一春の夢(未完
次回を長くします。
逃げ続けてどのくらい経っただろう。
俺はずっとなにかに追われている。
そいつは喋る。
『お前は無力だ……………………お前は仁天の足元にも及ばん……………………なのに…………なぜ……………………』
胸が、息が苦しくなる。
目を凝らすとそいつの姿がようやく認識できた。
光り輝く龍だ。どこかで見たことがあるが全く思い出せない。
いや、今はそれどころではない。
掠れた声しか出ない。もうやめてくれ。
誰なんだ。もうやめてくれ。
もうやめてくれ。
目が覚める。時刻は四時過ぎ。
汗をかいた体が気持ち悪いのでシャワーを浴びる。
気持ちが優れない。あと少しで学校が始まるというのに。
さっきの龍が言っていた言葉がフラッシュバックする。
仁天。
その正体は日本を代表する七人の魔術師の一人。
その名前の由来は仁龍と呼ばれる金色に光る龍を魔獣として愛用していたためだ。
そして仁天の正体それは____
東山奏多の姉、 東山朱音なのだ。
と、ここまで思ったところでさっきの龍が仁龍だったと思い当たる。
そして昔も昔、俺は仁龍に会ったことがあった。
[続]