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07 白いツバサ 流転転生 本編04


 そんな感じで幾分か柔らかくなった雰囲気の中、建物内を真っすぐ進んで行く。

 たまに道が左右に分かれていたりして、分岐に悩んだりしながら、できるだけ大きな道を選んで小一時間程歩いていくと、開けた場所にたどり着いた。 


 今まで歩いてきたところと違って視線を上げれば、ビルなどの大きな建物が入ってしまいそうな高さの天井があった。

 そして部屋の中央には台座があり、そこには綺麗な石のはまった首飾りが置かれている。


 選「何だろうな」


 取りあえず近づいてよく見てみると。

 台座には魔法陣のようなものが描かれていて、その模様の中心に首飾りが置かれていた。

 手を伸ばしてみるが、見えない透明な壁みたいなのに阻まれていて、触る事がでいない。


 選「どうなってるんだ」

 緑花「どうしたのよ選。そんなところでパントマイムなんかして」

 選「触れないんだ」

 緑花「触れないって、そんなわけ……本当だわ」


 緑花も手を伸ばしてみるが、結果は選と同じ。

 確かに目の前に会って、ガラスケースなども見当たらないのに、手は一向に固い壁みたいなのにぶつかって、それ以上近づかない。いったいどうなっているのか。


 その品物を見ていると、古い記憶が刺激されるような気がしてくる。


 選「これ、どこかで見たような気がするな」

 緑花「そうなの?」

 選「何となく、だけど……。何か苦労して作ったものらしくて、偉そうな人達が真剣にこれを見てるんだ」

 緑花「えっ、何それ。偶然見た夢とかじゃないの?」

 選「いや、確かに見たはずんだ」


 言っている選にもよく分からない。

 けれど、見たというのは確かで絶対だ。

 それは自信を持って言える。


 選には、この首飾りを見たという記憶があるのだ。

 霞みがかっていて、細部はよくは分からないのだが。


 選「そうだ。確か マギ・アンロック……こう唱えれば封印が解除されて……って、あっ」


 選が記憶に浮かんだその言葉を唱えた瞬間、台座の上にあった魔法陣が消えてしまった。

 恐る恐る手を伸ばしてみると、今度は首飾りに触れられた。


 緑花「呪文みたいなのをとなえてたけど、一体どういう事?」

 選「何か適当に頭に浮かんだ言葉をつぶやいただけなんだけど、俺の方が知りたいくらいだ」


 まるで意味が分からない。

 先程からずっと理解不能なことばかり起きている気がするのだが、そろそろ現状何が起こっているかの説明がどこからか入ってもい良いと思う。

 そんな事を考えていると、ふと脳内に女の人の声が聞こえてきた。

 教室で気を失う前に聞いた声ではない。別の声だ。




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