたが、コイツは想像以上だな」


 アリーナの転移門から競技フィールド内に送り込まれた直後、視界いっぱいに広がってきた光景に、アクトは思わず目を見開く。


 そして、少し遅れてアクトの後にフィールドに立った他のチームメイトも同様の反応だった。


 現れたのは、一面の森、森、森。紫がかった黒葉の木々が鬱蒼と生い茂り、乱立する樹木が織り成す自然のカーテンによって、少し先の景色すらまともに窺うことが出来ない。


 切り立った崖、起伏の激しい地面といった、自然由来の障害物数多く点在。校内選抜戦での森林ステージや、アクトが遠征学修の一件で夜の強行軍を行った際の立地も相当に悪かったが、これはそれ以上だ。


 空気は湿気って澱み、一呼吸するだけでジメジメとした空気が肺を蝕む。天候も相まって、ただでさえ木々の天蓋で閉ざされた森の深部はさらに暗く、黒より黒き深淵がどこまでも続いてるようだ。


 一度足を踏み入れたら最後、二度と戻ってくることは出来ないのではないか――そう思わずにはいられないほどの薄気味悪さ。


 アクト達の眼前に広がるのは、そんな魔の樹海だった。


「念のため、作戦をもう一度確認するわよ」


 試合開始まで残り十分。全員の転送完了から周辺地形の確認を行った後、指揮官たるローレンの音頭で最後の作戦会議が始まった。


「今回の競技は、『ハイド・アンド・ハント』。ルールは単純で、相手チームのリーダーを戦闘不能にすれば勝利、それだけよ」


 どれだけ実力で劣っていようが、リーダー以外の仲間を何人失おうが、関係無い。残った者が相手のリーダーを討ち取りさえすれば全てがひっくり返る。


「若き魔道士の祭典」は観客向けに逆転の要素が強い競技が多いが、本競技はその最たる物。実際、過去何度も格上喰いジャイアント・キリングが起こってきたことで有名だ。


 ちなみに、互いのチームリーダーは事前申請によって既に判明しており、「奇なりし絆縁」はローレン、士官候補生チームはエドガーとなっている。


「このチームの力を鑑みれば、正面からぶつかっても決して力負けはしないと思うわ。……でも、それを踏まえてより確実に勝つために、私達が狙うべきは、分断よ」


 異論は無いと小さく首肯する一行に対し、ローレンがさらに言葉を続ける。


「士官学校で鍛えられた彼らの連携はかなり厄介。だから、然るべきタイミングで仕掛けて陣形を乱し、その上で有利な相手との一対一に持ち込む。誰が誰の相手をするかは、打ち合わせ通りよ」


 分断を狙うのは、士官候補生チームの連携を恐れただけではない。この薄暗さと視界の悪さだ。集団対集団での戦いにもつれ込み、万が一にも同士討ち(フレンドリーファイア)など起こそうものなら目も当てられない。


 相手の長所を消し、仲間のリスクを減らし、確実な勝ちを狙いに行く。相変わらず難易度は高いが、ローレンらしい実に合理的な作戦だった。


「何か質問は?」

「いや、作戦自体に文句はねえよ。良い作戦だとも思う……ただ、そう上手くはいかないかもしれないな」


 しかし、ローレンの手腕を称えつつも渋い顔をして口を挟むのは、アクトだ。


「さっき、偵察でその辺を見てきたが……もしあんな地形がずっと続くのなら、最悪だな。俺だって、ここまで劣悪な環境で戦ったことは無い」

「えぇ、そうね。アンタ達はまだ慣れてる方だろうけど、アタシ達の場合、この地形の悪さは決して小さくない障害になるわ」


 そんなアクトに同意するのは、彼と同じく先程まで周囲の偵察に当たっていたコロナだ。


 元・傭兵のアクトや、かつて士官学校に在籍していたローレンはともかく、コロナ、リネア、アイリスの三人は、このような戦闘には明らかに不向きな立地での戦闘経験が少ない。


 対して、士官候補生チームは全員が軍関係者。悪環境下における戦闘訓練も十全にこなしているだろう。


 現代魔法戦においても、地形の要素は戦況を決定づける重要な因子の一つだ。立地が悪ければ、単純な移動・攻撃・防御に制限がかかるのは勿論、大自然の中であれば周囲の木や岩は天然のトラップの宝庫にもなる。 


