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瞑想世界111

村瀬がお母さんと、叫んだ。

成美ちゃんの金切り声が耳をつんざく。





田村が言った。





「成美ちゃんだ。追え!」





村瀬に対する殺意を持て余しつつ、僕は頷き、田村と共に迷路を走り出した。





成美ちゃんに追いつき、肩に手をかけようとしたその時、僕は足を踏み外し、転倒した。




天と地がひっくり返る。




地面に叩き付けられた瞬間、僕は零式戦闘機の操縦桿となった。





戦闘服を着て操縦しているのは村瀬だ。





神風特攻隊。





敵の対空砲火が翼に命中した。





機体が激しくぶれるのを、村瀬が歯を食いしばって修正する。





操縦桿たる僕は村瀬を励ます。




「村瀬、俺と一緒に生還しよう!」





村瀬が僕たる操縦桿を叩き喚いた。





「畜生、これじゃ突っ込めない。鬼畜米英め、皆殺しだ!」





爆音の中から田村が声をかけて来た。





「空母に突っ込むのだ!」





僕は訝り、田村に向かって叫んだ。





「それでは死人が出るぞ!」





爆音たる田村が怒鳴った。





「やられる前にやるんだ!」





田村の殺意がヒロポンとなり、村瀬が操縦桿を持ち直し、腕に注射器を打ち込み、士気を鼓舞する。






僕は田村に抗議する。





「村瀬を殺す気か?!」





田村が喚く。





「やられる前にやるんだ!」





村瀬が爆音たる田村の声に、トリップしながら頷き、空母目掛けて操縦桿を切った。





対空砲火が雨霰のように銃弾幕を作って行く。





その中の一発の対空砲火が命中して、村瀬は口から血を流し冷笑しながら叫んだ。





「お母さん!」





その声を聞いた直後、田村たる村瀬の冷笑が聞こえ、爆音が止んだ。

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