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出戻り勇者は自重しない~異世界に行ったら帰って来てからが本番だよね~  作者: TB


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第50話 カラーレンジャーズの正体は?【後編】

 JCIA本部には、今回の対処を行うメンバーが集まっていた。


 アメリカから    オズワルト大佐

 イギリス MI6  ゴードン中佐

 フランス DGSE ベッソン中佐

 ドイツ  BND  カール中佐


 そして日本からはJCIAの土方斗真が参加している。


 この諜報連携組織には正式名称は存在しないが、世界の危機に対して各国の歩調を合わす調整を行い表面には決して現れない状態で武力行使を含む対処を行う。


 この会議に今回はロシアからの参加者を迎える事になる。

 対外情報庁SVRに所属する特殊工作員、アナスタシアとイヴァンの二人だ。


 それぞれが現状入手している情報を持ち寄り精査を行い対処を決定する。


 今回のクーデターを黙認しては、ほぼ間違いなく国力の落ち込んだ半島よりも日本を制圧して支配下に置く選択をする事は間違いないであろう。


 日本からしてみれば異なる思想を持つ民族国家を逆に支配下に置く選択は厄介事を抱えるだけなので、あくまでも親日政府の樹立を応援する姿勢は崩せない。


 そのためには今回の左翼寄り勢力が行った行動をテロ行為であり国際社会として容認できないと言う、各国の共通見解を固めた上で出来る事なら正式に左翼政権国家が起こる前に壊滅させる必要があるのだ。


 肝となる部分は未だ正式に命令を下せる立場の政府が存在しないとして独自に静観を決めている半島国家軍部が認める政府の早期成立になる。


 軍部としては、その勢力が民主的であろうが左派勢力であろうが国民の過半数が認めた政府であれば、その支配下に入ると声明を出していた。


 そして、この会議を支配したのはアナスタシアだった。


「我が国は半島国家が民主的な政権を樹立することに対して協力すると約束したね。その約束が一方的に破棄されたことに関して実力行使で約束を破った勢力の排除を行います。これは提案でなく決定です。私がこの席に現れたのは相談でなく報告に来ました。ではここに居る皆さんが私と同じ行動基準で動いてくれる事を期待しておきますわ」


 それだけを喋ってさっさと帰っていった。


「あのイヴァンと言う男は何のために居たんだ?」


 と、オズワルト大佐が呟いたが、そこは触れてはならない部分だと思う。

 この場に集った各国のメンバーも、それぞれの勢力を率いて左派勢力の排除に向けて動く事に方針は決まった。


 オズワルト大佐は左派勢力の制圧後の民主的政府樹立に向けた組織づくりの支援を行うために動くこととなり、その他の国は各国の判断で動く事となった。


 会議が終わった後に斗真さんから連絡があった。


「当面はロシアの行動を静観する事になるけどヤバイと思った時には翔君に頼む事になる。その時はよろしく頼むね」

「解りました。アナスタシアが動くなら少なくとも俺を敵に回す行動は取らないと思いますので状況の変化があったら連絡をお願いします」


 どうなんだろうね? まぁ問答無用で意見の違う勢力を殺してしまう所が政府を樹立するとかは勘弁してほしいからアナスタシアに頑張って貰うしか無いのかな?


 ◇◆◇◆ 


  半島国家での活動を待つ間にホープランドの開発を進めないとね!


 ディーゼル発電機と井戸を汲み上げるポンプも美緒とリンダにより設置され少しずつ生活空間として整いつつある。


 当面は、観光と放牧を中心とした産業を起し、少しずつ自立を目指してもらうけど、バチカンの司教様達も到着し教育も行われ始めた。


 神への祈りを捧げる事で辛かった拉致生活の記憶が薄らぐなら宗教もありなのかな?

 それでも抜け出せなかったつらい気持ちを持つ子達には、闇精霊魔法による記憶操作を行ってもいいんだけどね!


