第四話 ステータス説明
本日 二話目
題名の通り。
朝ご飯を食べ終えた僕は、今、一人で森に来てる。
門を出て左側、つまり昨日とは違う森だ。
今日は、こっちの森に用事があるんだよ。
ああ、母さんには、ミリィと一緒に町で遊ぶって説明してある。
父さんは、今日は大事な仕事があるとかで、朝早くに町を出て行った。
ミリィは朝に弱い上に、昨日の疲れから、今頃まだベッドの中の住人と化しているだろうね。
おっと、前方に敵影確認。
……黒狼か。
最近、本当に多い気がする。
番兵のおじさん達もぼやいてたし、何処かの森から流れてきたのだろうか?
まあ、いいか。
どちにしろ、長く相手にするつもりはないしね。
「【再現】」
手に持った短剣を投擲。
哀れな狼君は、短剣が喉に刺さったせいで、断末魔すら上げられずに生涯を終える。
まあ、しょうがない、今日は僕にも急ぎの用事があるんだよね。
目的地は結構遠いし。
そういえば、僕が戦闘で使ってる【再現】について説明がまだだったかな?
結構、ポンポン使ってたからね。
一言で言えば、ただ”再現する能力”なんだけど…。
このスキルが結構な曲者なんだ。
僕も、最近になってやっと扱いに慣れた所だからね。
わかりやすい説明をするために、”ステータス”を見て貰おうかな。
目を瞑って体の奥に意識を集中する。
お、出た出た。
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名前:アルアイン・クラム 10才
種族:人間 LV:21
職業:なし Lv:0
称号:狂気の子
体:E 攻:D 防:E 知:S 技:A
魔:D 速:D 運:C 邪:S 聖:G
総:D
固有スキル
【再現LV:3】
職業スキル
なし
種族スキル
【言語LV:MAX】
******************
順を追って説明するよ。
僕の種族は当たり前だけど、人間。
職業と種族でLVが別れてるのは、職業LVは、変更したりするとLVが0に戻るけど、種族LVは例え変わったとしても、LVが減るなんてことはない。
種族と職業って認識で良いと思う。
称号はスルーの方向で。
次に、漢字とアルファベットが並んでるよね?
これは、言わば僕の基礎能力値を表してるんだ。
種族・職業・LVの上昇・スキルとか、色んな要因で増減していく。
Sが最高で、そこから能力値が低い順に、A、B、C、D、E、Fと下がっていって、Gが最低値になる。
項目は、体力、攻撃力、防御力、知力、技量、魔力、速度、運、邪悪値、聖信値だ。
で、今回の本命、スキルだね。
固有スキルは、その人だけが持つ、個のスキル。
無い人も居るみたいだけどね。
職業スキルや種族スキルみたいに、LVの上昇で増えたりはしない。
たまに、条件を満たすと増えたり、変質するらしいけど、詳しいことはよく分からないや。
さ、ここまでは良いかな?
じゃあ、凄く長い前置きになったけど、【再現】について説明するよ。
【再現】の能力は一見すればシンプル。
物をノーコストで手元に再現する。
再現した物は、自分の意思で消す事も出来る。
これだけ。
ただ、このスキルは単純そうで奥が深い。
短剣を含めた、武器や防具を再現するもよし。
人が使用している魔法やスキルを再現するもよし。
食料や、鉱物を再現するもよしだ。
万能に見えるけど、やっぱり制限はあるんだ。
まず、生物は再現できない。
それを可能とすれば、それは死者蘇生も出来ちゃうからね。
理から外れた行為は無理って事だ。
次に、再現できる物の質は、技量の値に依存する。
つまり、技:Aの人が再現したダイヤモンドと、技:Eの人が再現したダイヤモンドでは、圧倒的に技:Aのダイヤモンドの方が質が高いって事だ。
最期に、これは魔法を再現するとき限定だけど、再現できる魔法は、魔力の値によって制限される。
僕の値だと、各属性の下級魔法や、生活魔法は再現できるけど、強くて強力な、俗に言う上級魔法や究極魔法を再現することは出来ない。
うん。
使えそうで、なかなか扱いにくいスキルなんだ。
抜け道は存在するよ?
スキル名の横に付いてる数字。
これはスキルレベルと言って、たくさん使うことでレベルが上昇する。
最大値は10で、表記がMAXになる。
上昇すると、能力が強くなったり、制限が外れたりする。
元々、【再現LV:1】の時は重さ制限で100グラム以下の物限定だった。
詰まるところ、スキルは使用すればするほどに、強く強力な物になっていくんだ。
これで、説明はお終い。
丁度、目的地が見えてきたよ。
僕の視線の先には、岩肌にポッカリと開いた大きな洞穴が。
僕は近くの茂みに身を潜める。
やがて、洞穴の中から、数匹の魔物が現れる。
緑色の肌に、動物の皮で作った腰巻き。
醜悪な顔に、特徴的な尖った耳と鼻。
僕よりも背は少し高めで、その体躯は様々だ。
その手には、錆び付いた武器が握られている。
「やっと、見つけた♪」
そう、僕がこの森を訪れた目的。
それは、ゴブリンの巣窟だった。
テンプレ、ファンタジーの王道ゴブリン!
こいつを出さなきゃ異世界じゃない!
次回 無双します。