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ある日、一通のメールが届いた。
「とうとう私が求めていたものが手に入った」
内容はただのこれだけではあるものの、私には彼女が私を呼んでいることがわかった。
メールの主と私は高校生時代からの付き合いがある。付き合い始めから現在に至るまでの間、このような一文のメールで私を呼び出すのが彼女であった。
彼女は芸術家として生活しているのだが、自身の作品に対して意見を私に求めてくる。なぜわざわざ私なのか不思議だったので聞いてみると、私が少しだけではあるが美術に触れていたという部分が彼女の求める「外部からの目」に合うのだという。ただ、私は彼女が人付き合いが苦手なのを知っているので、私以外に頼む相手もいないのだろうと考えている。
ただ、私もその役目に関しては不快感を持っていないので快く受けている。
そして今回のメールもいつものように自身の作品を見て欲しいというものだろう。そう思い、私は彼女のアトリエへと足を運んだ。
彼女のアトリエの前に着くと、何か不思議な感覚に包まれた。明言することはできないものの、何か私自身を包むような何かを感じた。
その空気に惚けていると、ガチャリ、と扉が開いた。扉の先にはいつも通りの彼女が姿を現した。
「あれ、いるじゃないか。何をしているんだい?早く入ってきな。」
そういい、彼女は扉を開けたままアトリエの奥へと入っていく。
彼女は普通を装ってはいるものの、少し浮ついていることを隠せてはいない。
私は彼女に促されるまま、アトリエの中へと入っていった。