 保護した五十人の住民達にも少しずつ笑顔が戻っている。


 俺はホープランド内では素顔を晒すことは無く常に『COLOR RANGERS』のレッドとして行動している。


 現在の住人だと学校の建物だけでも困らないが、今後どんどん増えるであろう難民の保護を行うために人目の少ない今のうちにプリピャチから体育館の建物と物品倉庫の建物を移設しておいた。


 この後は少しずつ現地の業者によって充実させて行くことになるな。

 上下水道や道路などは意外にお金がかかるが文明的な生活をする為にはインフラ整備は大事だから、ここは思い切ってお金かけなきゃね。


 でも日本で作る場合に比べると随分安上がりな見積もりだったけど、やっぱり人件費が違うんだろう。

 現状ではこの土地がマスコミの目にさらされることも無いけど今後十万人以上の人々が暮らすような土地になって来ても平穏は保たれるのかな?


 でも観光かぁ……サファリだけじゃアフリカ大陸内は何処に行っても野生の王国だし他にも観光資源は必要だよね?


 日本人の俺が思いつく観光資源はやっぱり『温泉』だよな。

 アフリカ大陸内にも幾つか有名な温泉はあるから、しっかりと掘り下げればこの土地にも湧く可能性は高い。


 魔法で掘れば、ボーリング工事代は掛からないけど闇雲に掘ってもしょうが無いし日本の専門メーカーに調査だけ頼もうかな? と思って、美緒に頼んで日本の温泉掘削を専門にしている会社に頼み調査を行ってもらう事にした。


 日本国内ではないので随分と調査費用と時間は掛かってしまうけど、これは必要経費だよね?

 場合によっては俺が作るポーションを溶かし込んだ神の奇跡が起る温泉なんて言う計画もあって良いかも? それくらいのインパクトがあればアフリカ大陸以外の土地からの観光客も呼び込めるはずだぜ。


 ◇◆◇◆ 


 半島国家に潜入したアナスタシアとイヴァンは漸く復興の気配を見せていたソウル近郊の市場で串焼きを頬張りながら情報収集を行っていた。


 未だ満足な電力供給なども行われておらず無政府状態では計画的復興は難しいだろうと思える。


「ナーシャ、いつまでここで屋台飯を食べ続ける気だ?」

「アメリカの用意する新政権の代表がすぐに国会招集を宣言する態勢が整わないうちは、現在の左派を倒しても次々にドンドン怪しい連中が湧き出してくるだけだから、それまでは泳がすしか無いわ」


