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俺はVRMMOで男と結婚する事になりました。  作者: カイロ


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俺の家で夏条達と遊ぶ事にしました。

「あんなですけど、可愛い趣味もあるんですよ。姉は」


 涼をリビングに招き、全員そろったという事でドーナツを食べながら軽く話を始めた。

 凛花と二人っきりだと思っていたのか最初こそ不機嫌そうだった涼だが、ドーナツとナポリタンというよくわからない組み合わせを提供され、そしてそれらが意外にも美味しかったらしく少しずつ機嫌よくなっていた。


「めちゃくちゃ怖かったんだけど」

「あまり人と話すのが得意でなくて。さっきのも仲間外れにしたりしないで仲良くしてください、ぐらいの意味ですわ」

「そうなのか……」


 凛花には指一本でも触れたら殺す、と言われていたような気分だったが、つまりはそういう勘違いされやすい人という事なのか。


「一見怖く見えるかもしれませんが甘いお菓子とか好きですし、アニメ、というのも好きだそうです。深夜と日曜日の朝はいつもテレビの前にかじりつくように座っております」

「おお、俺ら寄りだな」

「えぇー想像できないんだけど……」


 試しに凛花は女侍といった風貌の夏条京が日曜朝の変身ヒロインを真剣な目で見ているところを想像してみる。

 怪人に打ちのめされ、ピンチに陥ったヒロインに「負けてはならん! ここで貴様が倒れれば誰がこの町を救うのだ!」と拳を振り上げ檄を飛ばす姿を想像し、いやいや……と妄想をかき消した。

 まともにイメージできない。きっとそこまで熱の入った鑑賞ではないだろう。


「去年の冬にお姉さまお気に入りの深夜のアニメと朝の特撮番組のコラボレーション作品を1年分作らせるために両制作会社に数十億ほどお父様に内緒で渡したりして家を追い出されたりして、かわいい一面があるんですのよ」

「かわいさの規模がデカすぎて俺はちょっとよくわからんのだけど」

「わかる、男の夢だよなあ」

「シンはわかるのか……」


 金持ちの家の人間だけあって一般的な家庭で過ごした凛花にはかわいさが伝わらない。

 日曜朝のヒーロー達の変身アイテムが自分考案の物だったりした時の事を考えれば、そこは楽しそうだというのはわかるが。


「今日もお姉さまとは偶然道中で出会いまして。お仕事に行くところだったというので久々に無事な姿を見られてよかったですわ」

「お姉さん追い出されたままなの!?」


 なんだかんだあって許されたのかと思いきや、家に戻るのは許されていなかったようだ。

 姉は家を追い出され妹は弟になり父は寝込んで、夏条家の今後が心配になる凛花だった。


「……何にしても、夏条くんの元気な姿が見られて私も安心したよ」


 楽しそうに話していた夏条を見て、月光門は言う。家系事情はかなり不安そうなのだがそこはいいのだろうか。


「さて、それはともかく今日は凛花くんの家で遊ぼうという主旨だ。皆でゲームでもして遊ぼうじゃないか。私も初めてだったが遊んでみると中々楽しくてね」

「あの先輩、それなんですけど」

「何だい?」

「俺、2人まででしか遊べないゲームしか持ってなくて」

「む、そうなのか」


 元々凛花の遊び相手と言えば進太郎ぐらいのものだったので、同時プレイ人数の多いゲームはもっていなかった。

 あったとしてもコントローラーが2つしかないのでやはり遊べるのは2人だけだ。

 3人だった前回はともかく、1人増えるだけでも手持無沙汰な時間が多くなり、あまり盛り上がらないかもしれない。

 かと言って他にできる遊びもないので、どうしたものだろう。


「じゃあ、凛花さんの部屋でスケベ本探しゲームというのはどうでしょう?」

「どうでしょうじゃないよ何提案してんのお嬢様!?」


 名案があるといった風で発言した涼の言葉に凛花は赤面する。

 というか前々から凛花は気になっていたのだが、なぜ涼はこうもシモ方面に広いのだろう。むっつりというやつだろうか。


「それは時間の無駄よ。凛花そういうの買ってないもの。毎日掃除してる時に確認してるし保証するわ」

「リンはそういうのパソコンで保存してるもんな」

「母さん……はまあいいやいつも掃除ありがとうでもシンお前は何で知ってんだよ!!?」


 いけない、このままでは自分の知られたくない情報が大公開されてしまう。

 月光門はそちら方向に疎いらしく首を傾げて聞いているので、正直手遅れな気がしないでもないが凛花は話題を変えようとする。特に何も思い浮かばないが。


「凛花弄りはこのくらいにして、一緒に遊べるゲームが家にないならゲームセンターとか行ってくるのはどう? 最近近所にできたじゃない」


 凛花の代わりに母が提案する。

 麗の言うように、つい先月凛花の家から徒歩10分ほどの距離にゲームセンターがオープンしたのだ。

 かなり充実した品揃えであるらしく、前々から凛花もきっかけがあれば行ってみようと思っていた。


「母さん、それだとほら、先輩が」


 できれば行ってはみたいが、そうすると親衛隊がどこからともなく湧き出てくるだろう。

 アーケードゲームは4人で遊べるものもあるし、できれば体験したいところだが、それでは月光門は楽しめないかもしれない。


「うん。だから私も一緒に行くわよ」

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