心の叫び声
いつのまにか誰もいなくなった森の中で
眠っていた彼女はゆっくりと目がさめる
ふらふらした足取りだが 光がない瞳で
真っ直ぐに進んでいく
〝自分の願いを叶える為に〟
何も知らないユウトは急いで国へと戻ってきた
「あー!疲れた……婚約者のアリア…名前は夫婦になるまであかせないから偽名って言われたけど 本当人間離れしているよな見た目から 真っ白な髪 雪みたいな瞳……まぁ それが〝色使い〟の妖の特徴だしな」
色使いの妖 歴代強い妖力を持つものは一族の女王となり 〝生命〟を司る神と婚姻を結ぶ
それが古くからの決まりであり 生死の神であるユウトは今回 婚約者として選ばれたのである
時折こうして会いお互いのことを話す時間が授けられている
「レナとは話の途中で強制的に行かせれたし…ちゃんと話さないとな……それにしても なんでこんな……静かなんだ??」
馬車を走らせ城へと戻っているが 国に入ると同時に人の気配がしない
薄気味悪いほど 静かでまるで…誰もいないかのようなそんな感じが漂っている
「……シャル もう少し急いで戻れるか?嫌な気配しかしない」
馬車を走らせる自分が最も信頼している召使いの男性に頼むように言う
何か 知らないけど胸騒ぎがする
大切な妹のレナが心配 いや なぜかもう
〝妹に会えない気がする〟
そんなことはないのに心臓がドクドクと緊張しているように鼓動がなる
「かしこまりました ユウト様 …このシャルも何故だか…嫌な予感がします…」
ようやく城へと帰ってきたが なにか匂いが漂う
「…シャルはここにいてくれ なにかあれば避難を そして民の…生存確認を」
それだけ言うと 何かを言うシャルを横目に急いで走り出す
中へ行くと 匂いがどんどん増していく
そう この匂いは〝血の匂い〟だ
一番匂いがキツイ部屋の扉を勢いよく開ける
扉を開けた先には信じられない光景が広がっている
血だらけで倒れている両親 部屋一面真っ赤に染まり その中で妹が呆然と立っている
「レナ!!何があったんだ!?」
パシャ パシャと血の水溜りを歩き妹のそばに行こうとすると
「近寄らないで!!!!お兄ちゃん お兄ちゃん 私ね 私ね 〝お兄ちゃんとシャル以外全員殺した〟けどね?私は私は………
そうだ そうだよ お兄ちゃんにはわからないよね?お兄ちゃん優秀だもんね?例え道具としても見てくれていたもんね 何かあればお兄ちゃんお兄ちゃん 私だって好きでこんな赤に混じった髪色じゃ無いのに 私はちゃんと居るのに 居ないように扱われて 寂しかったんだよ?
だからね お願いしたの 私を…私だけを見て???私以外を見るなら 私の存在を否定するなら……それをねじ伏せる力が欲しい そう 弱い自分はいらない自分はいらない!!!今から 私は〝強い自分に生まれ変わって 存在を認められたいの!!って そしたらね 今まで使えなかった能力が使えるようになったんだ
ふふふ♪服従能力 面白かったよ?お互い 隣にいた人達や愛した人 友達 家族 そう 大切な人を殺しあう民達 そこに死んだクズどもは最後なんて言ったと思う??」
ニコニコ笑いながら 勢いよく話し顔や服には返り血が大量に付いている けれど話すのをやめない これまでの全てを吐き散らかすように
生き残った兄に叩きつけるように話しづつける
「〝助けて 死にたくない〟あははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは!!
助けてってどの口が言うの??今まで散々な扱いをしておいてさ!?……全て全て 殺したのに 満たされない 満たされないの!!なんで!?どうして!?スッキリしたのに!!私は私はただ……………そうだ そうだ……」
涙を零しながら呟き 目にともらぬ速さで自分の心臓を持っていたナイフで貫く
━━認められたかった 見て欲しかった 愛して欲しかった ただそれだけ もう叶わない 死んでしまおう━━
「レナァァァァァァァァァ!!!レナ!!レナ!!」
唐突に動き自分を刺す妹を止めようと手を伸ばしたが届かずにゆっくりとレナは倒れていく
「……………ヒュ……ッ………」
レナを抱き抱え息を微かにしているのを確認するが まもなくレナは腕の中で息を引き取ってしまう
レナはただ寂しかっただけ 血だらけで冷たくなっていく どうすれば どうすれば
そこまで考えると コツコツと人が歩く気配がし シャルかと思いバッと顔をあげる
顔を上げた先にいたのはシャルではなく見知らぬ〝金色の髪の女性〟が笑みを浮かべ立っている
誰かと口を開く前に先に女性が口を開く
「〝今の貴方〟とは初めまして?私は 創造堕女神 カナリア・レヴィ…単刀直入に言うわ その腕の中にいる 貴方の大切な妹 生き返らせることできるわよ?……だからね?私が助けてあげるわ 如月 ユウト」
それは甘い誘惑にも等しい優しい優しい声で
光を見せ 闇に突き落とす前触れに過ぎなかった……
久しぶりに投稿です!!
見てくれている人がちらほらいて嬉しい限りです!




