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瞑想世界57
すきっ腹を満たしてから再戦と行こうと、僕は言った。
海浜公園に隣接している喫茶店に入り、僕と田村はミーティングをする。
田村が言った。
「混沌とした瞑想世界の中で、とにかく全員救出を目指せば、お前の実存としての石ころは蹴られずに済むと思うんだ」
僕は田村に尋ね返した。
「失敗したら?」
田村が簡単に答えた。
「全員絶対の死を迎え、存在自体が消え失せる」
僕はコーヒーを慈しむように飲んでから、言った。
「負けられない闘いだな?」
「そうだ。しかしコーヒー飲んだら、腹が減って来たな。これも生きている証拠か?」
僕は苦笑いを浮かべてから答えた。
「そうだな。すきっ腹を満たしてから、再戦と行くか?」
田村が頷き言った。
「そうしよう」




