5.短剣と姉妹
今日は早めに更新できました!!
ダイア・ウルフの牙と肉を剥ぎ取っているリョータは、おかしい事に気がついた。
それは、肉に毒が回っていないということだ。
「ミヅキの短剣に毒は付与されてんだよな?」
「あぁ。どうやら攻撃を当てる瞬間に自動付与されるみたいだしな」
「なら、なんで肉に毒が回ってないんだ?」
「リョータが無意識で毒も焼き尽くしたんじゃないか?」
「いや、俺は『死ね』としか思ってないぞ?」
「なら、ダイア・ウルフ自体が燃えてないのは?」
「素材が有効活用できるのを知ってたからだろーな」
「なら、毒もついでじゃないか?」
「それはないだろ。毒のことは頭になかったしな……」
「あと考えられるのは、この短剣か」
リョータはアレを使うことにした。
──龍鱗の毒剣───────────────
状態異状・毒を付与
攻撃を当てる瞬間に毒を自動で流す
魔人 蠍人の毒を使用
毒を受けた相手は耐性がない限り最大、HPの四割を削る
その後、毒は消える
『覚醒あり』
──────────────────────
「毒が消えたのは短剣の効果らしいな」
「そうか。さすがお袋だな」
「それよりも気になることがある」
「なんだ?」
「その短剣に覚醒ってのあるんだが、何かわかるか?」
「覚醒なんて聞いたことないな」
「ミヅキでも分からないか」
「後で高レベル冒険者にでも聞いてみようぜ」
「だな」
2人は日が暮れるまでに距離を稼ぐために再び歩き出した。
1時間後────
2人は近くにあった川辺で一晩を過ごすことにした。
「先に飯にしよーぜ」
「そうだな。ランニングやら戦闘やらで疲れたしな」
そう言って火を起こすための枝を集めた。
火は思ったよりも簡単についた。
「よし、今日はダイア・ウルフのステーキだ!」
「そういえば、いまさらなんだが、お前のバックのどこに物が入ってんだ?」
リョータの疑問はもっともだった。
なぜなら、素材やら自分の荷物が入っているはずのバックがあまりにも小さすぎるからだ。
「あぁ、コレか?てか、冒険者に憧れてたのにコレも知らねぇーのか?」
「いや、全くわからん」
「まぁ、それがリョータか……コレは無限収納鞄って言って空間魔法を応用して作られた無限に収納出来る優秀な鞄だ。」
「そんなのがあるのか……」
「必需品だから、稼いだらリョータのも買おうぜ」
「そうだな」
そこで、リョータが『しまった!』とばかりに大声で叫んだ。
「フライパン持ってくればよかった〜!!」
「それが、持ってきてるんだな〜」
ミヅキは誇らしげに胸を張った。
そして、次の瞬間には様々な物をリョータの前に並べた。
ソールト・コーション・醤油・ドレッシング 計4種…………フライパン・包丁などだ。
「おいおい、絶対旅の持ち物じゃないだろ」
「いや、『腹が減っては戦闘できず』って誰かも言ってただろ?」
「あー、はいはい」
リョータが呆れてる間にミヅキは調理に入っていた。
フライパンでダイア・ウルフの肉を焼きソールトとコーションを振った。
焼き方はウェルダンだ。
「いや〜コレ美味いな!!」
「確かに、モンスターの肉とは思えないな」
「だけど、ライスが欲しくなるな」
「あ、リョータ!!そういえば、リョータの母さんのおにぎり食ってないじゃん!!」
「そういえば、そうだな!よし、食うか」
リョータは鞄からおにぎりを出した。
「ヤバイ……これは、美味すぎる………」
「だな………」
それから2人は無言で肉とおにぎりを食べた。
食べ終わるとミヅキがある気配に気が付きた。
「なんか来るぞ。そんな強い訳では無いな」
「よし、出てきたら仕掛けるぞ」
「おう」
ガサガサ────
黒い影が2つ茂みから出てきた。
その影にリョータとミヅキは飛びかかった。
「え?」
「え?」
出てきたのはリョータ達と同い年くらいの女の子2人だった。
「「キャーーーーーーー」」
リョータとミヅキは、首元で寸止めをしたものの女の子2人は完全に怖がってしまった。
そして、二人は気絶してしまった。
「お、おい。どうする?」
「起きるのを待って謝るしかないだろ」
5分後────
「う、う〜ん」
「や、やぁ、おはよう」
「え?キャ、キャ………」
叫ばれそうになったので、リョータは口を抑えた。
「ま、待ってくれ、殺しはしない。それに、叫ばれるとモンスターが集まってくるかもしれない」
少女はコクコクと頷いた。
「ぷはぁ!っで、あなた達は誰なの?」
「俺はリョータでこっちがミヅキ。セントラルに向かってる冒険者(予定)だ」
「そう、私はルリ。で、こっちの気絶してるのが妹のルルよ」
「さっきはすまなかったな。モンスターだと思ったとはいえ刃を向けてしまった」
「仕方ないわよ。先に声を掛けなかった私たちのミスでもあるしね」
「それで、どうしてここに?格好的に冒険者ではないだろう?」
ミヅキのいろいろな質問にルルは丁寧に答えてくれた。
途中ルルが起きたが、ルリのおかげでなんとか誤解は溶けた。
話をまとめるとこうらしい
・2人はセントラルで母と一緒に酒場兼旅館を経営している
・ジェイクピアスにおつかいに行って、帰る途中に馬車に置いてかれてしまった
・林を彷徨っていたところ、焚き火が見えたので見にきた
「まぁなんというか、災難だな」
「良かったら、セントラルまで一緒に行ってもいい?」
「もちろん。もともとそのつもりだよ」
「リョータは女子に対して優しいからね。好きなのは男子かもしれないけど……」
「冗談はよせよ」
そう言ってミヅキの脇腹を肘で小突いた。
それから、2人は飯を食べていないというのでミヅキがダイア・ウルフの肉を振舞った。
もちろん評判は良かった。
2人が食べ終わると男女交代でドラム缶お風呂を作り入った。
その後は、寝ることになった。
ルリ&ルルは寝袋を持っていなかったが、寝袋は予備に四つ持ってきていたのでなんとかなった。
見張りは、リョータとミヅキとルリ&ルルの交代制にした。
リョータは程なくして見張りが終わり、ミヅキと交代して眠りについた。
少し文字数が伸びたか……な?
早く、文字数増やしたいです!!
↑↑
最近こればっか………
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