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陰陽高校生 大戦記  作者: 風間 義介
三章「変わりゆく日常」
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29/128

四、

 困った表情の月美と合流した清と護は、未だに納得いかないといった風情の明美とともに、いつもどおりの帰り道を歩いていた。

 「む~……」

 「明美、まだむくれてるのか?」

 「だって、月美が全然フォローしてくれないんだもん」

 明美がむくれていることに、多少のいらだちを感じた清がそう問いかけると、明美はなおもむくれながら答えた。

 無理もないといえば無理もない。明美にとって非日常的な存在を認知させることはまず難しい。何より、彼女らにとって「非日常的」な存在と常に触れ合っていることを知られたら、おそらく、彼女との縁が途絶えてしまう。

 月美も護も、それはいやというほど経験してきたことだ。

 だから、何も言えない。言うことなどできない。

 二度と、親しい友人との縁を絶やしたくはないから。それが、月美の本心だ。

 護もそれを理解しているから、あえて何も言わない。

 だが、護はいつか話さなければならないと思っている。隠し事というものは、いつかは露見するものだ。まして、それが自分の素性であればなおのことだ。

 「だって、変にそんな話したら私たちがおかしな人って思われるかもでしょ?」

 「そうだけどさぁ!」

 明美はそれ以上反論できず、護と清の方へ視線をやった。どうやら、フォローを求めているらしい。

 護はやれやれ、といった風情で頭に手をやりながら、ため息をついた。

 「ま、人の噂も七十五日って言うしな。言っても、大して変わらなかったんじゃないか?」

 「護までそういうこと言う~」

 護が明美をフォローしたことに、少しばかり嫉妬した月美は頬を膨らませた。それを護は、困ったような微笑みを浮かべながら、彼女の頭を撫でた。

 月美は若干、顔を赤くしながらなされるがままにしていた。

 清はその様子をニヤニヤしながら眺めていたが、不意に険しい顔になり、周囲を警戒する。その気配に気づいた護も、周囲に気を配る。

 「……清、さっさとここを離れるぞ」

 「……あぁ」

 護と清は二人に気づかれないように、そっと歩く速さを早めた。

 「あ、ちょっと二人とも!」

 「あ、待ってよ!!」

 月美と明美は二人のあとを追った。

 しばらくの間、四人は通い慣れた道を小走りに移動していた。しかし、気配はあいも変わらず、彼らをついて回っていた。

 気配から逃れるように移動していると、行き止まりに到達した。

 「……追い詰められた、か……」

 清の言葉に、護は苦虫を噛み潰したような顔をし、月美に耳打ちした。

 「月美、何があっても絶対術を使うな」

 「え?」

 月美は、護の言葉が信じられず、思わず聞き返してしまった。だが、護は二度は言わない、と言ってきて道の方へ振り返った。

 そこには、黒い靄のようなもので包まれた何かが確かにいた。

 「な……何、あれ……」

 どうやら、見鬼ではない明美にも見えているらしい。いや、妖のほうが見せようとしているのだろうか。いずれにしても、この妖が四人を今回の狩りの標的にしたことに代わりはない。

 「……平野、目を閉じてたほうがいいぞ」

 そう言いながら、護は鞄から数珠を取り出し、手に巻きつけ、臨戦態勢に入った。

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