31 白いツバサ 流転転生 本編26
思い付いた作戦は力技だった。
だが、別に回復薬の代わりに回復魔法を頼りにするわけではない。
毒のもやをまとわせる巨大黒鳥へと選達は接近していく。
啓区「本気でやるつもりなんだー。凄いねー」
未利「マジで行ったし!」
奈亜「ぴゃ、もやもやさんの方に行っちゃったの」
息をとめながら武器の剣で切り付ける。
そうだ、吸い込まなければ良いのだ。
息を止めたまま、ひたすら攻撃。
緑花も、選と同じように息を止めたまま攻撃を加えていく。
未利「うわ、あんな動きしながら本気で息止めてる」
啓区「体力が凄いてれべるじゃないねー」
いや、それなりに疲れてるぞ。
動いているから疲れるし、酸素の消費が激しい。
だけど攻撃が効くなら、やりようはいくらでもある。
緑花とアイコンタクトを取って、攻撃のタイミングを合わせる。
狙うのは敵の急所。
足元、羽の内側、顔、鳥の事は良く知らないが、とにかく人間でもやられたら痛そうなところを重点的に狙って行った。
そして、息を止めてから一分が立とうという頃。
……次の一撃で終わりだな。
選達は息を合わせて飛び上がり、最後の一撃を巨大黒鳥の頭へ叩き込んだ。
厄介な敵を倒した後、追加の敵が来ない内に選達は遺跡の奥へと移動。
色々と乱れた息を整えた後に、見渡すのはおそらくこのセントアーク遺跡で一番需要な場所だった。
広い部屋の中、床には魔法陣が刻まれていて、天井は半球状のドームになっている。
緑花「とうとうたどり着いたのね。でも、どうすればいいのかしら」
選「詳しい事は聞く時間がなかったからな」
出来る事なら、早くこの世界を何とかしてやりたいが。
何か手掛かりはないかと、部屋の中を調べようとするのだが、その前に刻まれた魔法陣の中央に女の人が現れた。
その体は透けていて、人ではなく映し出された映像みたいなもののようだった。




