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ワケあって、異世界審査通っちゃいました  作者: 蜂月 皐
第5章「立ち上がる者達」
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第53話 「ステーノの実力」

新吉原の軍事力強化に乗り出した鈴空。

合流した、ステーノ達の部隊と合同合宿に入るのだが………

「龍じい、始めてくれ」

「それでは、これから、国王直属の部隊の合同強化合宿を始める!でおじゃる」

うんうん。合宿ね。良い良い。合宿って聞くと心が躍る。しかも、僕とカイザと龍じい以外は、皆、女子!ハーレム状態だ!


「の、前に、国王直属部隊という呼称では、締まりがないでおじゃる。そこで、鈴空に国王として、部隊名を決めてもらうでおじゃる」


え?急!突然、そんなこと言われても。うーん………


「そ、そうだな………。カイザ達の部隊は『月華』、ステーノ達の部隊は『陽炎』でどうだ?」

ちょっと、カッコつけすぎたか?


「意味はわかりませんが、カッコいいっス!」

カイザが眼を輝かせて反応した。


「んー、いいんじゃないぃぃ」

ステーノは相変わらず、眠たそうだ。


「では、月華、陽炎の諸君!始めるでおじゃる!」


そして、龍じいの厳しい指導が始まった。



「やっと休憩か。龍じいのやつ飛ばしすぎじゃないか?」

「きっと、これでも足りないくらいじゃろう。身を持って、鬼神修羅の力を体験した龍じいが一番わかっているはずじゃ」


紗月と楽しくおしゃべりをしていると、メデューが傍に寄ってきた。


「ちょっと………。私は、どっちの部隊に入ればいいのよ?」

メデューに役割を与えることをすっかり忘れていた。リュアレにも一応、頼まれているしな。


「メデュー。お前はどちらの部隊に入りたい?」


面倒だから、本人の意見を尊重しよう。どうせ、僕の提案には、ブーブー文句をつけてくるだろうしな。


「じゃあ、月華」

「え?」


メデューは、僕の予想外の返答をしてきた。てっきり、元ゴルゴーン国の出身だからとか、ステーノと一緒が良いとか言って、陽炎を選択すると思ったんだが………。


「なによ?ダメなの?」

「い、いや、メデューがそれで良いなら月華に入ってもらって構わない」

「全く、あんたは男なんだから、はっきりと言いなさいよね!」


自分で選ばせても、文句は言うのか。


「龍じい!メデューは月華に入る。面倒見てやってくれ」

「よかろう。蛇の娘よ。わしは厳しいでおじゃるよ」

「望むところよ!ベーッだ」


ったく、あいつは減らず口だな。ところで、陽炎のほうはどうだろう?

「ん?」


あそこで鼻提灯膨らませているのは、まさか………。


「ステーノ。お前は、ここで何をしている?」

「今日は、天気が良いからお昼寝だよぉぉ。鈴空様も一緒にどぉぉ?」


こいつ、本当に良く寝るな。これが、本当にリュアレやメデューより強いのか?疑わしさ満点だな。


「なぁ、ステーノ。お前本当に強いのか?」

「んー?どうだろうぉぉ。やる気次第かなぁぁ」

やる気ね………。ちょっとこの辺で、僕が一発ヤキ入れといてやるか!


「ステーノ!お前の強さを見たい。俺と戦え」

「えぇ、面倒くさいなぁぁぁ」


どこまでも怠け者だな。でも、実質、あの二つ蛇頭の次に強いと言われているからには、相当な実力があるのは確かだろう。


「ステーノ!戦ってあげなさい!あんたの強さを知れば、こいつも納得するでしょ」


どうゆう風の吹きまわしか、メデューが僕側についた。


「ま、あんたじゃ、ステーノには敵わないだろうけどね」


そうゆうことね。どうしても僕を(さげす)みたいと。いいでしょう!僕も漢だ!


「ステーノ、行くぞ!構えろ!」

「ふあぁぁ。全く、しょうがないなぁ。怪我しても文句言わないでよぉぉ」


先手必勝!僕は、眠たそうに構えているステーノに向かって切りかかった!


魔法『アース・ラール』

ステーノは、土魔法を唱えた。地面が揺れる。足場が奪われる。

だが、


「その魔法は、以前の戦闘の時に見たよ。対処できる。あんまり、俺をなめるな」


花龍式『唐花』


僕は、ステーノの魔法で揺れ動く、地面に向かって剣技を放つ。魔法が付与されていない紗月は、錆びたままだが、ステーノの土魔法を防ぐのには、十分だった。土魔法の効果が切れたのを確認し、僕は再度切りかかる。


魔法『融合・ミストイードル』


ステーノが再度魔法を詠唱した。次の瞬間、僕は、嵐で身動きが取れなくなった。強風で動きが鈍り、打ち付ける水しぶきは視界を奪う。


魔法『融合・アース・ミスト』


ステーノは続けざまに、もう1つ魔法をかぶせてきた。今度は、砂嵐。僕は、身動きだけでなく、口の中に入り込んだ砂で、満足に息もできなくなった。


スキル『ガイアドー

「ステーノ!そこまでよッ!もう止めなさい!」


ステーノが、トドメとばかりに、スキルを発動させようとした瞬間!メデューが止めに入った。


「ゴホッ、ゴホッ」


僕は、その場に膝を付き、口に入ってきた土を吐き出しながらムセかえっていた。


「折角、もう少しで決着がついたのにぃ。あー、もういいやぁ。ふぁぁぁ、寝よぉぉ」

ステーノは、止めを刺しきれなかったことに不満を漏らしつつ、また横になり、夢の中へと戻って行った。


「鈴空。あんた大丈夫?私が止めなきゃ、あんた死んでたわよ………」


メデューが、僕の元へ駆け寄り、言葉を投げかけた。


「あぁ。ありがとう。ゴホッ」

まだ、口の中がじゃりじゃりする。髪はボサボサになり、服はびしょ濡れだ。


「ふむ。ステーノか。あやつ強いでおじゃるな。しかも、最後に使おうとした、あのスキル。どんな技かは見れんかったが、嫌な感じがしたでおじゃる」


龍じいは、ステーノの強さを認めていた。だが、身を持ってその強さを体験した僕は尚更だった。


「怠け者でも、実力は本物だな」

今の僕じゃ、とても敵いそうにない。


「メデュー。最後にステーノが使おうとしていたスキル。あれは? 」

「あれは、『ガイアドーム』。球体の中に敵を閉じ込め、融合した全属性魔法を放つ。魔法融合も強いけど、あのスキルがあるから、ステーノは、ゴルゴーン国で3本の指に入る武力を誇れたのよ」


魔法が融合して使えること自体、始めて知った僕には、途方もない技のように思え、同時に身震いした。

読んでいただきありがとうございました!

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