ep.030 am00:12 石川県小松市 航空自衛隊小松基地
am00:12 石川県小松市 航空自衛隊小松基地
航空自衛隊第6航空団・第303飛行隊所属の戦闘機パイロット生駒2等空尉は、基地で仮眠を取っていた。
同僚の三郷2等空尉が声を掛ける。
「なぁ、もう寝たか?生駒?」
生駒は寝返りを打つと、
「何だ?寝るのも仕事だぜ、三郷。昔、葛城教官から教わったろ?」
「鬼の葛城さんね。怖かったなぁ。あー、嫌だ嫌だ。これだから、堅物は嫌だね。なぁ、腹減らないか?美味いカップ麺あんだよ。俺、食ったら寝れそうな気がするんだがな」
三郷はニヤニヤしながら、生駒を誘う。
生駒はガハッと起き上がると、
「そのカップ麺は、“極太大将”か?いや、いかん。食べてはダメだ・・・」
軽くため息を吐き、またベッドに倒れ込んだ。
三郷は悪戯に囁く。
「あー、せっかくの“極太大将・限定和歌山ラーメン”なのになぁ。しかたない・・・、俺一人で食うか。残念だ・・・」
三郷が立ち上がり仮眠室を出ようとすると、後ろから声が掛かる。
「しょうがない、俺も付き合うか。“限定”だしな」
生駒は再び起き上がり、ニヤリと笑った。
三郷は破顔すると、
「さっすが、我が相棒だねぇ。さ、生駒、給湯室行くぜ」
そんな矢先、仮眠室のスピーカーから緊急警報が鳴る。
生駒はベッドから飛び降りると、顔を一発叩き、
「おい、三郷。行くぜ」
さっさと飛び出していった
「はぁー、カップ麺は帰ってからだな。とほほ」
三郷は悪態を付くと、後を追う。
ものの数分後、2機のF-15Jイーグルが小松基地をスクランブル発進していった。
日本海をマッハの速度で飛行する国籍不明の謎の物体を追って。
そこで生駒と三郷の二人の自衛官は、不思議な体験をする事になる。
『生駒よ、こんな時間にどこの国の馬鹿が、領空侵犯なんかしやがんだ』
無線を通じて、三郷の恨み節が聞こえる。
「さあな、国籍不明機なんて、時間なんか考えないだろ?俺達の仕事は警告を与えて、さっさとこの日本国の領空から出て行ってもらう事なんだからさ。おい、見えてきたぜ、あの発光体か?え?飛行機じゃない?」
生駒は驚きを隠せない。
三郷も同様で、
『生駒、俺、夢見てるのか?何で、夜中の日本海の上を、真っ赤なバイクに乗った女の子がマッハの速度で飛行してるんだ!ありえんだろ!!!』