 魔道士が拠点防衛に無類の力を発揮するように、自身に有利・不利な環境下では、魔道士の力量は跳ね上がり、もしくは激減する。この要素を蔑ろにした者が相手にとって有利な地形に誘い込まれ、本来なら負ける筈の無い格下に足元を掬われた、なんて事例は魔法戦の歴史を紐解けばごまんとある。


「おまけに……」


 そう言って、コロナは制服を叩き、先程から自身に絡みつくように立ち込めていた霧を鬱陶しそうに振り払った。


「この邪魔な霧よ。ただでさえ、今までに無いほどの悪条件下での戦闘なのに、厄介ったらありはしないわ」 


 タイミング的には選手全員の入場が終わった後か。ふと周囲を見回せば、ぼんやりとした灰色の霧がどこからともなく立ち込め、フィールド全体を包み込んでいた。


 ただでさえ悪い視界をさらに悪化させ、煩わしくはある。だが、それ以上に、この霧の中にいると、時折自分がどこにいるか分からなくなる――そんな気持ちの悪い感覚に襲われるようだ。


「噂に聞いてはいたけど、これがあの……」


 リネアが絡みついてくる霧を掬いながら苦々しく呟く通り、この霧はただの霧にあらず。包まれた者の認識や方向感覚を狂わせ、さらには魔法にも干渉し、索敵に必須な探知魔法の精度をも落としてしまう恐るべき代物だ。


 その名も、《攪乱の魔霧(チャフズ・ミスト)》。この魔霧に覆われた樹海で時に潜み、時に惑わし、時に攻め立て、最後に敵の大将を討つ。これこそが「ハイド・アンド・ハント」の全容だ。


 この競技フィールドも、フィールド全体に張り巡らされた《攪乱の魔霧(チャフズ・ミスト)》も、全ては「ハイド・アンド・ハント」のために用意された物。リーダーを倒せば勝ちという至極単純なルールでありながら、これらの要素が試合をより複雑な展開に仕立て上げるのだ。


 純粋な戦闘力は勿論、隠密能力やより綿密な作戦立案が要求される難易度の高い競技だ。格上喰いジャイアント・キリングが多いのも、作戦の成功次第では容易にリーダーを討ち取れる環境が整っているからこそである。


 生半可な戦い方で勝つことは出来ない。泥沼の戦いになるのは必至で、制限時間経過で引き分けの判定が下される最後の最後まで、互いのチームが接敵することなく試合が終わった、という事もある。


「連中は間違いなく強い。ほんの些細なきっかけで、戦況が一気に変わることだってあり得る。だから、敢えて聞くわ。本当にこの作戦で良いのね、ローレン?」

「……」


 戦いが始まる寸前だからこそ、コロナは改めて本作戦遂行の是非を問う。そして、そんな彼女の問いにローレンは直ぐに答えられなかった。何故なら、正直、ローレン自身がこの作戦に絶対の自信を持っていなかったからだ。


 何も、全ての試合が自分の思い描く通りに運ぶ、なんて思うほど彼女は自惚れていない。どんな試合にも不測の事態は起こり得る。特に、レベルの高い戦いではイレギュラーなど起こるのが当たり前。それを制してこそ真の指揮官だ。


(コロナの言う通り……本当に、これで良いの……?)


 これが初対面の相手との戦いであったならば、ローレンもそこまで深く考えることはなかっただろう……だが、相手はローレンの古巣である士官学校の面々。彼女がよく知り、彼女をよく知る者達との戦いだ。


 その点において、ローレンは、チーム「奇なりし絆縁」は、情報戦で圧倒的アドバンテージを握っていると言って良い。新顔のメンバーを除き、ローレンは士官候補生チームの四人のメンバーの能力や性格をほぼ全て把握している。対して、「奇なりし絆縁」が知られているのは繋がりのあるローレンの事のみだ。


 魔道士が一度定めた戦闘スタイルを大幅に変更するのは難しい。実際、一回戦の戦いぶりを見る限りでは、士官候補生チームの戦い方に大きな見られなかった。


 ならば、この情報アドバンテージは確実に有利に働く筈。


 考え抜いた果てに導き出された分断という手段も、アドバンテージを最大限活用した上で今の自分に考えられる最良の作戦――だが。だからこそ考えられる嫌な予感が、ローレンの頭の片隅でずっと渦を巻いていた。


 考え過ぎかもしれない。単なる杞憂に終わるかもしれない。だが、もしその予感が的中してしまえば、自分達の作戦は根底から崩れ落ちることになる。その予感から来る迷いが、ローレンの意思を鈍らせていた。


