第一話 魔王さま、降臨。
風は嵐を呼び
光は辺りを覆い尽くし
世界は新たな“神”を歓迎する。
空間に亀裂が走り、天界からの門は開かれる。
その門から魔王は第二観測世界へ降り立った。
地面に触れた瞬間、空気が沈黙し世界は何事もなかったかの様に静まり返る。
「我同様、降臨させてくれれば楽なのだがな」
全く、天界の連中は頭が硬い。いや、出来ないのか。それならば仕方あるまい、我とて万能では無いのだからな。
「我が名は――――――。
対象、フレイヤ・コンコルディア・モルディアナ。
起動座標、第二観測世界。
参照座標、第一魔王神化世界。
肉体情報、完全維持。
魂情報、保持転送。
制限、全解除。
以上…
――我が権限により、この者を召喚せしめん。」
呪文が完了した瞬間、空間に衝突が走る。
世界の法則同士が噛み合わず、
重力が揺らぎ、大地が軋む。
世界は異物を拒絶する。
しかし、次の瞬間、第二観測世界の座標が確定した。
人一人分の異物が、第一魔王神化世界から第ニ観測世界に異動し、人一人分の異物は“正常”だと第ニ観測世界に押し付けられた。
「久しいな、フレイヤ・コンコルディア・モルディアナ。」
「お久しぶりで御座います。我が主。御用件は?」
「異世界の混乱を収め、世界規模の平和の確立」
「――――畏まりました。我が主と再び、偉業を成し遂げられること光栄の極みに存じます」
「では、この世界の情報の詳細を収集してまいります。」
「うむ。我は一国、掌握して置こう」
「この世界での“ギフト【魔王の右腕】”も授けておこう。重宝するだろう。」
「感謝いたします。それでは、魔王様」
「あぁ、コレより“世界平和”を開始する」
「それでは“3日後に”な、掌握した国には魔王軍旗を掲げさせる。国旗はそのままだから気をつける様に」
「は、その間、お会い出来ないことは痛恨の極みではありますが…一国の掌握、魔王さまにとって児戯でございましょう。私も情報機関を設立して参ります。それでは、失礼致します。」
「うむ、任せたぞ」
第一魔王神化世界では、諜報を沙汰なくこなす癖に、我を主とするならばメイド服だろうと譲らないのは何故なのだろうか…まぁ良いか。本人が楽しそうだし。
………あっ、やり過ぎないように言うの忘れてた。まぁ、我にかかれば彼奴がやり過ぎても何とかするが…
【共存率:0.54%“崩壊危機”】
異世界運営は始まったばかりである。
平日深夜にこんばんは。
灰野カナタです。




