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ep.020 pm11:35 大阪府河内長原市 聖マリア寮

pm11:35 大阪府河内長原市 聖マリア寮


皐月達の202号室は四人部屋で皐月のベッドでは、鷹見こころのバレー部の後輩・鈴木(すずき)直子(なおこ)が、そして、空いているベッドでは、今回皐月が札幌へ行くきっかけとなり、後に15歳の若さで“河内稲美会”会長代理に就任する稲美(いなみ)雪江(ゆきえ)が、すやすや寝息を発てて眠っている。

片やローズ・ピーコックマンは素っ裸のままで、ブランケットに包まっていた。

ベスことエリザベス・スノウィオウロードはベッドの中、左手首に輝く宝石の散りばめられた黄金のブレスレットを耳に当てている。

何か聞こえるのだろうか・・・。

《んふふ。面白い展開になってきたわね。さて、アタシもそろそろ出掛けようかな・・・》

ベッドからむっくり起き上がる。

壁の鳩時計を見た。

既に11時半を回っている。

《スカーレットで飛ばせば、真夜中過ぎには着くわね。クスッ》

ベスはちらりとローズに目をやった。

寝返りと打ったのだろうか、ブランケットが床に落ち白人特有の桃色掛かった裸体を晒している。

《しかし、ローズは本当に開放的ね・・・》

ベスは、そんな事を思いながらベッドから降りた。

去年、ロンドン・ハロッズで買ったお気に入りのピンク地に梟のプリントが入ったパジャマを、上・下と次々脱ぐ。

ベスはブラジャーは着けてなかったので、形の良いEカップの胸が姿を現す。

ベス自身でもお気に入りの身体のパーツだ。

箪笥の一番上の引き出しから、ストラップレスの純白のブラジャー取り出し、手慣れた手つきで身に着ける。

次に二番目の引き出しから、御祖母様からもらった白いアンゴラのセーターを取り、羽織った。

不思議と薄手の割に熱が逃げない。

白い靴下を履き、最後に一番下の引き出しから、Abercrombie&Fitchのブーツカットのジーンズを出して履く。

姿見の前で軽くポーズを取って、鏡に尋ねる。

《アタシ、可愛いかな?》

ニヒルな鏡の精が“最高!”とグッジョブ・サインを出して、答えた気がした。

気を良くしたベスは、クローゼットからはねくみ特製の漆黒のライダージャケットを取り出す。

右腕は白に染められ、肩に05、背中には白梟のシルエットが抜かれている。

ライダージャケットに袖を通し、きっちりジッパーを上まで締めると、もう一枚クローゼットから何か取り出した。

ビロードのような美しい光沢をもった黒いローブである。

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