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ワケあって、異世界審査通っちゃいました  作者: 蜂月 皐
第5章「立ち上がる者達」
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第55話 「裏・新吉原『竜宮新城』」

鈴空が、国民達に内緒で造っているもの、それは、世の男達の楽園だった


シューレは、僕に言われた通り、ポルタ―ド専用のスキル分岐器を一台用意して、例の古びた小屋に運んでおいてくれていた。


「計画は予定通りか?」

「へい。全て王様のご希望通りに造らせていただきました。明日にでも営業を開始できる状態です」

「そうか!良くやってくれた!大儀すぎるぞー!」


僕の夢の一端への扉が今開かれようとしている。今回、僕が有志を集め、造ったもの。それは、


『竜宮新城』


つまり、色街だ。


「では、諸君!早速行ってみようか」


竜宮新城は、新吉原の裏の顔として、地上には造らなかった。竜宮新城があるのは、地下だ。地下都市として、竜宮新城は誕生したのだ。主である僕はもちろん、有志の面々は、特別ルートから入国できるが、一般人の入国はそうはいかない。入国するためには、地下鉄を利用し、入国税を払ってもらわないと入れないシステムだ。地下鉄に乗るためには、ゴルゴーン国にある『竜宮酒場』という僕の有志が経営する酒場に行き、その店の裏手にある小さな駅から乗車する手段しかない。


今回は、オープン前のプレオープンとして、僕達有志12人が行くことになっている。


「ところで、女の子たちは集まったのか?」

「へい。大勢の姫達の応募があり、選抜するのに苦労しましたよ。なんたって待遇が良いですから、競争率が高いのなんのって」


そう。この竜宮新城では、働いてくれる女のコ達を『姫』と呼ぶ決まりになっている。そして、姫は、僕達のような漢達を癒してくれる天使達だ。しかもケモ耳限定の。彼女達がいなければ、この計画は成功しない。だから、竜宮新城入国時点での、序列はこうなる。1位:新吉原国王、2位:姫、3位:有志達、4位一般人。詰まるところ、なにを言いたいのかというと、この竜宮新城は、『裏・新吉原』として、新たな国として、建国したのだ。僕は、地上だけでなく、地下をも支配下に置くのだ。


「国王様、VIPの入り口はこちらになります」


有志達は、僕を竜宮新城の入り口へ案内した。そこは、例の池だった。


「ここにシューレさんから頂いた、ポルタ―ド専用のスキル分岐器を設置しました」


ポルタ―ド専用のスキル分岐器は、場所と場所を繋ぐ都合上、一対で1台になっている。しかも、僕と有志達専用に改造してもらった。他の者は使用できない。そして、地下への入り口、即ち、竜宮新城への扉は、池の底にある。これも、場所が特定されないための策である。


「よし。コレを使えば、VIP入り口からの入国ができるわけだな」

「はい。ですが、VIP専用の入り口は都合上、池の底。大事な御身が水に濡れでもしたら大変です。ですので、ポルタ―ド先は、竜宮新城VIP専用扉の内側となっておりやす。池の底に設置した扉はあくまで、ダミー。水圧の関係もあり開きやせん。雰囲気を出すための物とお考えくだせぇ」


こうゆうVIP待遇って憧れる。やってみたかったんだ。


「じゃ、皆、行くぞ」

「へい!」


僕達は、スキル分岐器に設置された魔法石に触れ、扉の内側へと移動した。


到着すると、出迎えに、ケモ耳少女が1人、立っていた。


「ようこそ竜宮新城へ。お待ちしておりましたニャ」


最高のおもてなしよのぉ。


「うむ。今日はよろしく頼むぞ。ところで、お前、名は?」

「はい。私は、リンと言いますニャ」


猫耳少女のリン。良いな。


「では、竜宮新城の国内へ案内致しますニャ」


僕達は、リンに先導され、竜宮新城の中心街へ来た。


「こちらの吉原大門をくぐると、『花茶屋街(はなじゃやがい)』になりますニャ」


大きな門をくぐると、そこは、煌びやかな装飾が目を引く、豪華絢爛な店が乱立していた。道の両脇には、火の灯された提灯が、途切れることなく飾られ、太陽が差し込まない、地下ならではの雰囲気をかもし出していた。


「す、凄い出来栄えじゃないか!ここに足を踏み入れただけで心が躍る」

「ありがとうございますニャ。ここには、鈴空様から仰せつかった多種多様なお店があります。ご希望のお店のジャンルはありますかニャ?」

「そうだな。ほぼ全ての店を周りたい気分だよ」

「それは、さすがに一日じゃ、時間が足りなすぎますニャ」


僕達は、リンのお勧めの店を何店舗か回った。


「うん。良い。最高の気分だ。酒も肴も美味い。ケモ耳っコ達のレベルも申し分ない。接客も良い」

「王様。今日は、このあと………(ごにょごにょごにょ)」

「おぉ!!それは外せないな!」



僕達は、こうして、竜宮新城を朝まで堪能した。やっぱり、息抜きという意味でもこうゆうのがないと世界征服なんてやっていけないよなぁ。最悪、地上が僕の物に出来なかったら、この地下都市で生きていくことにしよう。むしろ、こっちが本命でも良いくらいだ。


「いやー、楽しかったなぁシューレ」

「そ、そうだね。たまには、こうゆうのも良いもんだね」

「おう。しかし、これで、俺の必要とするものは、ほぼ全て揃った」

「そろそろ、やるの?」

「あぁ。いつまでものんびりと構えてられるほど、この世界は甘くないし、早くリアの眼も直してやらないといけない」


国土の増大、国民の増加、国内の産業・経済の発展、軍事力の強化、資金調達。全てが、揃った。やっと、万全の状態で、事に当たることができる段階に来た。敵は強い。未知の敵もいるだろう。国同士の戦争も起こりえる。僕の野望を成熟させるためには、まだまだ越えなければならない壁が多い。


だが、地盤は整った。



読んでいただきありがとうございました^^

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