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 私は偉大になる人間である。


 きっと子供の頃には誰もがこんなことを考えていたことであろう。誰もが一等輝くスーパースターになることを疑いはしなかった。

 しかし大人になるにつれ、現実が眼前を曇らせ、夢やらなにやらを煙に撒く。偉大になるはずの私はどこへ行った。目の前から消えられては困る。私は煙を掻き分け続けた。

 そして、今も尚煙の海でもがき続けている。これは煙の中で泳いでいるのか?それとも溺れぬよう必死に手足をバタバタと激しく動かしているだけか?それとももう溺れていて苦しみにもがいているだけか?

 誰か教えてくれ。誰かこの目の前のモヤから見えるシルエットは何でもないのだと教えてくれ。私はいつまでもがけばいい?


 いや、もがかなくては。目の前には膳が置かれている。煙の中で光っている。据え膳食わぬは男の恥。その膳、毒であっても皿まで食らう。これらは現代にいたるまで残された言葉である。かつての偉人が言っているのだ。それをこなさずして何を偉大を目指そうか。その足止めることなかれ。いつしか辿り着いてみせる。

 揺らいではならない。揺らいではならぬのだ。

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