13 白いツバサS 本編10
そして転移遺跡でコヨミ姫に頼まれたという事実を見張り番の兵士に告げ、遺跡を使わせてもらう。
選「今更だけど、これから先危ないことになる。それでも行くのか一応聞いておかないとな」
緑花「そうね、私たちはともかくアンタたちは、喧嘩も出来ないみたいだし」
未利「何を今更、乗り掛かった舟でしょ」
啓区「そうそう毒を食らわば皿までって言うしねー、あ、これフォローじゃなかったー」
なあ「ぴゃっ、なあもついてくの、お手伝いするの」
転移台の前でそれぞれの意思を確認する。
皆、この先に進むことに異論はないようだった。
兵士「それでは遺跡を起動させます」
転移台が光を放って、五人の姿はそこから掻き消えた。
白い光が収まった後、目を開けると見えるのは別の景色だった。
遺跡の外に出ると、目の前には海があり、遠くには水晶出てきた綺麗な建物が海の上に浮かんでいる。
選「あれが、セントアーク遺跡か」
緑花「どうやったらあそこまで行けるのかしら」
考えていると、雪奈先生の声が唐突に聞こえる。
雪奈「困ったときは雪奈先生におまかせ! ばびゅーんと、先生の特急便で送り届けちゃうわよ!」
未利「うわ、でた」
啓区「わあ、どこからやってきたんだろうねー」
なあ「雪奈先生なの、また会えたの」
雪奈先生はどこからともなく、モーターボートを取り出して、海に浮かべた。
雪奈「ささっ、ボートに乗って乗って! これでみんなを送り届けちゃうから!」
選「とんでもない先生だな。これ、大丈夫なのか」
緑花「今、どっから出したの? というより誰が動かすのよ」
未利「そりゃ先生なんじゃないの?」
啓区「でもー、ちゃんと動かせるのかなー」
なあ「ぴゃ?」
雪奈「大丈夫大丈夫、大抵の事は気合があればどうにかなるから」
雪奈先生は笑顔のままエンジンをかける。
選「このパターン、何か……」
緑花「嫌な予感がするわ」
未利「降りた方がいい気がする」
啓区「でも残念ながら、手遅れみたいだよー」
なあ「しゅっぱつするの」
雪奈「さー、レッツゴー」
ビューーーン!
選・緑花・未利・啓区・なあ「――――――っっ!!」




