#8 ギルド
中途半端なんですけど、失踪疑われると困るのでいったん投稿です。
~通り~
「まず目指すのは、ギルドだろう。」
そう呟いて、ギルドの看板を探すレオ。
この世界において、ギルドは冒険者や、錬金術、魔法科、薬系、不動産や商業といったように多くある。
王都は、一つの建物にすべてがまとまる大きな総合ギルドがあるため、そこを目指すのは当然というわけだ。
王都にしばらく住むことになるので、住むところを決めようと思っているのだが、需要や、価格の面から、学校の寮を使用するのが一番だと考え、不動産のギルド部署には顔を見せないことにしたのだった。
~ギルド~
相変わらず大きな建物だった。いくつもの部署が集まっているので大きいだけで、実際、一つ一つの部署はそこまで大きくないのだが。
少し行ったところで、受付嬢、つまり係員が話しかけてきた。
「あら?おつかい?大丈夫?」
この時、レオは思った。
(そうだ、身体は6歳だ…。)
つまりは、小さい子が遊びに来たように思われたのだろう。
ここは思い切って言うしかない!!そう考えたので…。
「すみません。学校の入学試験を受けに来たんですけど、その前に冒険者登録したいので、冒険者ギルドはどこにありますか?」
と、聞いてみた。
その時の受付嬢の引き攣った顔。
(傑作だったね)
「あ、あはは。嘘はいけませんよ~?さ、何を買いに来たんですか~?」
「いや、嘘ではありません。そもそも、見た目で判断しないでいただきたい。少なくとも、冒険者になるための試験を、剣と魔法の両方でクリアできる程度の腕はあるつもりです。」
その時の、またまた困ったような顔。
(相変わらず最高でした)
「じゃ、じゃあ、お姉さんと腕相撲しない?それで負けてるようじゃ、無理でしょ?」
レオは、なぜなんだとただひたすら疑問に思ったが、勝ったら冒険者ギルドに連れていく約束でしぶしぶ了承した。
結果は圧勝だった。何の面白みもなく。
というわけで、ギルドに案内してもらった。
もちろんいろいろあったが、ついに、試験を受けられることとなった。
魔法と剣の、どちらがいいか尋ねられたので、両方は無理なのかと、丁寧なな言葉で尋ねたところ、許可が出たので両方の試験を受けられることとなった。
~試験~
通されたのは、少々暴れても問題のない試験場。いわゆる、結界の張られた場所だ。
「その若さで、冒険者志望か?」
「学校にも行くつもりです。知識も欲しいので。」
「どっちもというのは、欲張りだな。しかし、器用貧乏になるぞ?剣と魔法も同じだ。」
「見てからおっしゃってください。」
「…、そうだな。じゃあ開始だ。何でもありでいいよな?何が試験とは言わないからな。」
「分かりました。」
そして、試験官と、レオが向き合う。
動いたのは、試験官が先だった。
レオは、指をパチンと二回ほど鳴らす。
発動したのは、【身体術】Ⅳと【戦士業】Ⅷだ。
底上げされた身体性能に加え、前世の記憶である戦士の力が加わり、子供の体ながらに、試験官の攻撃をさらりといなす。
信じられないといった顔の試験官。
しかし、ルールは何でもあり。この隙を逃すレオではなかった。
すぐさま、戦士の技を発動させ切りかかる。
しかし、そこは試験官。すぐに切り替えると、迫る攻撃を受け止めた。
「驚いた。まさか、スキルは戦士か?」
「違いますよ。」
「しかし、今のは…、「この国の王には申し上げようと思っていますが、それ以外の方には秘密にさせていただきます。」」
「そうか。」
その鍔迫り合いの間に、こんな会話が繰り広げらたそうだが、レオも長引かせるつもりはなかったので、押し返し、次の技を発動させる。
当然、魔法の試験もあるため、早く終わらせたかっただけである。つまらないからではない。
「決めます。【瞬斬】」
試験官に迫るのは音速にこそ劣れど、人の目には見えないほどの剣。
試験官の持つ剣を跳ね上げ、首筋で寸止め。
レオの勝ちが決まった瞬間だった。
次、魔法編です。魔法陣が即座に作れて、ほぼ全属性…。わかりますよね?