新たなる始まり
記憶が途切れアリアと悠人が目を開けると
アリアの家に戻っていた
「……これでわかりました?私が燐の記憶を蘇らせたくない理由が……」
ポツリと言いながら悠人のほうを振り向く
アリアは燐の記憶を封じた張本人だがアリアも知らないことが沢山ある
「……あのお嬢さんは……二度も殺されかけたんだな……」
自分が軽率な発言をしたと悔やむように小さく呟く
自分がもし燐の立場なら…っと考えたら怖くなってしまった 欲しい愛情は与えてもらえず
欲しくない愛情を押し付けられ それでも愛されたかった 永遠の愛を知りたがっていた
愛を知りたいが為に罪人を裁いて殺した時も泣いていた 本当はしたくなかった だけど願いを叶えて欲しかった ただただ……
〝平凡な日常を送りながら愛されたかった〟
少女の辛い過去の話だった
「悠人 私は私の光でもある燐を守りたいの
だから お願い邪魔をしないで」
突き放すように言うと燐が眠っている寝室へとコツコツとヒールの音を鳴らしながら向かっていく
「………アリア お前はなんで…あの時…俺の前から姿を消した…?俺はアリアのことが今でも…!!」
向かっていくアリアの動きを止めるように腕を引っ張り気持ちを伝えようとすると言葉が遮られてしまう
「………私のことはいいのよ 悠人 貴方だって探している人がいるでしょ…?…貴方の国を滅ぼし姿を消した血の繋がった妹が…」
悠人の口を手で塞ぎながら言う
悠人もアリアも自国は無い アリアは一族の生き残り 悠人も生き残りだけど一人ではなかった もうずっと見ていない死んだかもしれないと思われている妹が
アリアの手をゆっくりと離す
「……なぁ アリア 俺もアリア達の旅に連れて行ってくれ アリアの目的も俺が手伝う それにその道中でも妹を探すから…アリアが一人泣いていた時に何も出来なかった元婚約者からのお願いだ」
悲しそうな優しい笑みを浮かべてアリアの手を握りしめる
そうこれは決意 もう一人にはしたくない
願わくばアリアを幸せにしたい俺の〝ワガママ〟だ
「……私についてきても後悔するだけよ?それでもいいの…?私は…ずっと…大切な人が守れず……目の前で死んでいく一族すら守れなかったのよ…??それでもついてきてくれるの…?」
ポタ…ポタ……
手は震え頰に涙がこぼれ落ちていきながら
悠人の瞳を見て強気な発言で言う
アリアは…アリアの過去も辛く悲しい過去でありもう彼女は自分のことを大切だと言う人を側にいて欲しくなかった
あの時みたいに何も出来ずにただ目の前で死ぬのを見たくなかったからだ
「あぁ…それでもついていく だから燐とアリア二人とも守らせてくれ…今度こそ守ってみせる…」
泣き出したアリアを抱きしめ優しい声色で頭を撫でながら言う
ようやく言えた あの時言えなかった言葉が
アリアのことは今でも愛している だけどそのことはまだ言わない その言葉はまたいつか言える時に………
子供のように泣き出したアリアと言えなかった言葉がようやく言え涙を零しながら抱きし
め合う妖と龍人は幸せそうに見えた……
────
同じ時刻に一つの国の女王が動き出す
「綺麗なものはやっぱり目の前に飾ると綺麗ね〜♪」
緑色の髪を一つの三つ編みに束ね エメラルドグリーンの瞳を輝かせ ドレス姿の女性がまるで生きていた人間かと思うような人形を愛おしそうに眺めている
「……〝音色〟次のターゲットは?」
人形を眺めている女性のとなりに立つ 赤い髪を二つ結びに 光のない赤と黒が混じった瞳 不思議の国のアリスをモチーフにしたような赤いワンピースに黒いエプロンをした女性が首を傾げ話をしている
「…そうね〜 あ ねぇ アリス?あの方を〝お茶会にご招待〟しましょ?…その方が今回のターゲットよ♪」
ふふと笑いながらサラサラっと招待状を作っていく もちろん自分の正体がバレずあの方が興味を持つように
「……あの方??」
楽しそうな音色を見ながらあの方という言葉に反応しよくわからないという風にまた首をかしげる
「……♪私が崇拝している方よ…♪あの方を生きたコレクションに加えたらとても美しいわ……あぁ 今からでも興奮してくるわ…ふふふふ……あはははははははははははははははははははははは!!」
高笑いする音色から一つの招待状が落ちてくる
招待状を見てみると
〝花が咲き舞う中 妖精の宴を見ながらお茶会をしませんか?…黒木 アリア様♪〟
恐怖のお茶会の始まりのカウトダウンが始まる
第3章の始まり 始まり!!




