8エロ辺境伯
その後は客間に案内されて休んだ。
ヴィクトリアンがお茶を持ってきてくれてやっと一息ついたところにロナウドがやって来た。
「お嬢様、お話がございます」
「なんでしょう」
「この度の縁談は王命です。どうか3か月と言わずなるべく早く婚姻を上げて書類を王家に届け出た方がよろしいかと。旦那様があのような態度で申し訳ありませんが婚姻を避けることはできないかと‥」
ああ、私が結婚が嫌になったって思ったのね。
「ええ、もちろん。それはわかっています。婚姻はします。でも、あの方の言いなりになると言うわけではありませんでしょう?」
「ええ、それはもう。あのような態度を取られればどんな方でも‥旦那様も悪い人ではないのですが奥様や跡取りを失くされて以来外部から入って来られる方にはかなり冷たい態度を取られて‥ですが私は新たに奥様が出来ればきっと旦那様も変わるのではないかと期待もしているのです。ですからどうか」
「まあ、不幸が重なって気持ちがすさむのはよくある事です。が、あのような態度。辺境を預かる領主とは思えませんわ。ですから、あの方の態度次第でこちらも出方を考えるつもりです」
「わかりました。どうかよろしくお願いします」
ロナウドは恭しく頭を下げると部屋を出て行った。
夕食は食堂に招かれて仕方なくあの男と一緒の空間に。
テーブルの上にはそれぞれの皿に豪快にチキンの足がデーンと置かれている。
ルーカスは一応きちんとした身なりだがナプキンを首元にかけてこれまた豪快にワインを飲んでいた。
「来たか。どうだ?王都ではちまちました肉をおちょぼ口でシレッと食べるんだろうがここではそんなのは無用だ。この足にがぶっと食いつくのが一番うまい食べ方だ。ほら、お前もやって見ろ!」
胃がキュッと引くつく。確かに前世では鳥足にかぶりついていた。確かにフォークでつつくよりはるかにおいしいだろう。
私は向かいの席に座ると皿の鳥足を掴みかぶりついた。
じゅわっと広がる肉汁。ハーブと香辛料を聞かせた肉片が噛むたびに鼻腔をくすぐり脳に美味しいと言うサインを発信する。
これってケン○○キー並みのおいしさ。
「おいしぃ~」
おっと、肉汁が口からこぼれそうになり急いでナプキンで口元を拭う。
淑女のマナーとは思えない所作だ。
どう参った?
ルーカスはククッと笑い「うまいか?だろ?わしはお前が気に入った。よし決めた。今夜お前の部屋に行く。いいな」
あれ?おかしなスイッチ入れた?
「はい?お断りします。そんなつもりはないと言ったはずです!」
私は持っていたチキンを皿に戻すとフォークと握り優雅な所作で夕食を食べ始めた。
「そんな事をしてももうお前の本性は見抜いた。今さらそんな事をしてどうする?遠慮はいらん。ここでは思う存分お前をさらけ出せばいいだろう。わしはそう言う女は好きだぞ」
出迎えの時とはまるで違う顔つきで私を見据えるルーカスに違う意味でたじろぐ。
いやいや。
「嫌いでいいです。私はあなたに好かれようなんて思っていませんので」
プイと顔を背けてはっきりと意思表示をする。あからさまな感情表現などこの世界ではありえないことだから。
「ガハハハッ。ますます好きになった」
えっ?逆効果?
「おい、ジュリアーナだったか。お前だって結婚してたんだ。あっちの快楽を知ってるんだろう?いや、まじでわしは久しぶりに滾って来た。あの手この手で満足させてやるぞ。なっ、今夜は楽しみに待っていろ」
「いえ、本当に結構です。って言うかまだ結婚してませんよね?」
「書類にサインすれば婚姻は整う。おい、ロナウド婚姻届けを持って来い!すぐにサインをする。これで文句はないはずだ」
もう、何?この展開。
「言いましたよね?私はあなたと閨を共にしないって。聞いてます?それともお年で耳が遠くなったのかしら?!」
何とかそんな事にならないようにと言い返すが。
「結婚したらそんな事理由にならん。いやぁ、ますます今夜が楽しみだ。嫌がるジュリアーナとわしのものにするのもいいな」
ちょ!何勝手な事を言ってるのよ!誰があんたなんかと。
その後も絶対に嫌だと言うがルーカスの耳にはそれは逆効果だった。
食堂を出る時にはルーカスが後ろから抱きついて来た。
「ヒェッ!何するんです!!」
すっと伸びた手が胸の膨らみを下から包み込んだ。
「ジュリアーナ、お前いいもの持ってるじゃないか。こりゃ、楽しみだ」
「このスケベじじぃ!」
私は彼の頬をバチンと引っぱたいた。
その手をぎゅっと握られ手の甲をべろりと舐められた。
「ぎぎゃぁぁぁぁ~!くそじじい。放してよ」
「後でな」
そっと手の甲に口づけを落とされた。
私は逃げるように部屋に帰った。