「だが、相手も馬鹿じゃないからそろそろ俺達の存在も気づかれているだろう?」

「そうね、きっと私達がしくじれば五輪ジャーが出て来るんじゃないの?」


「五輪ジャーか、ブルーは恐らくヤリマンスキーだな」

「あの無駄にでかい一物は迷惑なだけの存在だわ」


「やはりレッドはSYOU MATSUOなのか?」

「現状能力者の、ヤリマンスキーを従えるだけの実力を持つ可能性のある存在、逆に翔以外だと怖いわね」


「だが翔は気づいているのか? ヤリマンスキーの正体は」

「私達から教える必要はないわ」


「アフリカの担当者からの話だと、コンゴの要監視組織が壊滅させられたが五輪ジャーらしき集団の仕業らしいな人数が増えてたみたいだが」

「そうね、私もスカウトしてもらえないかな?」


「ナーシャ……あの格好は平気なのか? 俺は無理だ」

「わが弟ながら情けないわね。世界を救うヒーローが私の夢よ! 格好くらいは我慢しなさいよね」


「顔が見えないのだけが救いだな」

「拉致された学生たちの姿は何処に消えたのかが気になるけどプリピャチの件で翔が問い合わせてきた件に関係がありそうね」


 ◇◆◇◆ 


 その後三日をかけ漸くアメリカの主導による半島国家の新体制を導くメンバーが選ばれた。


 再度の襲撃を防ぐ為に選定されたメンバーは半島国家沖合に派遣された第七艦隊に保護された。


 緊張が高まる中アナスタシアは特殊部隊を率いてテロリストとしての左派勢力の殲滅作戦を決行した。


 ◇◆◇◆ 


「イヴァン済まない、私はもうダメだ。生き延びて翔に連絡をつけてくれ」


 予想外に強固な罠を張り巡らされ、突入したSVRのスペツナズ部隊は旧半島国家の開発した化学兵器により壊滅状態となっていた。

 後方で全体指揮を行っていたイヴァン以外の全員がサリンによる症状を出している。


 呼吸を抑制しても皮膚から吸収してしまうために、この状態での生還は厳しいと判断せざるを得ない。


「クソッ、姉貴、必ず仇は取る」


 作戦を失敗して全滅するのは全て自己責任だ。

 ここで一緒に死んでも何の足しにもならないと冷静に判断したイヴァンは脱出に全てを掛ける事にした。


「イヴァン、お前アナスタシアの弟だったのか?」


 極々通常運転の声色で五輪ジャーレッドが現れた。


「SYOUか、すまんしくじった。ナーシャを、姉貴を助けてくれ」

「意外に喋るんだな……SYOUって呼ぶな、約束できるなら助けてやる」


 すでに結界に包まれた他の七人によりスペツナズのメンバーは全員運び出されていた。

「あーもう呼吸が怪しいな後遺症が残ったら運が悪かったと思って諦めろ」


 そう言いながら回復魔法のキュアポイズンを掛け、更にエクスヒールを重ねがけした。

 スペツナズのメンバーの顔色はみるみる回復して行く。


 意識を取り戻したアナスタシアが「あら? 助かっちゃったようね『シス』悪いけど私は今後翔に従う事にしたわ」


「ナーシャ、いきなり何言ってんだよ、さっき私からは何も言わないとか言ってたじゃないか」

 とイヴァンに突っ込まれると「だって私さっきほとんど死んじゃってたじゃん、今の私は二人目だから別の生き方でいいの」


「なんか、勝手に盛り上がってるとこ悪いけど、シスってヤリマンスキーか?」

「あー今更隠してもしょうが無い、俺だよ」


「やっぱ伝説は本当だったのか……」

「なんだ伝説って?」


「ラスプーチン、ググったらやたら巨根だの後家殺しだのの文章しか無かったからな。もしかしたら本人かもなって思ってた」


 そんな会話をしてると、リンダに思いっきり「何でこの状況でそんな緊張感のない会話を繰り広げてんのよ? さっさと片付けようよ」と突っ込まれた。


「あーそうだな、ブルー、こいつらに最後まで任務達成させてやってくれ、補助だけ掛けてやるから」


 俺は身体強化と結界を張ってやり、ヤリマンスキーに転移でスペツナズのメンバーを連れて行かせる事にした。


 アナスタシアが同じミスを繰り返すはずもなく三十分程度で制圧して戻って来た。


「ブルー、これからどうするんだ?」

「何がだ? この間言ったじゃないか、俺はイルアーダへ戻りたい、そのためにお前にひっついてる」


「そうか、でも教えろ百五十年どうやってその若さを保ってる?」

「気づかないか?」


 と言って、髪をかきあげたヤリマンスキーの耳は、尖っていた。


「お前エルフか?」

「ハーフだがな、見た目がオヤジに似てしまったが母親がエルフだ。折角向こうの世界へ戻ったと思ったら魔王にあっさり殺されて、またこっちに来ちまって困ってた」


「しかし、魔王を召喚したりこの世界に魔物が出現するようなホールを繋げた存在は誰なんだ?」

「それは俺にも解らんな、そこの魔王のほうが知ってるんじゃないのか?」


 俺達が香奈を見ると舌をペロッと出して笑ってた。

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