 そして何より、自分が倒されたらチームは敗北、そこで全てが終わる。仲間達がどのような想いを懸けてこの大会を戦っているのかよく分かっているからこそ、その責任感はローレンの背中に重くのしかかっていた。


 一昔前のローレンであれば、責任感に耐えきれず勝手に潰れるか、投げ出して逃げていたのかもしれない――故に、今のローレンは、


「分からないわ」


 しばしの逡巡の後、きっぱりとそう告げるのだった。


「確実に上手くいくかなんて、分かる訳ないじゃない。それが分かるなら、指揮官なんて仕事は廃業よ、廃業。占い師にでもなるわ」

「ローレン……?」


 突然、開き直ったように薄い笑みを浮かべるローレン。いきなりの変化で呆気にとられたコロナは目を見開いて固まってしまった。


「まったく……交流会でいきなり因縁付けられた彼らと、こんなに早く戦うことになるなんて。いずれは当たるだろうからそれに向けて作戦練ってたのに、今回の作戦なんて急ごしらえも良いところだわ」

「それはそうかもしれないけど……」

「コロナ貴女、くじの引き運が悪過ぎるのよ。大体――」


 次にローレンの口から飛び出してきたのは、愚痴に次ぐ愚痴の数々。


 マシンガントークもかくやという勢いでここ数日中に起きた出来事に対する不満を爆発させ、ひたすらに感情を吐いては捨てていく。


 今まで見たことの無いローレンのあまりの豹変ぶりに、コロナ以外の者達も固まる始末だった。


「——ふぅ。あぁ、ちょっとすっきりしたわ」

「お、おいおい……さっきからマジでどうした? どっか頭でも打ったのか?」


 愚痴を吐き捨てることたっぷり三分。試合開始前の大事な準備時間を無駄にしたローレンを、アクトは引き攣った顔のまま本気で心配するが、


「失礼な、いたって正常よ。……皆もよく知ってるでしょ。私は、周囲の人間が思っているほど強い人間じゃない。この試合はリーダーが倒されたら即・終了。私が転べば、チームが、皆が転ぶ……そうなった時、私はどうすれば……なんて、試合そっちのけで負けた後の事ばかり考えてるわ」

「「「……!」」」

「今だって、本当は怖くて震えが止まらないの。そして、今の私にこの恐怖に打ち克つだけの精神力は無い……だから、逆に弱音を全部吐いたら楽になると思ったのよ。皆に、私の気持ちを知っておいて欲しかった……」


 あまりの開き直りっぷりに圧されていたが、アクト達はふと気付いた。二回戦の対戦組み分けが決まった昨日、彼女がその身に抱えていた危なかっしさがいつの間にか消えていた事に。


 士官候補生チームとの試合が決定したあの時以来、ローレンは明らかに動揺して正常な状態ではなかった。作戦会議中も本調子ではなかったし、今回の試合はいつも以上に自分達が頑張らなければならない。それがローレン以外のメンバーの総意だった。


 だが……今のローレンは違う。彼女は別に自暴自棄になった訳でも、諦めた訳でもない。一人で抱え込むことを止めたのだ。


 恥もプライドも、自身を縛り付ける因縁さえも放り投げ、少しでも勝利に近付くために。


 自身の弱みを全てさらけ出してでも、仲間達の隣で戦えるように。


「皆、聞いて欲しいの。私はまだ、冷徹な指揮官にはなれない。部下の前では感情を表に出さず、ただ淡々と勝利に向けて全力を尽くす……そんな凄い将には、まだなれない」

「……」


 自分には、他を寄せ付けることのない強さも、他者には決して真似出来ない特別な力も、味方を奮い立たせる強烈なカリスマ性も無い。その圧倒的な輝きで誰かを導く星のような存在には、なれないだろう。


 ……それでも、苦難の道を往く仲間の道行きをか細くても照らせる道標くらいにはなれる筈だ。未熟な自分が最も適正があると断言出来る、指揮官という存在としての力を尽くした果てに、仲間が少しでもより良い未来に進めるのであれば、それには意味がある。


「この作戦は指揮官として、今の私に立案出来る最良の作戦だと思ってる。それだって、必ず上手くいく保証はどこにも無いけど……少しでも成功の可能性を上げるために、勝つために、皆の力を貸して頂戴!」


