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第9話 幽霊の恐怖の先に

『見つけた』


はっきりと聞こえた。足音の主はこっちのことに気づいただろう。先程までのフラフラとゆっくりと歩く足音から、標的を見つけたようなはっきりとまっすぐ目的地に向かってくる足音に変わっていた。

バレてしまったならゆっくりと行く意味はない。みんなで走って階段を目指した。

足音の主もこちらが走ったのに気づいたのか走り出したようだった。


渡辺先生「みんな急いで!」


渡辺先生はみんなの真ん中ぐらいのところを走り誰も転ばないか注意しているようだった。

大誠はなにか思いついたように走りながらカバンを開け、袋を取り出した。パット見でもわかった。塩だ。

足音のする方向に一掴み思いっきりぶん投げていた。


すると後ろから少しだけ苦しそうな声が聞こえたがすぐに声のトーンが苦しみから怒りへと変わった。


『クソガキガァァァァァァ!!殺してやる!道連れにしてやる!』


完全に怒らせたらしい走るスピードが早まっている。普通に人が素足でガラスの上を走る速度ではない。途中でエレベーターが見えたがやはり動きそうな感じではなかった。

その時、綾香さんが転んでしまった。幸い顔からではなかったがさっきのようにガラスの破片が落ちていたら大怪我だ。

渡辺先生が急いで綾香さんのところに行こうとしたがあと一歩のところで足音の主が追いついてきてしまった。


その格好、姿は異様だった。

長いボサボサのロングヘア。 完全に開き切り血走った目。ところどころ血がついた素足。そして赤色の…いや…本来は白だったのだろうところどころ白が残っているワンピースを着ていた。

しかももう綾香さんのすぐそばまで近づいていた。渡辺先生は助けに行こうとしていたが予想以上の化物の出現に動けないようだ。


綾香さん自身もコケた時にできた傷の痛みで立てないようだった。


しかし…… 綾香さんを見た途端幽霊はピタリと止まった。…。いや 今度は逆に震えて怯えている。


『なにを……持っているの………そんなものを……………持って……』


怯えている……完全に襲う気をなくしているようだ。 その隙を逃さず渡辺先生は綾香さんを抱えてこっちに走ってきた。

先に行っていた大誠が大声で叫んだ。


大誠「こっちは階段についた!先生たちも早く!」


幽霊は震えこちらに来る様子は一切なかった。未だに怯えた目でこちらを見ている。僕達は走って階段まで行き階段を駆け下りた。

1階に突き入ってきたドアから出たら夕方の4時だった。


幽霊は出てくる気配がなく振り返ってもそこには何もおらず廃墟となったホテルが

静かに鎮座しているだけだった…………。


To be continue……

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