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ポラリスの多世界  作者: 一
特異大魔法世界編
64/362

#62 戦斧王


「ニノマエさんが負けただと」


衝撃だった。だが、この武道大会は勇者クラスすらも超える存在がごろごろいる可能性が高いということがよくわった。

他のブロックでも同様だろう。あの剣士も要チェックだ。


「まさか、勇者が負けちまうとはな。死亡させないように手加減していた可能性は無くもないが、途中からは明らかに本気の剣筋だった。最初から観戦していたが、まさかの結果で驚きだよ。な、ジーン」


「ええ、勇者とは一度手合わせしてみたかったけれども、更に上がいることを思い知った気分だわ。私もまだまだね」


ヴァルフレアさんもジーンさんも十分に僕からしたら強者だ。

レベルはカンスト済み、触りを観測するだけでも勇者同様ステータスもカンストしている。触りじゃなくてしっかりと観測すれば本当の数値を知ることは出来るけれども、それをしたらバレる可能性が高い。


信用を無くさないためにもここは慎重に行く必要がある。

しかも、もうこの二人とは戦闘は無事に終わったのだ。

今更ながら観測する必要は無い。


「Bブロック予選会場閉会致します。ご観覧の皆様は速やかに会場外へ退場していただきますようお願い致します」


アナウンスが観戦会場に響き渡る。

他の会場はどうなっているのだろうか。とても気になる。


「嬢ちゃんたちは他の会場にもこれから回るのか?」


「ええ、リノと二人で色々回って本選での対戦相手について、少しでも情報を手に入れられたらと思っています」


「そうか、それじゃ、俺も早々に退場だったので、色々他の会場を見て回ったが、Pブロックのリリカルには気をつけろよ」


「Pブロックのリリカルですか」


「ああ、嬢ちゃん並みに強いと俺は見ている。3800人を一人で40分以内に退場させている。速度、力、魔力、技能も桁違いだ。あくまで俺の直観と経験からくる観察の推論だけどな」


「ヴァルフレアさん、情報ありがとうございます」


「気にすんな。一度戦えばもう戦友だ」


「何が戦友よ!ただの女たらし!」


本当にヴァルフレアさんとジーンさん仲が良いんだな。

それにしてもPブロックのリリカルか。僕並みに強いということは大きな収穫だ。

ヴァルフレアさんが言うには、今年は本当に強者が出揃っているらしい。

有名ギルドのからも、冒険者からも、魔法使いからも、僕のような無名に至るまで。


お金の力は凄いと改めて思った。



「それじゃ、俺たちは別の会場に行くけど、嬢ちゃんたちも一緒に来るか?」


「いえ、お誘いありがとうございます。せっかくなので、リノと一緒に少し息抜きしながら他の会場を見て回りたいと思います」


「ヴァルフレア、振られたわね。ウケる」


「うるせッ!それじゃ、別の会場でまたあった時はよろしくな!それと、本選絶対に勝ち進めよ!じゃあな!」


「じゃあね」


「ヴァルフレアさん、ジーンさんありがとうございます!」


二人とはBブロック会場で別れた。

続々と観戦会場から場外へと大人数が出ていく。勇者が負けたことを仕切りに話題にしている。ギルド関係者だろうか、軍関係者だろうか、軍服や役職が高そうな人々も垣間見えた。


さて、僕らも引き続き情報収集だな。


「リノ、次のブロックどこに行こうか」


「そうですね、この会場からですと近いのはCブロックか、Dブロックでしょうか」


「それじゃCブロックに行ってみるか」


「はい!お姉さま!」


出店と露店で飲み物と食べ物を買い出ししながら、Cブロック会場へと僕らは向かった。それにしてもBブロック会場に入る前よりも通りの人が多くなってきている。時間は午前10時か。時間が経つのは早いな。


予選会場は確かこのチラシによると一般参加者不可となっているから、午後からが本選か。午前の予選は11時で終了だから、あと物理的に観戦できるとしても1つか2つあたりだろうか。

午後の本選は13時からとなっている。


!!?


地面が揺れた。Cブロックもなかなか激しく結界を越えた攻撃をしているのだろうか。

地響きのような音と観客の歓声が混じり合い熱を帯びていた。


「リノ、さあ行こうか」


「はい!Cブロック会場もなかなか激しい感じですね」


「ヴァルフレアさんが言っていたけれど、強者が多いって言っていたからね。観測せずとも触りだけだとカンストしていてそれ以上のことはわからないだろうけどな」


「とりあえず行ってみましょう」



Cブロック会場に入ってみると、この会場も一騎打ちになっていた。

ここの会場も3800人の予選参加者がいたという。僕も含めてもう知っている限りだと約半分近い数のブロックが予選を終了している。


「「わあああああああ」」


歓声が響き渡る。どうやら今決着がついたみたいだ。

まだ入ったばかりだというのに、タイミングが悪かった。


予選会場を見てみると、青い髪の男が立っていた。

服装から見るに冒険者だろうか?武器はとても大きな戦斧を持っている。


なんて言う人だろうか。


「あの人は、ギルド:ユグドラシルの戦斧王エンデヴァー・クラウスという方みたいですよ。どうやらギルド推薦者みたいです」


「リノ、知っているの?」


「名簿者リストは頭の中に入れましたから」


リノ、凄い子!!


「凄いな、リノ!ありがとう助かるよ!」


「お姉さまに褒められると照れますぅ」


リノがくねくねしているが気にしないでおこう。持つべきものは友だな。

それにしても、エンデヴァー・クラウスか。僕と同じギルド推薦者。

やはり、触りを観測してみたが、ステータスが振り切れている。レベルも勿論カンスト済み。予想どおりか、本選ではステータスは未知数、レベルはカンストが当たり前になるのだろう。


「Cブロック予選通過者はエンデヴァー・クラウス」


「「わあああああああああ!!」」


歓声と期待と覇気が会場の熱気と混じり合い、会場は大きな熱気の渦になっていた。



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