#18 報告と疑い
遅くなってしまいすみません。
~ギルド~
王都近くに飛ばされたレオ。時間こそまだ余裕はあるが、早めに報告をしておこうと王都に入り、ギルドに向かう。
「あ、帰ってきましたね。でも、早すぎませんか?やっぱり、クエスト失敗…。」
「ギルドカードです。」
ギルドカードには、しっかり達成の文字があった。
受付嬢シャロは、ギルドカードを受け取り目をぐるぐると回す。ここまでやってきたことがいろいろと規格外すぎてキャパシティをオーバーしているのだろう。
「何か特殊な移動手段があるのですか?」
もっともな質問だろう。しかしながら、レオ自身にはない。そのため出した答えは
「特にはないですが、今日は運がよかったんです。」
という事だった。
怪訝そうな顔を浮かべるシャロ。しかし、賢者のナルとの関係を明かすと面倒ごとになるのが分かりきっているので、ごまかすしかないレオだった。
期限ギリギリのものをクリアという事と、少々依頼に近いクエストだった事もあり、少々ポイントの高いものになるのだった。
ちなみに、剥奪ギリギリまで落ちるのはなぜかというと、ギリギリとわかって受けて失敗するのは、自らの能力を過信していることになるため、”その冒険者”が危険だという判断になるからなのだ。
そして、クエスト達成の処理を行い、ギルドを出ると、ちょうどナルが帰ってきたところだった。当然変装はしていたが。
「大丈夫だったか?」
レオがそう聞くと、
「大きな狼をペットにしてきたよ。」
と、幸せそうな満面の笑みで答えた。
なぜか、面倒ごとに巻き込まれそうな予感がするレオだった。
その日は、また宿に戻って、休養を取ったのだった。
~次の日~
何をしようかと悩むレオ。その時、学校にいるであろうナルから招集がかかった。
何用かと疑問に思うが、とりあえず向かうレオ。
~学校~
「何か用か?」
呼び出した張本人であるナルを見つけ話しかける。
「えっとね、合格者通知が明日じゃない。なんだけど、その合格者の中でもレオが飛びぬけすぎてて、カンニングとかを疑われてるの。」
申し訳なさそうな顔で告げるナル。
「なんだそれは。許せんな。」
憤りを隠せない様子のレオ。
「ごめんね、その…。」
何か言おうとするナルだったが、それをさえぎるレオ。
「ああ、違う違う。ナルの千里眼のカンニング防止効果を疑っている教員にムカついているんだ。」
さらっと、告げるレオ。
「え、あ、ありがとう。…でね、教員の前で解けっていう…、めんどくさいことになってるから、お願いしてもいい?」
面倒なことになったなぁ。と思いつつも、了承するレオ。合格者発表前に、見るから今やれという事だ。ちなみに、実技は何の問題もなく合格という事らしい。だからこそ、筆記試験の結果を気にしているのだろう。
そして、連れられたのが、周りを教員が囲んだ一室。
そして、その中でも、真ん中に座った一人がレオに声をかける。
「君の試験は、我が校でもトップの成績だ。類を見ないくらいにはね。だから、カンニングというありもしない意見が出るのだが…。ともかく、君がもしカンニングをしていないのなら、今ここで見せてほしい。不躾なことだとはわかっているが、その分期待も大きいのだ…。」
申し訳なさそうな顔をする教員。あとから知ったのだが、校長先生らしい。好感が持てる人物だった。しかし、周りの教員の一部は明らかに見下した態度であったり、よろしくない考え方を持っているように思えたので、気にしないことにする。
「いえ、期待しているからこそだ、とお伝えくださりありがとうございます。カンニングの疑惑を払しょくして見せましょう。」
彼の目は、獲物を見つけた獣のような眼をしていた。この状態の彼は、集中力が格段に上がる。今の彼に解けない問題はほんのわずか程度しかないだろう。
そして、試験用紙が配られる。白紙だった。問一の応用だろう。
「試験開始。」
その声を聴いたその瞬間に、魔力をぶつけるレオ。
多くの問題が浮かび上がる…。が、すぐに消えてしまった。
レオは、めんどくさいなと思いつつも、その仕掛けを見抜いていた。まず、文字が浮かんだことから、ミスのある白紙でないのは明らか。そして、すぐ消えたことから、魔力をぶつけた間だけ現れるように調整された魔法がかけられているのだろう。
彼がとった行動は、自分の魔力を操作し、紙にまとわりつかせるように展開することだった。
魔力の定着。これは、非常に難しいといわれる技能なのだが、ナルとの関係…、共同状態にあるレオは、魔力の保有量もさることながら、魔力操作の精密性も上がっているのだった。
そして、文字が常時浮かび上がる。あとは簡単な話だ。
はたから見れば、異常ともいえる速さで問題を解くレオ。
結論として、カンニングの疑いは晴れ、正式にトップの成績。つまり、主席合格者となるのだった。
「見事なものだった。それだけの能力があれば、我が校で学ぶことも少ないだろうが、全力で学んでくれたまえ。」
そう前置きして、校長先生は、もう一つ爆弾を落とす。
「もちろん、新入生のあいさつは君に任せるから、考えておいてくれ。」
確かに、成績が優秀なものに任せるのは道理だとは思うが、一日前にそれを伝えるのはふつうおかしいのではと考えてしまうレオだった。
「謹んでお受けします。」
こう答えるしかないのだが。
さて、明日までに原稿完成させておくか。どんな内容なら、いい雰囲気を作ることができるかなぁといろいろ考えながら、その日は、結局宿に閉じこもってスピーチを考えたという。
いよいよ明日は、合格発表だ。
評価ポイント90…。めちゃくちゃ嬉しいです。ぜひ三桁に乗せてください!(笑)
次回から、学校生活のようなものがスタートすると思いますが、学校編はそんなに長くする予定はありません。




