#37 ソラと魔神王②
《進化完了。全宙は今持って破棄。宙王へ移行。リノ戦におけるエネルギー吸収率のうち100%を消費。確認。確認。完了。進化完了に伴い、展開中の魔法を全て掌握完了》
「何が、何が起きた.…」
《魔神王グラリリス、貴様では宙王となった私にはもう届かない》
「戯け!!禁書魔法!」
『幾何魔法:空閲迷宮』
捉えた!時間が止まった凍ったレベルの魔法では無い。空悦迷宮は二度と出れない重力と時空の奔流した牢獄の魔法。認識、観測、いかなる魔法すらも届かない最強の拘束迷宮魔法。
《児戯ですね》
宙王が息をフッと吹きかけると、あの強大な魔法が跡形も無く消え去った。
「!!!!」
《もうわかったでしょ。貴方如きじゃもう私には指一本すら届かないということに》
「誰に物を申しておる!我は魔神王ぞ!魔の頂にいる魔導を極めし覇者、創生級の我の魔法が届かぬと?不届き者よ、我の真の力を持って屠ろうぞ」
『臨魔降臨』
《魔力量が増大を観測。神外の魔導か》
「ワレ怨敵ヲ滅スル魔神王ナリ」
視覚的に魔力量が観測するまでも無く、甚大を越えた神代も超える魔力量が可視化されて見える。通常の空間で発動されたら、主とリノ様には影響は無いとはいえ、周辺の隣国への被害は大変なものになることは明白。
むしろ、時が凍った現状だからこそ、被害が最小限に済むということか。
!!!来る!!!
『虚之神』
虚数攻撃か、まるでリノ様からの攻撃を受けているみたいだ。空間事の確率が改変されていく。
前真核の全宙であれば処理しきれなかったでしょう。でも、今は違う。この神の力も私、宙王が貰い受けます!!
《虚之神を観測開始!不可不可不可認識、掌握完了!吸収に移行。完了》
進化した宙王は虚之神を吸収した。
あっけないものだった。観測処理速度が何億倍にも性能が上がったせいだ。
もはや、今の宙王にとって時が止まった凍った次元が変質した程度だと何不自由無い平穏な状態である通常空間と変わらない。
そして、そのまま時空が止まって加速していく利点を活かしたまま、進化へ還元。
《虚之神と宇宙ノ色彩を獲得、合わせて現在の戦闘で得て獲得した100万のスキルを一つに統一し、進化を確認完了し深淵之魔神を獲得しました》
「ナンダト我ノ力ガ吸収サレタダト!!」
《流石は神を名乗るだけある。魔神王グラリリス。私たちは貴方のおかげでもっと強くなれた。そして、私たちはもっともっと強くなれる。本当にありがとう》
「認メナイ許サナイ死シテ我ニ滅ボサレヨ!」
《もう十分吸収させてもらったよ。魔神王グラリリス。最後に見せてあげるこれが宙王の新たな力》
『多元掌握』
「グォォォウォォ!!!!」
次元観測全域を掌握し圧縮する力。
有象無象関係無く特異点になり対消失させる絶技。
「コノ我ガ!!コノ我ガァァァ!!!」
《もう無駄ですよ。貴方がいかなる神技を用いろうとも、私には深淵之魔神がある限り私には届かない。そして、グラリリス、あなたの願いは聞き届けられない》
「…」
《魔神王グラリリスの完全消失を確認。この戦闘で吸収したエネルギーはリノへも回廊を介して供給。進化の発芽を確認、完了》
時間が元の軸へ修正されていく。
だが、余波は抑えられない。通常であれば。
《過分の余波を観測掌握完了。時空が停止した状態での戦闘による余波は全て吸収しポラリス、リノに還元します》
「さぁ!勝負?だ?」
「あれ?お姉さま、魔神王とやらがおりません!」
《初めまして、ポラリス、リノ。私は全宙から進化し、宙王となり、人格や情報は全て引き継ぎました。これから何卒よろしくお願い致します》
「「えッ?!」」
《合わせて、魔神王ですが、時間凍結魔法を使用したため、僭越ながら私のほうで処理させていただきました。つきましては、戦闘で得た経験値やエネルギーはポラリスへ、回廊を介してリノへ還元させて頂きました》
「「えッ?!」」
《ステータスを後ほどご確認ください。ポラリスにおいては、性能が全宙のときと比較すると約10億倍まで進化し、究極スキル:虚之神、宇宙ノ色彩、深淵之魔神を獲得しました。戦闘中に100万のスキルを取得しましたが条件を満たしたため深淵之魔神へ還元し進化させていただきました。事後報告で大変恐縮ですが何卒ご容赦ください。リノにおいても究極スキルを複数取得に成功しております。後ほどご確認をしてください》
「「えッ?!」」
先程まで強烈な気配を漂わせていた魔神王の気配すらもう感じない。見た瞬間に僕とリノは激闘を覚悟していたが、時間が止まった世界ではあっと言う間の出来事だったみたいで、まるで実感がない。
目の前に広がるのは、鳥のさえずりと荒れ果てたヘリオス平原と巨大な大穴が空いたヘリオス山脈だった。
宙王さん、強すぎて頼もしすぎ!!
ポラリスとリノは心の底から思った。




