#63 予選閉幕
Cブロックも終了となり、観戦会場からは続々と場外へ観戦者らが退場していた。
人の多さが凄い。Bブロック会場と同じくらいだ。
エンデヴァー・クラウスという人物、あの大きな戦斧を使う戦闘をするのだろう。
出来れば、リアルタイムで戦闘の様子を観ておきたかったけれど、終わってしまったものはどうしようも無い。
「リノ、僕らも外へ出ようか」
「はい!次の会場は行けますかね?」
「どうだろう、他の会場も予定よりも前倒しで終わっているところが多いからもしかしたら観戦できない可能性もあるかもね。外に出たらスタッフの方に聞いてみよう」
「そうですね!」
会場の外は更に人が多くなっていた。露店や出店の数も増えている。
本当に国を挙げての武道大会なんだなっと思った。
会場の外に出たら、スタッフの人が誘導やら案内やらで対応に追われている様子が見れた。この会場の広さだ。しょうがない。
「リノ、ここで待っててスタッフの人に他の会場のことを聞いてくるよ」
「はい、リノお待ちしております!」
リノが敬礼しながら片手にはアイスクリームをいつの間にか握り締めているのがチラッと見えた。
「あの、他の会場を観戦したいんですが、どこに行けば良いですか?」
「あ、はい。少々お待ちくださいね」
運営スタッフと記載された腕章をつけたスタッフさんが、魔法か何かなのだろうか、空間にタブレットサイズのモニターが出てきて何やら検索している。
「申し訳ありません。他の会場も既に終了しているところが多く残っているブロックも間もなく終わるそうです」
「そうですか、ちなみにどこのブロックですか?」
「たった今、終わってしまいましたが、Uブロックのデンティス・グルラジ様が予選を通過、合わせて、Oブロックのクロノス・フーガ様が予選を通過されました。もう間もなく全ての予選会場閉場の案内アナウンスが流れるかと思います。今回の大会はとても早い異例の閉場です。私も初めてです。ご案内出来ずに申し訳ありません」
「とんでもないです!スタッフさんありがとうございました!」
ペコっとスタッフの方が一礼すると別の人の対応に追われていた。
今回の武道大会の予選では約各ブロック毎に3800名の参加者がおり、3時間という制限時間付きというこのもあったというのに僕が知っている範囲内では、全員1名のみで予選を前倒しで通過している。
僕は前回の大会に出たわけでは無いから、今回の大会と正確に比較することは出来ないけれども、異例のスピードで予選を勝ち進んだ話を聞くに、僕の肌と直観でわかることは、午後の本選では激戦が確実ということだ。
まだ本選でどのようなルールが敷かれるかわからないが、どんなルールであっても勝ち進まなければいけない。
「リノ、お待たせ。他の会場も終わってしまったみたい」
「そうですか、残念ですね」
「まぁ、本選は午後の1時からだから2時間程ゆっくりするさ」
「では、控室等の場所とか本選会場へ行ってみましょうか。会場広いですし」
「確かに。遅刻したら減点とかあったら嫌だしな。そうしようか」
人が昼時となり更に多くなってきた。きっと予選参加者も僕らのように露店や出店で楽しんでいるんだろう。そういう声が聞こえてくるような気がした。
「ご来場の方へお知らせ致します。現時刻を持ちまして全ての予選が終了致しました。本選は2時間後、13時より開始致します。本選参加者の皆様は全員15分前いは控室にて待機をお願い致します。合わせて、午後からは一般の来場者の方々も入場されますので、混雑時の状況によっては現地スタッフの対応が遅れてしまう可能性がありますので、不明な点等ありましたら午前の間にお聞きください」
アナウンスが会場全体に響き渡った。
本選か、どんな戦いになるのだろうか。
恐怖は無い、不安も無い、心配も無い、ただこれから出会う人たちへの期待と好奇心で胸がいっぱいになった。僕が今出来る目の前の相手にベストを尽くそうと思った。




