プロローグ・天界酒場
酒場・魔王さまの台所
隠れた名店、酒も美味いが看板はやはり、第一魔王神化世界から仕入れたコカトリスの肉らしい…
……らしい、も何も。 我が世界のものだ。 皿を見ながら、どうでもいい確認を一つ終える。
「なぁ〜我が友〜聞いてくれよ〜」
「何だ藪から棒に、私はこの飯を食うのに忙しい」
「私が運営してる世界が〜ついに共存率が一桁切ったー」
「……それは、もう終わりだな」
「だろ〜? も〜いっそのこと滅ぼしてやる〜〜〜!」
「我より魔王らしいことを言うでない」
「だってさ〜、あいつら私の“お告げ”無視して勝手に戦争始めるんだぜ!?」
「まだ三つ目だろ?」
「うるさいやい!研修終わって一年だ!!」
ーーそれは我も同じだ、駄女神。
「私は一つ導いてここに居る」
「…あんたが居なくなってすぐ崩壊した癖に」
「急に天界に来たら誰でもそうなる。だが管理一日で共存率100%に戻した」
「それはあんたが第一魔王神化世界で魔王として崇められてたからでしょ?」
「…違うな」
我は一口、酒を飲む。
「“自然発生世界”だ。管理も加護もない、ただの混沌」
「……あの、地獄みたいなやつ?」
「そうだ、あそこは征服までは簡単だ」
「は?」
「問題はその後だ、放っておけば、三日で内戦が起きる」
「だから、まずは上から押さえつける」
「で、その間に“差”を潰す」
「差?」
「火種になるもの全部だ。種族、資源、信仰……放っておけば全部争いになる」
「故に、平等だと“信じ込ませる”」
「民に身体的差はあれど、権利や価値に違いは無いのだと」
「それが出来て、初めて――創造主側に呼ばれる」
「それに、お前と違い我は…「うわぁぁぁぁぁぁん…魔王に虐められるぅぅぅぅぅ…」
「……もう酒しかない……これでも高位神なんだけど……」
「新米だろ」
そう言いながら、コイツを落ち着かせようとする。
(我も甘いな…)
「落ち着いたか?」
「うん…」
「――で、どうする」
問いかけると、彼女は少しだけ真顔に戻った。
「……調整、入れるしかないわよね」
「そうか。“降臨”許可もそろそろ降だるだろ?」
神が直接介入する段階――最終処置だ。
「……でも私じゃ、外されるかも」
「……そうか」
少し思案する…
「…我が降りるか」
「…え?」
間が落ちる。
「いや、ちょっと…え?」
「何か?不満か」
「いや、ちょっと待って。私が外されるかもって話よ?」
「理解している」
「じゃあなんで――」
「制度はある、問題無い」
「…分かった、魔王。我が第ニ観測世界の命運、君に託そう。」
「よし、ならば相談なんだが…」
――――「流石に駄目なんじゃない?」
「そうだが、相当に優秀だ…少々不器用だが」
「管理世界の子でしょう?転移許可がいるんじゃない?」
「ならば、降りるだろう。」
「どうして言い切れるの?」
「なんせ、我が右腕だからな」
「―――来ると決まっている」
初めまして、こんばんわ。
灰野カナタです。




