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瞑想世界109
僕はアインシュタインとなり、嘆息した。
目がくらみ、僕は方程式の中で目を覚ました。
アインシュタインの部屋。
僕は難解な方程式の中をさ迷いながら論争相手であるボーアに言う。
「物理は決定論だぞ。こんな曖昧な現象あるわけが無い」
ボーアが答える。
「しっかりしろ。カオスの坩堝に飲まれるな!」
僕は田村助けてくれと言うつもりが、ボーアに喧嘩を吹っかける。
「複数としての単数量子論など、わしは認めないぞ。科学は万能なのだ。その科学の万能性を脅かす単数としての複数理論など断じて認められない。そうだろう?!」
田村たるボーアが答えた。
「あなたの相対性理論は人類に破滅をもたらした。それに比べれば、俺が、カオスの、坩堝に騙されるな。しっかりしろ。しっかりしろ。量子論こそ科学の万能性を宣言する科学の中の科、おい、意思の力を信じるんだ!」
アインシュタインの僕はピカドンという音が目の前の机の上で鳴るのを聞いた後。
全てが真っ白となり、量子論の波が壁に黒く映り、嘆息した魂となった。




