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瞑想世界110
原爆ドームの中で僕は泣く。
原爆ドームの中。
首相の顔になった村瀬が哀悼を捧げている。
太平洋戦争の記憶の風化は進んでおり、泣く者はいない。
村瀬の首相に僕は訴えかける。
「村瀬、目を覚ませ。村瀬、俺と一緒に生還しよう」
僕の声は一人泣く、歳老いた老人の泣き声となり会場を満たしている。
「村瀬、帰ろう?」
村瀬たる首相が冷笑しながら、哀悼の辞を述べ立てる。
「二度とこのような過ちは冒しません。世界の恒久的平和を望んで止みません」
村瀬たる首相の冷笑に気がついている者はいない。
僕だけだ。
僕は泣く。
「村瀬、生還しよう。村瀬、生還しよう。村瀬」