 そう言って、チームメイトの瞳を真っすぐ見据えるローレン。


 刹那、魔の樹海を吹き抜ける一陣の凍てつく風。その風を全身で浴びるように、ローレンの纏う雰囲気が変わった。


 恐れはある。怯えもある。だが、凛然としたその表情に、かつての仲間と対峙したことで引き出された弱さは微塵も残っていなかった。


 今の彼女は、恐れても尚、前へ進もうとする一人の立派な指揮官の顔付きをしていた。


「……」


 決意と覚悟に満ちたローレンの瞳に射貫かれ、アクトは物思う。


 きっと、今のローレンの在り方は、理想の指揮官という存在からは程遠い在り方なのだろう。部下の前でこんなに自身の弱音を見せる指揮官など、ここが軍ならたちまちに信用を失い、付いてくる者など一人もいなくなってしまう。


 常に命を懸けて臨まなければならない戦いの場で、弱い指揮官などお荷物なだけだから。


 「黒の剣団」団長シルヴァ=ベルムートという人間を、"あの日”まで弱みを見せることのなかった指揮官の背中を追いかけてきたからこそ、それは理解出来る……では、常に集団の戦闘を走り続ける指揮官を、弱さを見せることなく戦い続けなければならない人間を、一体誰が救えるというのか。


 指揮官の弱さを受け入れ、それを共に背負い、支えようとする部下が居たって良い。逆に、部下の――仲間の隣で、強さも弱さもさらけ出し、共に困難を乗り越えようとする指揮官が居ても良いだろう。


 それこそが、シルヴァと"彼女”を救えなかった自分の、停滞した時計の針を進め、背中を預けるに足る新たな仲間を得た自分の結論だ。


「……へっ、今更何言ってんだ。頼れる指揮官が作戦を出したんだ。だったら、俺達はそれを全力で遂行するだけさ。精々、俺達を存分に使って大暴れさせてくれよ」


 意を決したように、アクトは腰の鞘から(アロンダイト)を抜剣。そして、この魔霧の中であっても変わらぬ輝きを放つ刃を肩にかけ、ニヤリと好戦的な笑みをローレンに返すのだった。


「ふふ……いつものクールなローレンも素敵だと思うけど、こうやって全部さらけ出して私達を頼ってくれるのは、なんだか嬉しいな。勿論、全力で支えるからね!」

「他の先輩方と比べたら、どこまでいっても私は非力かもしれません……けど! こんな私でも、きっと先輩の力になってみせます!」


 それに続き、リネア、アイリスも次々とローレンに力強く応える。曲がりなりにも、チーム一丸となってここまでやってきたのだ。指揮官が多少の弱音を吐いたところで、チームの信頼関係が揺らぐことなどなかった。


「……ローレン。アンタ、変わったわね。何かあったの?」

「別に、変わってなんかいないわ。ただ、昨日の晩、少し自分を見つめ直してみたのよ……それで、ちょっとだけ自分の気持ちに素直になってみようと思ったの」

 

 たった一晩で、心境の変化があったのだろう。コロナの目には、ローレンが何か大きな目的、使命感にも似た何かを果たすべく、心を燃えしているように映っていた。


「ふ、そう……で? 当然、アンタの勝算にアタシの力も入ってるんでしょうね?」

「勿論よ。頼りにしてるわ、我がチームのエース様」


 心の力、意志力こそが魔道士の原動力。今のローレンに魔道士としての確固たる力を見出したコロナはそれ以上は何も言わず、ただ彼女の想いに応えるべく、自らも闘志を燃やすのだった。


(あぁ……私は、本当に良い仲間に恵まれたわ)


 内心、こうして弱音を吐き出すことで仲間に見放されるのではないかと、ローレンは心のどこかで不安に感じていた。だが、それこそ杞憂だったのだ。


 弱さを受け入れ、それでも信じて支えてくれる仲間をぐるりと見回し、ローレンは胸の内を熱くする。


(そう。いつだって、私をここまで引っ張ってきてくれたのは、皆の力。皆が私を信じてくれるから、私も身体の奥底から力が湧いてくる。こんな私でも誰かの信頼に応えることが出来ると思えるの)


 だから、全力で見せつけよう。かつて苦楽を共にした仲間に、今の自分と新たな仲間の力を。


 やれる事は全てやった。既に賽は投げられた。後は自らの持てる力の全てを発揮して、仲間と共に次のステージへ進むのだ。


 そして――勝って彼らに伝えよう。軍を離れた自分が、新たな日々の中で得た答えを。


「さぁ――行くわよ!!!」



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